左千方(1196.8m)三国岳(1209m)

 

★ひとこと   「余呉のブナ大木林と稜線からの大展望を求めて左千方へ」

谷山南尾根から左千方を望む


★行った日   2015年3月27日(金) 快晴 単独

★コース

 高槻4:10(名神、北陸道)=木之本IC(R365、県道284、県道285)=6:07小原・橋6:27→田戸6:47→安蔵山登山口7:20→8:06奥川並8:15→9:02Ca570(アイゼン着)9:10→P706 9:39→10:41(938.79m)谷山(SS着)10:59→P959 12:05→13:02(1196.8m)左千方13:28→(1209m)三国岳13:55→14:22左千方(アイゼン着)14:36→15:03P959 15:08→16:03谷山16:10→P706 16:53→17:39奥川並(アイゼン脱)17:47→安蔵山登山口18:33→田戸18:56→19:18小原・橋19:26(県道285、県道284、R365)=木之本IC(北陸道、名神)=高槻21:28

 左千方(させんぼう)は福井県近くの滋賀/岐阜県境にあって、アプローチに長い稜線歩きを必要とする展望に優れた山だ。稜線の豊かなブナ大木林と山頂付近からの奥美濃の展望に憧れて3回目の訪問だ。木之本ICから余呉菅並(すがなみ)へ向い、中止された丹生(にゅう)ダムのお陰で立派な県道になった北海道トンネルを過ぎ、10日前に除雪されているのを確認済みの小原(おはら)手前の橋の袂に路駐だ。2台の車が先着していたが、人に会うことがなかったので釣り師らしい。
 山頂付近が朝日に輝くのを眺めながら出発、気温は0℃くらいで路面の残雪を殆んど踏み抜くことなく快調に進む。約1キロ先の田戸(たど)で右折し、高時川にかかる鎖ゲートの橋を渡って地肌の現れた林道を進む。徐々に増えてきた凸凹の残雪を乗り越え、雪に埋もれた安蔵山(あんぞうやま)登山口の梯子を見送り、奥川並川の右岸沿いに殆んど地肌が見えなくなった林道を進む。一昨年は1週間後だったが残雪は殆んどなかったので今年は雪が多そうだ。日がさし始めた奥川並(おくかわなみ)へ田戸から約4キロ、1時間20分もかかってやっと到着だ。昨日?のワカンのトレースを追って林道から左の杉林に入り、八幡神社跡を過ぎて、残雪が切れ切れに残る藪っぽい急坂を登る。Ca570で広葉樹の緩斜面となり、雪面が続いてきたのでアイゼンを履く。雪面がクラストしているので、地肌露出より登り易い。谷山南尾根のP706手前に上る急坂には幹周りが丸く融雪したブナ林が分布し、先行者のトレースを追ってジグザグに登る。尾根に上がった少し先のP706から東北に左千方の初見参だ。右眼下には足ノ又谷の林道が白い線となって望めるが、滑り台の連続で通れたものではない様だ。アップダウンを繰り返しながらなだらかに稜線を登るとCa790ピークだ。振り返りと横山岳を中心にして余呉の山々が広がっている。やがてナイフリッジのような急なヤセ尾根となり、その一部で藪が顔を出し、慎重に通過だ。続くブナ尾根の急坂を頑張ると谷山の雪原、この辺りで先行者のトレースともお別れだ。

 (小原手前の橋で除雪終了)    (残雪の多い県道を行く)   (田戸から橋を渡って林道へ)

 (雪に埋もれた安蔵山登山口) (残雪の林道を奥川並へ進む)    (やっと奥川並到着)

   (八幡神社跡を登る)    (藪っぽい急坂尾根を登る) (Ca570緩斜面でアイゼンを履く)

  (P707手前のブナ林急坂)  (P706手前の尾根へ上がる)       (P706)

(P706付近から左千方初見参)   (疎林帯尾根を進む)      (急なヤセ尾根を登る)

              (Ca790ピークから南の横山岳方面を振り返る)

 アイゼンのままでも良かったが谷山でSS(スノーシュー)を履き、東へ続く見事なブナ大木林の幅広尾根のだらだら坂を下る。雪原にブナ大木が林立するさまは生命力を感じさせてくれる風景だ。直ぐ先のCa910の展望稜線は2、300メートルにわたって南面が開け、横山岳の展望台だ。P959まで、正面に左千方、左に樹間から上谷山(かみたにやま)を眺めながら、SS散歩に好適なほぼ平坦な疎林帯の幅広尾根が続く。P959から上り坂となるが、ピークから東北の正面に左千方、後方には横山岳、西北には上谷山が雄大だ。徐々に斜度がきつくなる稜線を登り、前回に露出していた藪も雪の下、休み休み頑張るとさえぎる物のない雪原の左千方山頂だ。

(急なブナ尾根を頑張って登る)   (何もない谷山ピーク)      (ブナ大木林をSS漫歩)

  (展望稜線から横山岳)       (展望稜線を西へ)     (左千方へ疎林帯尾根を行く)

    (P959から東北(左千方)〜たどって来た尾根(谷山)〜西北(上谷山)を振り返る)

 (P959から左千方めざす)   (P959から上谷山を望む)     (山頂直下を登る)

                   (左千方から360度の大展望)

 左千方山頂は360度の大展望、奥美濃や余呉の山々の展望台だ。白山らしい姿も認めたが確証なし。山頂で昼食の大休止、無風のポカポカ陽気のもと、白い峰々を眺めながらの熱いコーヒーは最高だ。しんどいめをして登ってきた努力への自然のご褒美だ。いま午後1時半、僕の足で三国岳往復に1時間、左千方から奥川並まで3時間、暗くなるまでに林道に下るには三国岳へそろそろ出発だ。左千方山頂から三国岳へ向って北西風をまともに受ける東北尾根が続くので、素晴らしい雪庇の発達した比較的なだらかな稜線だ。さえぎる物のない眺望を楽しみながら歩くと小高い雪丘の最高点が三国岳だ。すぐUターン、雪庇の尾根を左千方へ戻り、急坂下りに備えてアイゼンを履いて下山開始だ。

  (丸い雪丘の左千方山頂)   (左千方から上谷山を望む)    (山頂から三国岳へ向う)

                   (三国岳から西北方向の180度の展望)

                   (三国岳から東南方向の180度の展望)

 (三国岳手前の稜線を行く)   (何も目印のない三国岳頂上)   (山頂から左千方へ向う)

 (左千方山頂から下り始める) (腐り雪の急坂をこわごわ下る)     (快適な稜線下り)

 きょうの晴天と陽気のため積雪が緩み、表面は少し融けた水滴状態だ。前回はヒールを利かして急坂を快適に下ったが、きょうはヒールではずるずる滑るため、つま先で滑るのを防ぎながら斜めに下り、傾斜がゆるくなってから快適なヒール下りだ。眺望を楽しみながら稜線を下り、P959を過ぎて樹林帯に入ると斜光が面白い。雪面に伸びる林立するブナの幾何学的な縞模様が素晴らしい。谷山を過ぎると谷山南尾根の急坂下りだ。朝は硬い雪面だったが雪質がゆるんで時々踏み抜くので注意が必要だ。前面に横山岳を眺めながら、夕日に映えるナイフリッジのヤセ尾根下りも乙なものだ。P706の先から右へ下り、奥川並直前で前回と同じく藪回避に回り道をして明るいうちに奥川並の林道に下り立った。林道途中でとっぷり日が暮れ、きょうの陽気で柔らかくなった残雪を踏み抜きながら久しぶりにヘッデンを点けて田戸を経て小原の先の橋へ帰りついた。
 無風の快晴に恵まれ、誰にも会わずに余呉の春山を独占した13時間の山歩きだ。県境稜線からの余呉や奥美濃の峰々の大展望、溢れんばかりの生命力を感じさせてくれる谷山付近のブナ大木林、谷山南尾根のプチナイフリッジなど、しんどかったが充実感ある山旅だった。

                  (Ca1080から稜線下りの大展望)

    (P959を下る)      (柔らかい日差しのブナ林を行く)   (展望稜線を戻る)

   (斜光に輝くブナ林)        (谷山まで戻る)           (急坂尾根を下る)

 (藪の出たヤセ尾根を下る)   (夕日のブナ林尾根を下る)    (P706から左へ下る)

  (いつも間違う藪尾根下り)     (咲き始めたイワカガミ)    (日暮れ前に奥川並へ戻る)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  中河内(なかのかわち)、美濃川上

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