台風5号がふらふらと立ち去り、芥川堤防から望む北摂の山々は久しぶりに陽光に輝いている。いままでに52回ポンポン山を訪れているが真夏は殆んど記憶にないので、キツネノカミソリの開花情報もあり、初めて夏の竈ヶ谷(かまがたに)を訪れる。竈ヶ谷は獣害のため壊滅状態になったが、関係者のご努力で保護柵が完成、維持され、柵内はかつての姿を取り戻しつつあるようだ。本山寺参拝者駐車場を起点にポンポン山を経て竈ヶ谷経由東尾根へ戻る計画だ。蒸し暑いので低標高の歩きはなるべく少なくして一般車の通れる本山寺林道最奥の駐車場からスタートだ。
東海自然歩道の舗装路を30分ほど登ると緑に包まれた人影のない本山寺だ。途中で合流する本山寺古道は新名神工事のため掲示によればH29年10月12日まで通行止だ。木陰で小休止後、雑木林の起伏の少ない西南尾根を1時間ほどたどるとポンポン山頂上広場だ。いつもは賑やかな山頂だが、週日の暑い最中のせいか、2、3人が憩っている閑散とした山頂だ。山頂から西尾根を北上、リョウブの丘を過ぎてフクジュソウ保護地へ右折、ジャングル状態の保護柵を経て急坂を下ると竈ヶ谷出合だ。一昨日の台風の雨で増水した谷筋を何度か渡渉しながら下ると保護柵が現れるが、草花はなく施錠されたままだ。しばらく下流側に進むと関係者が整備中の保護柵があり、満開のオオキツネノカミソリはじめ色々な草花が咲き競っている。
(本山寺参拝者駐車場を出発) (本山寺古道合流点を直進)
(本山寺)
(雑木林の西南尾根を進む) (人の少ないポンポン山頂上) (山頂から愛宕山を望む)
(リョウブの丘を通過)
(福寿草保護柵内はジャングル)(竈ヶ谷を渡渉をしつつ下流へ)


(獣害保護柵に沿って進む) (柵内のオオキツネノカミソリ)
(ミゾソバ似のママコノシリヌグイ)
蒸し暑い沢縁の保護地は草深いジャングル状態、ナンバンハコベやオニドコロをはじめ今まで見たこともない草花が点在し、一見ミゾソバ風の別名トゲソバのママコノシリヌグイも初見参だ。この珍名は茎や葉に刺があり、継子いじめ「継子の尻拭い」の意味だそうだ。草花名は付近を整備中の方に教えてもらいました。有難うございました。保護柵を出るとまったく草花はなく、渡渉を繰り返して沢筋を淡々と下る。増水した出灰(いずりは)川を流木を利用して何とか飛び渡って靴を脱ぐことなく森の案内所へ向かった。涼風の吹きぬける案内所で昼食後、東尾根の急坂へ、何度か休み休みして尾根端へ急坂を上がり、ベンチで息を整え、東尾根歩きだ。松並木の美しい尾根をしばらく進むとイヌブナの森の休憩ベンチだ。東尾根最高点の高圧鉄塔を過ぎ、雑木の稜線をアップダウンしながらしばらく進むと東海自然歩道出合だ。ここから整備された自然歩道をポンポン山を経て道なりに稜線を下ると本山寺駐車場だ。
いままで春しか竈ヶ谷を訪れたことがなかったが、保護柵のお陰でオオキツネノカミソリをはじめ多種の草花を楽しむことができた。蒸し暑い標高400〜600メートル低山歩きで3リットルの水を消費し、バテバテの夏の草花探索だ。登山靴で強行突破したが竈ヶ谷だけなら長靴がよい。
(オオキツネノカミソリは満開) (出灰川を渡渉)
(森の案内所から東尾根へ)
(松林の尾根を行く) (イヌブナの森の休憩ベンチ) (東尾根最高点の鉄塔群)
(東海自然歩道に合流) (無人のポンポン山頂上へ) (山頂から京都市街を望む)
(天狗杉付近を戻る)
(本山寺経由の道と合流) (本山寺駐車場へ帰着)


★道で出会った花
ヤマゴボウ(竈ヶ谷) ダイコンソウ(竈ヶ谷) オオキツネノカミソリ(竈ヶ谷)
オオキツネノカミソリ(竈ヶ谷) ヒメジョオン(竈ヶ谷) ダイコンソウ(竈ヶ谷)
タケニグサ(竈ヶ谷) ヤブテマリ(竈ヶ谷) イヌトウバナ(竈ヶ谷)
ヤマゼリ(竈ヶ谷) カワミドリ?(竈ヶ谷) ママコノシリヌグイ(竈ヶ谷)
?(竈ヶ谷) オニドコロ(竈ヶ谷) オハラメアザミ(竈ヶ谷)
ナンバンハコベ(竈ヶ谷) ナンバンハコベ(竈ヶ谷) ウバユリ(竈ヶ谷)
ウワミズザクラ?(竈ヶ谷) クルマユリ(森の案内所) アキノタムラソウ(森の案内所)
★ルート断面図

(備考)累積標高はGPS精度の高いスマホが真値に近い
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 北摂・京都西山
・2万5千分の1地形図 高槻、法貴、京都西南部、淀
Homeへ