★ひとこと 「権現谷からコザト経由霊仙山頂を経て西南尾根へ周回」
近江展望台
★行った日 2018年4月21日(土) 晴 単独
★コース
高槻4:48(名神)=彦根IC(R306、県道17)=6:28河内権現谷出合P6:45→行者窟7:19→白石谷出合7:46→8:58Ca590
9:07→9:43(722m)リョウシ9:51→10:33(829m)コザト10:41→11:19林業作業跡広場11:24→林道出合11:42→11:54林道別れ(昼食)12:20→13:21東峰13:28→13:46(1083.5m)霊仙山三角点13:52→14:34近江展望台14:42→笹峠15:14→今畑集落跡15:37→今畑登山口15:47→16:15河内権現谷出合P16:42(県道17、R307)=湖東三山スマートIC(名神)=高槻18:31
霊仙山は鈴鹿山脈北端に位置し、花の百名山に名を連ねる石灰岩の山だ。数回訪れているコースだが、新緑の権現谷からリョウシ、コザト経由霊仙山を経て西南尾根で周回の計画だ。R307の多賀大社の北寄りから県道17に入り、河内風穴の先で権現谷林道に分岐した道端に路駐だ。ここから先は雪なだれのため通行禁止の表示だ。計画では権現谷と白石谷出合の登り口に自転車をデポして今畑から時計回りに周回のつもりだったが、駐車地点から徒歩で反時計回りに変更だ。
新緑のまぶしい権現谷の渓流に沿って草花の咲き乱れる林道を進む。途中でオオタカをねらって大きな望遠を構えているグループと挨拶、谷間を見上げるとトンビと見まがう大きな鳥が悠々と滑空している。行者窟の岩屋を対岸に見ながら水流が姿を消した渓谷沿いに進むと出発して丁度1時間で白石谷出合だ。白石谷を渡る橋の手前がこのコース一番の難所、尾根端の登り口だ。急なザレ場を四つん這いでよじ登ると朝日に映える新緑がまぶしい尾根端上縁だ。勾配の緩くなった疎林帯をしばらく登ると苔むした石灰岩塊が散らばる尾根となり、Ca590ピーク辺りは咲き終わったフクジュソウの原っぱだ。フクジュソウの実はその殆んどが花柄の先で無くなっているのは鹿が葉を食べずに実だけを好むのではないかと想像。樹間から円錐形の鍋尻山を眺めながら岩塊尾根を飛び石伝いに渡り歩き、樹木が途切れて見通しが効くと初めて霊仙山の稜線が眼に飛び込んでくる。しばらく登るとキャッキャッと騒がしい鳴き声、リョウシ頂上の岩頭に赤子を抱いたお猿がこちらを眺めている。猿と関わるのを避けてピークからだらだら坂を下り、新緑の灌木帯の平地で方向を東北から東南に変え、植林帯尾根を登り始める。以前はこまめにテープ目印があったが今は何もなく要注意箇所だ。植林帯が途切れてミツバツツジの鮮やかな自然林尾根になると再度尾根の方向を東北に変え、ちょっと登ると樹木に囲まれたコザト山頂だ。
(通行止の権現谷林道を出発)
(新緑がまぶしい林道を進む) (渓谷に祀られた行者窟)
(1時間で白石谷出合の登り口) (ザレ場の急坂をよじ登る)
(新緑の尾根端から勾配緩む)
(苔むした石灰岩塊尾根を登る) (Ca590ピーク) (咲き終わったフクジュソウ原)
(Ca600から鍋尻山を望む)
(岩塊帯を飛び石伝いに進む)
(Ca700から霊仙山の稜線)
(リョウシ山頂の赤子を抱く猿)(Ca750日を浴びて尾根を登る) (稜線に咲くミツバツツジ)
(コザト山頂) (北へ稜線を下る)
(まだまだ遠い霊仙山)
コザトから稜線を下るが間違った枝尾根を下っていることに気付いてピークまで戻る。かつてテープがあったが今は手書き表示は無論踏み跡も薄く、尾根下りは細心の注意が必要だ。ムシカリの花や芽吹き始めたクロモジを愛でながら曲がりくねった広葉樹の疎林帯尾根をしばらく下ると、Ca705の林業作業跡?の小広場だ。東面の樹間からソノドを盟主とする稜線を眺めながら小休止だ。小灌木帯のこの辺りから踏み跡が妖しくなり半薮コギだが、P782周辺から西方の近江展望台やリョウシ、ソノドなどの稜線が見渡せる。P782からイバラ交じりのこのコース最悪の薮コギで急坂を下ると、林道の崖上に飛び出し、崖縁をなぞるように下って無事林道着地だ。林道を北へ少し進むと地形図の林道(造林作業路霊仙線)に合流、所々で山桜咲く車道を北上、Ca800付近から霊仙山南尾根に取り付くが、丁度昼時、陽光を浴びて新緑の下で昼食だ。熱いコーヒーに元気をもらって南尾根の踏み跡を辿る。イワカガミの多い芽吹き始めた明るい疎林帯の稜線を登る。Ca950付近から急坂となり、付近を覆うビー玉ほどの蕾をつけたヤマシャクヤクに癒されながら石灰岩混じりの坂道を休み休み息を切らせて頑張る。岩塊原に出ると稜線はすぐだ。遠くは霞んでいるが見晴しのよい稜線を西へ少し登ると東峰だ。広大なカルスト台地の高原を三角点ピークまで歩を進める。きょうは霞がかかり北方の白山は無論伊吹山もおぼろげだ。
(P782付近から西方を望む)
(P782でちょっとした薮コギ) (正面崖上から林道へ) (山桜咲く林道を行く)
(林道から霊仙山南尾根へ) (イワカガミ咲く稜線を登る)
(P861付近を行く)
(ヤマシャクヤクの多い急坂) (稜線から南を振り返る)
(東峰岩峰)
(霊仙山三角点ピークへ向う)
(カルスト台地の三角点ピーク)(三角点から西南尾根へ向う)
三角点ピークから西南尾根に向い、歩き難いが南方の鈴鹿の山並みが見渡せる岩塊の稜線を辿る。フクジュソウは痕跡もなく、岩陰にネノコメソウやスミレの類を眼にするだけ、もっぱら鈴鹿北部の山々を眺めながらしばらく下ると近江展望台の岩峰だ。遠方の琵琶湖や雨乞岳は霞の彼方、御池岳が見える程度だが、辿ってきた権現谷やリョウシ、コザトから霊仙山へ連なる稜線が鮮やかに視認でき、我ながらよく歩いてきたとの想いを新たにした。ここから笹峠まで標高差300メートルの急坂、上りはあごを出す坂道だが下りも足に来る難所だ。急坂から木漏れ日の美しいブナ林を過ぎると笹峠だ。P712北側斜面のトラバース路を過ぎ、植林帯尾根をしばらく下ると今畑集落跡だ。2、30年前まで炭焼などを生業とした生活の場だったが、蔵も朽ち果て寺の建物だけが残っている。給水場で渇水状態の身体を修復して少し下ると県道出合の今畑登山口だ。30分ほど県道をぶらぶら下ると河内の駐車地点だ。帰りはナビの指示通りに初めて通る湖東三山スマートICから順調に帰阪した。
草花豊かな権現谷からリョウシ、コザトを経て霊仙山に至る新緑の尾根歩きは期待通り素晴らしかった。美しいカルスト台地の山頂の高原は広大な気分が味わえる。きょうは白山はおろか琵琶湖も視界の外だったが、鈴鹿北部の景観は健在だった。なお、権現谷から霊仙山までのルートは踏み跡も薄く道標の類も見かけないので要注意だ。
(岩塊の西南尾根を行く)
(西南尾根を振り返る) (見晴し稜線を行く)
(鈴鹿山脈北端の近江展望台から御池岳方面を望む)
(近江展望台の岩峰) (岩峰から笹峠目指して下る)
(芽吹きだしたブナ林を進む)
(笹峠付近を下る)
(P712北裾のトラバース路) (植林帯を下る)
(今畑集落跡)
(林道出合の今畑登山口) (河内集落の権現谷林道へ)
★道で出会った花
シャガ(権現林道) カキドウシ(権現林道) コンロンソウ(権現林道)
シャク(権現林道) ウツギ(権現林道) ヤマブキ(権現林道)
シャク(権現林道)
ミヤマハコベ(権現林道) ハクサンハタザオ?(権現林道)
フキノトウ(権現林道) ヤマルリソウ(権現林道) ネコノメソウの花(Ca590)
?(Ca590) ?(Ca590) フクジュソウの実(Ca590)
ヒトリシズカ(Ca590) ?(Ca590) ?(Ca590)
ヤマエンゴサク(リョウシ) タチツボスミレ(リョウシ) キランソウ(リョウシ)
ネコノメソウ(リョウシ) コバノミツバツツジ(コザト) ムシカリン(コザト)
クロモジ(コザト) アセビ(P782) ?(P782)
ムシカリ(南尾根) イワカガミ(南尾根) シハイスミレ(南尾根)
ヤマシャクヤク(南尾根) ナニワズ?(南尾根) コバイケイソウ(東峰)
タチツボスミレ(西南尾根) ニリンソウ(西南尾根) ハルリンドウ(笹峠)
ヤブツバキ(廃村跡) クリンソウ「(廃村跡) イチリンソウ(県道)
ミヤマキケマン(県道) クサノオウ(県道) ナツトウダイ(県道)
?(県道) ヒメオドリコソウ(権現林道) クサイチゴ?(権現林道)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 御在所・霊仙・伊吹
・2万5千分の1地形図 彦根東部、霊仙山、
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