うぐい谷高(1291.3m)中井高(1233.0m)

 

★ひとこと   「父ヶ谷林道からうぐい谷高経由台高縦走路を経て周回」

うぐい谷高三角点


★行った日   2015年4月26日(日) 晴時々曇 単独

★コース

高槻3:33(名神、新名神、伊勢道、紀勢道)=大宮大台IC6:00(県道31、R422、県道53、父ヶ谷林道)=6:49路駐(横谷)7:05→8:02住居廃屋8:09→共聴アンテナ残骸8:46→8:57休憩(ピーク)9:04→10:04(1291.3m)うぐい谷高10:13→11:11(1233.0m)中井高11:20→11:55P1282大休止12:18→父ヶ谷の高12:45→13:12ブナノキ平13:19→北谷隧道分岐13:39→北谷隧道北口14:07→14:24父ヶ谷雨量観測所14:32→住居廃屋15:08→15:54路駐(横谷)15:58(父ヶ谷林道、県道53、R422、県道31)=大宮大台IC17:04(紀勢道、伊勢道、新名神、名神)=高槻19:35

 台高山脈の東側にあって大杉国見山(おおすぎくにみやま)と父ヶ谷(ちちがたに)を介して対峙するうぐい谷高だ。多少のヤブコギをしてもダニやヒルに悩まされることもなく、台高主脈から外れた晩春の静かなたたずまいが大好きだ。父ヶ谷林道の作業住居廃屋を起点に、うぐい谷高、中井高経由台高縦走路を経て父ヶ谷林道の北谷隧道へ下る計画だ。岩峰群を正面に眺めながら赤橋を渡り、すぐ右折して父ヶ谷林道へ、地道悪路を最徐行でしばらく進むと横谷手前で通行止めだ。
 橋桁が撤去された横谷を渡って落石や倒木の多い林道を進む。右上には大杉国見山へ続く稜線直下の岩頭が朝日に輝いている。父ヶ谷の峡谷の大岩に以前からぶら下がっている吊橋の残骸やその下の青い渕を眺めながら進み、ナゴ谷の岩から落ちる滝前を通ると川底のような道だ。やがてUターンで高度を稼ぎ、牛鬼渕上の素掘りトンネルを通ってしばらく進むと北谷南谷出合上のちょっとした見晴しのよい広場だ。かつて、大杉国見山の帰りに北谷隧道をショートカットしてP1044から急な尾根下りで道に迷い、やっとこさ南谷を渡ってここへたどり着いたのが思い出される。広場から今は無用の長物の車止めポールを過ぎると作業住居廃屋だ。うぐい谷高からヘッデンつけてアンテナ残骸横を下山したとのzippさんの10年前のレポにならって、残置された共聴ケーブルを目印に廃屋の前から取りつく。

 (岩峰を見ながら赤橋を渡る)(橋の袂から右の父ヶ谷林道へ)   (横谷以降は通行止め)

   (橋のない横谷を渡る)     (ナゴ山谷の前を直進)    (川底のような林道を進む)

  (Uターン道を見下ろす)    (牛鬼淵上の素掘りトンネル)  (北谷南谷出合上の広場)

     (作業住居廃屋)       (共聴ケーブルに沿って登る)   (藪っぽい急斜面を登る)

 枯れたスズタケがうるさい急な尾根を黒いケーブルを目印にがむしゃらに登る。ケーブルには太いものと複数の細いものの2種類あり、太いケーブルは導水管で切れ切れに沢筋に向かって踏み跡もついているがすぐに絶壁に消滅する。地形図の点線につながっているのかもしれない。本命の細い黒ケーブルに沿って登るとジグザグの明確な踏み跡が現れ、以降小木を頼りに植林帯の急な尾根を登る。P966手前の尾根北側に共聴アンテナの残骸が放置され、ケーブルはここまでだ。すぐ上のP966で西北からきた尾根と合流、しばらくなだらかな尾根が続き、石杭が山頂まで続いている。P966から下るときは尾根間違いに要注意だ。平地の稜線上の標高1000メートルの小ピークで小休止、ミズナラ?の大木やブナもある林間の憩いの空間だ。なだらかな明るい幅広の稜線を過ぎると樹林尾根を緩急を繰り返して登り続ける。やがてP1153からやってきた巡視路ルートと合流、ツガの大木やブナやヒメシャラ点在の丸い大きな稜線だ。南の山へ登りつくと馬の鞍のような明るい丸いうぐい谷高山頂だ。山頂から大木のヒメシャラ、ブナが点在し、ムラサキヤシオ?が彩りを添える美しい尾根を下る。シロヤシオの巨樹もあり、シーズンに見たいものだ。P1215手前の樹間から下山時に下る北谷隧道分岐ピークが見えている。P1143から来る三発(宮川第三発電所)ルートと合流して少し登ると林間の中井高だ。この手前鞍部から不動谷へ下るルートがあるはずだが明確な踏み跡は不明。

 (植林帯の急な尾根を登る) (P966手前の共聴アンテナ残骸)(P966からなだらかな尾根)

  (憩いの空間で小休止)     (ブナの大木が現れる)      (巡視路ルートと合流)

  (大木尾根を少し登る)       (うぐい谷高山頂)     (美しい尾根をなだらかに下る)

 (シロヤシオの巨樹もある)    (見事なヒメシャラ林)  (P1215手前から北谷隧道分岐P)

  (P1215の稜線を行く)     (ムラサキヤシオの稜線を行く)  (展望のない中井高三角点)

 ここからはじめて通るコースだ。すぐ先で樹木に覆われた岩稜が現れ、シャクナゲまじりの尾根を巻いたり登ったりしながら通過、明るい岩尾根を過ぎるとP1282の疎林帯の明るい平地で丁度12時前、昼食の大休止だ。平地南端の岩頭は絶壁の上に位置し、大台ケ原は霞んでいたが眼下の不動谷が険しそうだ。対岸の中腹には大台林道の続きが一筋の線となって伸びている。いつの日か中井高から不動ダムを経て添谷山へ歩きたいが、不動谷越えがなかなか僕にとっては難物だ。しばらくシャクナゲもある歩き易い尾根をたどるが、今年は異常に蕾が少なく裏年かもしれない。次のピークは東北から西南へ伸びる稜線と直交する展望交叉ピークだ。霞んでなければ大台ケ原が正面にそびえる明るいピークだ。しばらく尾根を下ると縦走路と合流する父ヶ谷高の頭だが、ピークではなく稜線上の一通過点だ。ピークから北尾根を急降下だ。途中から、これから通る北谷隧道分岐ピークが左に、右にたおやかなうぐい谷高、正面奥に大杉国見山が望める。この尾根道の20メートル先に小動物発見、カメラを用意するとよちよちとどこまでも近づき、2メートル先で立ち止った。シャッターボタンを押す動きを感じたのかUターンして一目散だ。全長40センチ位の茶色の艶々した毛並みの可愛いやつだ。近視かもしれない。帰宅後ネットで調べるとニホンアナグマらしい。雑食性で何でも食べる、11〜4月に冬眠するらしいので、冬眠明けで少しボケていたのかも・・・。

(岩稜を巻いたり上ったり通過)   (美しい岩稜帯を行く)     (P1282の平地で大休止)

(P1282岩頭から不動谷を望む)(稜線交叉点の展望ピーク)  (父ヶ谷の高で縦走路合流)

            (稜線交叉ピークから霞んだ大台ケ原方面を望む)

            (父ヶ谷の高の下り北尾根から大杉国見山方面を望む)

    (北尾根を下り続ける)   (20メートル前方小動物出現)(尾根を2メートル前まで近づく)

 ブナ大木尾根をひと山越えると落葉樹の平地、ブナノキ平だ。地図を見ていると南谷へショートカットする誘惑に駆られそうだが、台高の尾根にくらあり、谷に滝ありの格言どおり未知のルートは恐ろしそうだ。ブナノキ平から東北へブナの斜面を登り、途中で縦走路分岐を見落としてテープの沢山巻かれた北谷隧道分岐ピークだ。ここから東北へ急な植林帯の尾根を下るとトンネル北口上縁だ。8割がた落石で埋まった北口へ下り、トンネルを通って約2時間の父ヶ谷林道歩きだ。前回はP1044から南谷堰堤を経て林道の北谷南谷出合平地へ迷いつつ直接下ったが、精神的肉体的疲れと所要時間はあまり変わらないので林道歩きだ。薄く雲のかかり始めたうぐい谷高を眺めつつ林道を下り、途中の父ヶ谷雨量観測所で小休止、コーヒーで元気回復、予定通りに横谷帰着だ。途中、亀山付近で休日渋滞に出会ったが、統一地方選挙にもどうにか間に合い、順調に帰阪した。
 初夏のような暖かさだったが天候に恵まれ、嫌いなヒルやダニにもとりつかれず、静かな晩春の台高を楽しむことができた。ムラサキヤシオ?に彩られた芽吹く前の明るいブナやヒメシャラの森が素晴らしい。どうでもいいことながら縦走路の不踏区間は父ヶ谷高の頭から振子辻までになった。

    (大木稜線を行く)        (美しいブナノキ平)     (北谷隧道分岐ピークへ登る)

  (北谷隧道北口上縁へ下る)  (殆んど土砂に埋まった北口)     (土砂のない南口)

 (父ヶ谷林道からうぐい谷高)     (父ヶ谷雨量観測所)        (南谷を渡る)

(うぐい西尾根につながる?梯子) (住居廃屋手前の登り口)    (車止めから小1時間歩く)

★道で出会った花

      ミツバツツジ(廃屋)        ミヤマシキミ(うぐい)        ムラサキヤシオ(うぐい)


     ムシカリ(うぐい)       タムシバ?(中井高)       シャクナゲ蕾(P1282)


     シハイスミレ(ブナノキ平)      ネコノメソウ(林道)           キブシ(林道)


    ヒカゲツツジ(林道)        ノミノフスマ(林道)       ヒメレンゲ(林道)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大台ケ原・高見・倶留尊山
・2万5千分の1地形図  大和柏木、宮川貯水池、大台ケ原山、大杉峡谷

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