行者還岳(1546.2m)七曜岳(1584m)

 

★ひとこと   「天ヶ瀬から清明ノ尾経由奥駈道を経て水簾滝へ」

寒風吹きすさぶ行者還岳の霧氷尾根


★行った日   2015年11月28日(土) 曇 稜線強風  単独

★コース
高槻4:47(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、R169、R309、水太林道)=7:06新田林道P7:21→ゲート7:31→林道終点7:52→林道出合8:36→林道分岐8:46→清明ノ尾出合9:16→9:48トラック残骸9:56→奥駈道出合10:24→天川辻10:59→11:03行者還小屋11:20→(1546.2m)行者還岳11:54→(1584m)七曜岳13:00→和佐又分岐14:25→14:43水太林道出合14:51→15:23新田林道P15:31(水太林道、R309、R169、R309、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻

 大峰山脈北部の行者還岳(ぎょうじゃがえりだけ)だ。天ヶ瀬から行者還岳経由七曜岳(しちようだけ)を経て水簾(すいれん)ノ滝へ周回の計画だ。R189天ヶ瀬から行者還トンネルに向うR309に入り、冬季閉鎖ゲート手前を右折して水太(みずふと)林道を進み、新田林道分岐点の橋を渡った所の3、4台分位の小広場に路駐だ。
 天ヶ瀬川右岸の新田林道を左岸の水太林道を眺めながら出発だ。すぐに谷は二股になり右股の水太谷と別れて左股の中ノ俣谷沿いの道となり、車止めゲートを過ぎて進む。道端の数が所の建物や対岸の行者滝を見送り、しばらく進むと乗用車が放置された広場があり林道が分岐しているが、この道ではなさそうだ。すぐ先で右下に傾いた小屋があり、そのまま進んだが、この辺りが登るべき林道の分岐点だ(あとで気付く)。ここから急に落石が増え、ちょっと先で急に林道が消滅し、下は河原だ。仕方なく右岸側壁上をこわごわ進み、堰堤を過ぎて岩壁下をトラバース、この先は山抜けで河原へ下るか、急坂をよじ登るか、戻るかだ。現在地をGPSで確認すると標高差約100メートル上方に正規のルートがあるので、戻るのを止めてよじ登りに決定だ。あまり急ではないが手掛かりがなく、おまけに滑り易い斜面を四つ足で体重を確保して最初の難所を乗り切り、あとは傾斜の緩んだ斜面を頑張って本来通るべき林道に登りついた。まだ持っていないが滑り止め(チェーンスパイクなど?)を携行していればもっと楽だったはずだ。林道をしばらく進むと直進が天川辻(てんかわつじ)、左折が清明(せいめい?)ノ尾の三差路だ。

 (水太林道出合の新田林道P)(水太谷右岸の新田林道を行く)     (車止めゲート)

  (道端に点在する建物)     (中ノ俣谷左岸の行者滝)    (放置乗用車のある広場)

(ここで分岐する林道を見過ごす)    (林道終点)         (側壁上をこわごわ進む)

  (堰堤右岸側を越える)      (岩壁下をトラバース)     (滑り易い急斜面を四つ足で)

 (残雪の斜面を登り続ける)    (本来の林道に出合う)     (林道分岐で清明ノ尾へ)

 途中に作業小屋もある林道を進み、ジグザグに高度をあげる林道をショートカットしたりしながら徐々に白さの増す斜面を倒木を越え溝をまたぎ、何も考えずに一生懸命に登り続ける。この苦しさの中で一種の快感を覚えるのはアブなのか?。やがて稜線の清明ノ尾で林道出合だ。ブナ並木もあれば植林帯もある稜線を、だんだん深くなる今冬初めての雪の感触を確かめながら進み、Ca1280で放置されたトラック残骸だ。ネット情報でタイタンと呼ばれている。Ca1380で右へ下る林道と別れ、笹原の斜面をひと登りするとP1458の奥駈道出合だ。北向きの奥駈の稜線に西寄りの季節風がまともに吹きつけ、体温を奪う風の温度は真冬のように低くないが、霧氷の華が綺麗だ。P1462の岩稜の西側を巻き、鞍部へ下ると東側の視界が開け、大台ケ原の山並みが望める。

  (途中の作業小屋横を行く) (ジグザグの林道をショートカット)  (清明ノ尾の林道出合)

  (ブナ並木の林道を行く)    (積雪が少しづつ増えてくる)    (道端のトラック残骸)

  (右へ下る林道から尾根へ)    (笹原の尾根を登る)     (P1458の奥駈道出合)

   (強風の稜線を北上)      (P1462の西側を巻く)    (鞍部から大台ケ原を望む)

 積雪で別れ道が判別できない天ヶ瀬道分岐ピークを過ぎると、次の鞍部が古い地蔵の祀られた天川辻だ。すぐ先の行者還避難小屋で少し早いが風を避け、大休止の昼食だ。きょうはこの天候のためか小屋貸切だ。8年ぶりの小屋を後にしてだらだら坂を下り、行者窟(ぎょうじゃくつ)から梯子場の急坂を登り、行者還岳の北の肩から風当たりの強い稜線を戻ってシャクナゲ藪をくぐると錫杖の立つ山頂だ。行者還岳から七曜岳間の稜線が風の通り道らしく雪が吹き飛ばされて地肌の出た所もある稜線だ。七曜岳に近づくと梯子場もある岩稜登りが続くが、気温が高く凍結してないのでアイゼンは不要だ(持っていかなかったが)。見晴しのよい岩稜から振り返ると弥仙(みせん)は雪雲の彼方だが三角錐の行者還岳が途中のピークと重なって望めた。梯子場の岩稜を登ると無双洞(むそうどう)へ下る和佐又(わさまた)分岐だ。

            (天ヶ瀬道合流ピーク手前鞍部の展望所から東方を望む)


       (天川辻)           (行者還避難小屋)          (行者窟)

  (梯子場の急坂を登る)        (行者還岳山頂)      (風当たりの強い稜線を行く)

  (七曜岳へ続く岩稜登り)     (行者還岳を振り返る)       (梯子場を登る)

 分岐から稜線をちょっと北上して鎖場を上がると岩峰の七曜岳だ。七曜岳から正面に神童子谷(じんどうじだに)の向こうにバリゴヤノ頭〜稲村ヶ岳の岩峰が見えるはずだが雪雲の彼方だ。東北には山頂付近の梢越しに駱駝のコブのような日本岳の岩峰が望める。分岐へ戻り、無双洞への急坂下りだ。木の根の絡まった急坂下りが続くが、雪が凍結してないので何とかなるが、手摺のない急な丸太梯子下りは滑らないように雪をはらいながら全神経を集中して下った。標高1400以下では積雪も少なくなり、楽になる。標高1280で稜線から無双洞へ下る急な斜面だが、積雪が斑点状に少なくなり、おまけに粘土状の地肌でにゅるにゅるだ。ジグザグに下るが踏み跡がはっきりせず、一歩づつゆっくり滑らないように下ったが、ここもチェーンスパイクなどの滑り止めがほしかった。無双洞に近づくと無雪帯となり、踏み跡もはっきりしてくるが滑落に要注意だ。水簾ノ滝の上流で沢を渡った先が和佐又分岐だ。分岐を直進し、ゴーロ帯を過ぎ、水簾ノ滝を振り返りながら尾根を下る。水太谷右股の水口谷を渡り、水太谷左岸を下ると水太林道出合だ。3キロ弱水太林道を下ると駐車地点の新田林道出合の橋だ。誰一人会わない貸切の霧氷見物だった。
 順調に帰阪のつもりだったがアクシデント発生、林道走行中に異音発生、シャーシー底など車体に木の枝などが挟まって異音が発生することがあるので調べたが白だ。R189にでてスピードを出したり減速したりしたがだんだん異音(シャラシャラ音)が大きくなる始末、左前車輪から発生しているようだ。仕方なくハザードランプをつけて徐行、道端の人が振り返るなか、川上村迫(さこ)までたどり着いてやっと道沿いに修理工場を発見。さすがプロ、一発で原因発見、ホイールを外し左前輪ディスクブレーキをチョコチョコ細長いドライバーで触診、直径約1ミリの砂粒がブレーキシューに挟まっていたとのことだ。長い車生活でこんなことは初めてだ。あとは快調に帰阪。
 きょうは雪景色を狙ったわけではなく、たまたま週間天気予報の晴マークを見て以前から決めていた天ヶ瀬から登る行者還岳だ。新田林道終点からスリル満点のルート探索は興味津々、また、展望はダメだったが奥駈道稜線の今冬初めての霧氷や雪のトレッキングが素晴らしかった。ちょっとした雪の斜面歩きには簡易滑り止めのチェーンスパイクがほしかった。これからの山歩きに是非携行したいものだ。車のアクシデントも含めて得るところの多い山行だった。

 (和佐又分岐を七曜岳へ直進) (七曜岳直前の鎖場を登る) (山頂から稲村ヶ岳は雪雲の中)

 (七曜岳から日本岳の岩峰)  (和佐又分岐から急坂を下る) (梯子場を後ろ向き四つ足で)

(無双堂へ滑り易い斜面を下る) (雪のない斜面をジグザグに)   (水簾ノ滝上部へ下る)

     (沢筋を渡る)        (和佐又分岐を右へ下る)     (水簾ノ滝を振り返る)

 (水太谷右股の水口谷を渡る)    (水太谷左岸を下る)     (もうすぐ水太林道出合)

★道で出会った花(なし)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  弥仙

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