藤原岳(1140m)

 

★ひとこと   「茨川から三筋滝経由花の藤原岳を経て迷い尾根へ」

個体数の減った福寿草(藤原岳南尾根)


★行った日   2015年3月31日(火) 晴 単独

★コース


 高槻5:56(名神)=八日市IC(R421、茨川林道)=8:13茨川路駐8:26→茨川廃村8:33→9:23蛇谷分岐9:31→三筋滝下10:03→10:27休憩10:34→小ゴルジュ11:02→11:27休憩11:36→12:11鉄塔広場12:32→頭陀ヶ平(1143.4m)13:00→13:30(1171m)天狗岩13:38→藤原山荘13:59→(1140m)藤原岳14:16→孫太尾根分岐14:52→15:14迷い尾根分岐15:19→茨川廃村15:50→16:01茨川路駐16:06(茨川林道、R421)=八日市IC(名神)=高槻18:37

 いよいよ花の季節の幕開け到来、手始めに花の山、藤原岳のフクジュソウだ。今回は滋賀県側からのアプローチ、茨川(いばがわ)を起点に三筋(みすじ)滝から頭陀ヶ平(ずだがひら)、藤原岳を経て迷い尾根へ周回の計画だ。八日市ICからR421を東進、八風(はっぷう)谷手前から茶屋川沿いの茨川林道に入り、どこまで進めるか不安にかられながら穴ぼこ悪路林道を最徐行だ。幸いにも茨川廃村の近くまで通行でき、9.2キロを41分かかって工事用ユンボの手前拡幅部に路駐だ。
 4月下旬の暖かさが予想されるので、1リットル余分の飲みものと念のため簡易アイゼンを持って出発だ。工事現場のユンボ横を通り抜けると茨川廃村の河床の四角いコンクリ台が目の前だ。適当な木の棒を探してきてそれを支えに浅瀬を左岸へ飛び渡り、廃屋や鳥居前を通って広い河原を上流へ渡渉を繰り返しながら進む。平成24年9月(台風16号)の豪雨禍の影響か、流木があちこちに堆積し、流れに削り取られたむき出しの崖など、荒れた茶屋川のたたずまいだ。両岸の芽吹く前の落葉樹や山陰の残雪は春まだ遠しの寒々とした風景だ。蛇谷出合で西尾根登山道を山裾に眺めながら左の谷筋に入り、天狗岩を正面に見ながら進む。谷幅が徐々に狭まってきて、高さが目測15メートル位の岩壁で行き止まりだ。右端に一筋の滝が落ちる三筋滝だ。左側(右岸)斜面の倒木を頼りに這い上がり、以前からぶら下がっているザイルを片手にもう片方は岩角を掴んで身体を引き上げるとザイル起点の木の幹だ。この先ほんの数メートル、手掛かりのない恐怖の落葉堆積斜面のトラバースで滝上だ。残雪の点在する狭くなった谷筋を右往左往しながら遡上すると小ゴルジュの滝で行き止りだ。少し戻って左岸を高巻くことにして山裾を登ると赤テープ、正解ルートらしい。また流れへ戻って谷筋を遡行し白瀬峠へ向うのが億劫になり、このまま東へ鉄塔の建つP989を目指すことにした。幸いにも急坂だが藪もなく所々に石灰岩の点在する広葉樹林帯だ。しんどいので直登を避け、ジグを切って稲妻形省エネ登坂だ。Ca950でなだらかな好展望の稜線となり、草花の芽吹く石灰岩の点在する尾根を過ぎて広葉樹林帯を抜けると広い鉄塔台地だ。雪原の残る台地は縦走路から外れているのでトレースもなく、小鳥のさえずりなどを自然を楽しみながら静かな大休止だ。


 (茨川廃村手前の工事現場)  (茨川廃村で渡渉して左岸へ)   (右岸に建つ神社の鳥居)

(頭陀ヶ平を正面に茶屋川を遡上)  (蛇谷分岐を左へ)      (天狗岩へ向って上流へ)

(一筋になった三筋滝の右岸へ)(倒木の先の放置ザイルを使う)(滝上の狭くなった谷筋を行く)

(手前岩陰の小ゴルジュの小滝)(ゴルジュを避け左岸を高巻く) (そのまま石灰岩尾根を登る)

 (Ca950の展望稜線を登る)     (鉄塔展望広場)     (鉄塔広場から奥の平を望む)

 鉄塔広場から大木の多い広葉落葉樹の森をしばらく登ると雪景色の稜線を経て鉄塔の建つ頭陀ヶ平三角点だ。ここから多くのトレースを追って雪原の残る縦走路を南へ30分ほど行くと天狗岩だ。岩頭から大展望のはずだが霞がかかり御在所岳も視界の彼方だ。天狗岩から小灌木の多い石灰岩が点在する草原が続き、かつて黄色い絨毯を敷きつめたように咲いていたフクジュソウは数輪咲いているだけで寂しい限りだ。藤原山荘を経て、西尾根で下ることも考えたが、渡渉を繰り返す茶屋川歩きを敬遠、茨川廃村へ直接下る迷い尾根下りだ。藤原岳山頂を経て稜線を南下、石灰岩の岩稜地帯を過ぎると広葉樹林の急坂だ。ここでやっとフクジュソウの群生地と面会だ。標高1000メートルを切ると花の姿はなく、注意しながら赤テープを追って急坂を下ると孫田(まごた)尾根分岐だ。なだらかな歩き易い尾根伝いにしばらく進むと目印の多い迷い尾根分岐だ。この尾根下りは間違いやすいので、しつこいほど付けられた赤テープを忠実にたどることだ。縦走路から30分も下ると茨川廃村だ。流れを水中飛び渡りで渡り、作業中の人に挨拶して工事現場を過ぎると路駐場所はすぐだ。
 きょうのルートでは藤原岳南尾根でフクジュソウが群生していたが、藤原山荘から天狗岩にかけて個体数が減っているようだ。茨川付近の茶屋川は荒れているが三筋滝から上流の真の谷(どこまで茶屋川?)は残雪と岩床の美しい峡谷らしくなってくる。P989近くの鉄塔広場は明るい最高の休憩場所だ。僕の場合、茨川林道が通れたので三重回りよりアプローチが楽だ。

(鉄塔広場から広葉樹林を登る) (もうすぐ頭陀ヶ平の鉄塔)      (頭陀ヶ平の三角点)

   (樹林帯を天狗岩へ)        (春霞の天狗岩)      (雪の樹林帯を藤原山荘へ)

               (天狗岩から春霞で御在所岳も見えないの展望)

(福寿草のない草原を藤原山荘へ)   (藤原岳山頂)         (山頂から南へ下る)

  (南尾根急斜面の福寿草)      (急斜面を下る)           (孫太尾根分岐)

  (目印の多い迷い尾根分岐)    (西へ迷い尾根を下る)       (茨川廃村到着)

★道で出会った花

    マンサク(茶屋川)        ネコノメソウ(茶屋川)     セツブンソウ(藤原岳)

   フクジュソウ(藤原岳)         ?(藤原岳)           アセビ(縦走路)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図  竜ヶ岳、篠立(しのだち)

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