山上ヶ岳(1719.3m)稲村ヶ岳(1726.3m)


★ひとこと   「母公堂から緑の回廊で稲村ヶ岳を経て山上ヶ岳へ」

大日山から弥山を望む
   
★行った日   2017年8月13日(日)  晴一時曇   単独
 
★コース

高槻4:22(近畿高速、西名阪)=柏原IC(R165、県道30、R309、県道21)=6:25清浄大橋(自転車デポ)6:29(県道21)=6:34母公堂6:44→五代松鐘乳洞分岐6:58→7:40法力峠7:47→8:56山上辻9:05→9:37(1689m)大日山9:44→10:05(1726.3m)稲村ヶ岳10:13→10:39山行辻10:49→レンゲ辻11:28→11:30大休止(昼食)11:46→12:28(1719.2m)山上ヶ岳12:41→13:29洞辻茶屋13:34→お助け水13:50→一本松茶屋14:00→14:39清浄大橋14:43(県道21)=自転車(1.4km)=14:50母公堂15:05(県道21、R309、県道30、R165)=柏原IC(西名阪、近畿高速)=高槻18:20

 世界遺産の大峰奥駈道核心部の山上ヶ岳と隣接した岩峰の稲村ヶ岳だ。洞川の母公堂を起点に稲村ヶ岳経由山上ヶ岳を経て清浄大橋へ下る計画だ。今夏は天候不順、例年の連続する夏空は望むべくもなく、きょうは鬱陶しい日々が続く中の晴れ間だ。下市からR309を南下、晴れのお盆休みとあって早朝から数十台の車がとまっている道の駅黒滝でいつもの串こんにゃくをゲット、洞川市街を経て満車の母公堂駐車場を横目に清浄大橋へ。半分以上埋まった清浄大橋の駐車場に自転車をデポして戻り、母公堂手前の拡幅部に路駐だ。
 母公堂横の登山口から植林帯へ、朝日に輝く杉林の道をゆっくり踏み締めながら登る。五代松鍾乳洞の道と合流、植林帯の続く山腹を巻くようになだらかに1時間も登ると観音峯分岐の法力峠だ。この辺りから広葉樹が多くなり、白倉山の山腹をぬうようになだらかに登る。外界の殆んど見えない緑のトンネルが続き、崩落した桟道の脇を通り抜け、笹原が目立ってくると赤い屋根の山小屋の建つ山上辻だ。しばしベンチで休憩後、雰囲気のよい笹原林床の広葉樹の森を登ると稜線に出て、クロモジ尾に下る笹原を右に分け、大日岳の岩峰を正面にちらちら見ながらブナの森を進む。岩峰の東側を巻いてキレットから大日山へ、木の根や鎖場などの急坂があるが見た目ほど険しくなく、10分ほどで小さな祠の祀られた数人で満員になる山頂だ。キレットへ戻り、シャクナゲの薮っぽい稜線を登り、バリゴヤの頭へ向う踏み跡を左に分けると稲村ヶ岳山頂の展望台だ。三角点は展望台階段脇に冷遇されている。

     (母公堂を出発)      (五代松鍾乳洞分岐を直進)    (植林帯を登り続ける)

      (法力峠を直進)     (なだらかな広葉樹の森を行く)   (崩落した桟道もある)

   (山上辻を稲村ヶ岳へ)    (笹原の落葉樹林を進む)    (大日山へ梯子を上る)


   (大日山頂上の祠)        (稲村ヶ岳展望台)        (稲村ヶ岳展望台)

 展望台から360度の景観だ。東には足下に神童子谷が落ち込み、逆光で黒々とした奥駈の稜線が山上ヶ岳から大普賢岳へ連なり、西には弥山からはじまって観音峯へ山稜が重なり合って連なり、遠くの田園地帯の彼方に紀泉の山々も望めた。美しい緑の絨毯の笹原にカエデなどの広葉樹が散在する稜線を山上辻へ戻る。ここから大峰主稜線の山上ヶ岳と稲村ヶ岳を結ぶ支稜だ。前半は笹原に大木の散在する稜線の南側斜面を通り、後半は稜線北側の山腹をぬうようにたどると女人結界門のあるレンゲ辻だ。涼風の吹き抜ける岩塊で昼食後、清浄大橋へ下る道を左に分け、小稲村の岩峰を巻く連続する梯子場を登る。岩稜から西北に目をやると清浄大橋の谷間の向こうに洞川と大天井ヶ岳を結ぶ稜線上の岩屋峰が正面に、その彼方に金剛山と葛城山が並んでいる。少し勾配の緩くなった笹原の稜線を広大な山並みを振り返りながら休み休み登ると山上ヶ岳山頂に広がる見晴し抜群の草原だ。

               (稲村ヶ岳から東の奥駈の山並みを望む)

                (稲村ヶ岳から西方の山並みを望む)


     (大日山の麓を下る)     (笹原の広葉樹林を下る)    (山上辻からレンゲ辻へ)

      (緑の回廊を行く)          (レンゲ辻)         (山上ヶ岳へ岩稜を登る)

  (急坂の笹原尾根を登る)    (もうすぐ山上ヶ岳の草原)   (明るい山上ヶ岳の草原)

 湧出岳の一等三角点に挨拶して大峰山寺本堂で手を合わせる。参詣の一団が三々五々お参りしてる姿を見ていると不思議な異質感があったが、僕なりに考えると女性禁制が原因のようだ。続々と登ってくる参詣の方々に「ようお参りっ」の挨拶を交わしながら表桟道を下り、西の覗き岩で絶景をしばし楽しむ。修業の道をパスして鐘掛岩の西側を巻いて下山道を下り、蛇羅助茶屋を経て洞辻茶屋で奥駈道と分かれて洞川へ下る。ここから清浄大橋までの同じような景色の続く1時間が忍耐の道だ。お助け水でリフレッシュし、一本松茶屋を過ぎて足が痛くなった頃にやっと女人結界門を出る。駐車場で自転車をゲット、10分かからずに母公堂だ。お堂でコーヒーをご馳走になり、元気を回復して帰途につくが、洞川周辺が人と車で大渋滞、何回も来ているがこんなに沢山の人出を見たのは初めてだ。市街で恒例の陀羅尼助丸をゲット、超満員の洞川温泉センターを横目にやっと洞川を抜け出したが、朝頼んでおいた草餅をゲットするのに道の駅黒川で取り付け道路が大渋滞、下市でも長蛇の車列に辟易、山歩きよりも渋滞に疲れきって帰阪した。
 一部を除いて殆んどが急坂のない歩き易い標高千米以上の緑の回廊を行く真夏でも快適に歩けるコースだ。特に、山上辻から稲村ヶ岳へ向うカエデやブナの笹原稜線、レンゲ辻から山上ヶ岳へ向う展望豊かな岩稜の稜線、西の覗き岩からの大展望などが印象的だ。

    (山上ヶ岳一等三角点)        (大峰山寺)         (大峰山寺参道を下る)

                (西の覗き岩から西方を望む)

      (西の覗き岩)       (鐘掛岩迂回下山道を行く)    (洞辻茶屋から洞川へ)

      (お助け水)           (一本松茶屋)          (清浄大橋帰着)

★道で出会った花

   ヤマアジサイ(法力峠)        ?(法力峠)          コアジサイ(法力峠)

   オトギリソウ(稲村ヶ岳)      ムシカリ(稲村ヶ岳)       ノリウツギ(稲村ヶ岳)

   ナルコユリ(レンゲ辻)       ニガナ(山上ヶ岳)     ヤマホタルブクロ(山上ヶ岳)

    ウバユリ(山上ヶ岳)       ノアザミ(山上ヶ岳)       キツリフネ(山上ヶ岳)

   ノアザミ?(山上ヶ岳)       イヌトウバナ(山上ヶ岳)    シコクフウロ(山上ヶ岳)

   シシウド(山上ヶ岳)       カニコウモリ(山上ヶ岳)    ミヤマママコナ(山上ヶ岳)

    ?(洞辻茶屋)         ダイコンソウ(洞辻茶屋)      ?(洞辻茶屋)

★ルート断面図

(備考)累積標高はGPS精度の高いスマホが真値に近い

★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       大峰山脈
・2万5千分の1地形図  洞川、弥山

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