能郷白山(1617.3m)

 

★ひとこと   「温見峠から急登を経て春の花咲く能郷白山往復」

能郷白山一等三角点


★行った日   2018年6月2日(土) 晴一時曇  単独

★コース
高槻4:13(名神、北陸道)=木之本IC(R303、R417、県道270、R157)=8:12温見峠路駐8:25→P1492 9:58→(1617.3m)能郷白山10:42→10:50白山権現奥ノ院(昼食)11:18→P1492 11:54→12:50温見峠路駐12:57(R157、県道270、R417、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻18:05

 能郷白山は太平洋と日本海の分水嶺、両白山地の越美国境に位置する奥深い山だ。ちなみに、白山が主峰の加越山地と能郷白山が主峰の越美山地を総称して両白山地と称している。深田久弥が百名山選定の折に荒島岳と能郷白山を天秤にかけた話があり、準百名山と称してもよい立派な山だ。過去、能郷から2回登っているので今回は初めて温見(ぬくみ)峠から往復だ。木之本から横山岳や夜叉ヶ池を訪れるときに通るR303で八草トンネルを抜けて横山ダムへ、小津権現や花房山登り口のある揖斐川沿いのR417で徳山ダムへ、県道で馬坂トンネルを抜けて雷倉登山口のある根尾へ、能郷谷を左に分けてR157で屏風山や左門岳など奥美濃の山々の玄関口の黒津、大河原を過ぎて根尾西谷川に沿って山峡を上りきると温見峠、この先福井県側へは通り抜け不可だ。このように、湖北から奥美濃の山々のアクセスルートを通ってやっと能郷白山登山口到着、今年は開山1300年とあって能郷白山開山祭の幟はためく峠近くに縦列駐車だ。
 登山口の階段を上り、新緑のまぶしいブナの坂道を過ぎて熊除けの鐘からいよいよ急坂だ。Ca1200付近から東に屏風山、北に部子山が手前の稜線から頭をのぞかせ、道端のコバイケイソウの花が初夏の訪れを告げている。ムラサキヤシオ咲くCa1300付近のロープ場もある急坂を休み休み頑張るとP1492、ここからなだらかな緩斜面歩きだ。所々で灌木が点在する緑の笹原が広がる台地に一筋の線が続いている。

   (温見峠は路駐の行列)      (温見峠登山口)       (新緑のブナ林の道を登る)

 (Ca1200付近の急坂を登る)  (越山の彼方に屏風山)    (咲き始めたコバイケイソウ)

  (姥ヶ岳越しに見える部子山)  (Ca1300のロープ場を登る) (道端に咲くムラサキヤシオ)

 (P1492で急坂から緩斜面へ)   (ダケカンバの道を行く)     (茂みに咲くサンカヨウ)

 灌木の途切れたところから視界が広がり、東北に荒島岳が望めたが白山は雲の中、東には屏風山など越美国境の山々が望めた。上筋谷の上縁の湿地帯にはサンカヨウが咲きダケカンバが道端で捻れている。笹原をしばらく歩き、谷筋に残雪の点在する下筋谷の上縁を進むと残雪の鞍部に臥龍ダケカンバが道を塞いでいる。付近にはカタクリが咲き、ショウジョウバカマも咲き残っているのは雪渓が残っているせいだ。オオバキスミレが道端を黄色く染めるなだらかな尾根道をぶらぶら進むと新しい能郷白山開山1300年の標識が立ち一等三角点のある山頂だ。山頂から西の冠山や若丸山、北の銀杏峰や部子山、東の屏風山や左門岳は確認できたが、白山、北ア、御嶽山などが望めるはずだが、きょうは全て雲の中だ。

             (P1492から東の越美国境の山々を望む)

    (笹原台地を進む)       (下筋谷上縁を行く)        (下筋谷を見下ろす)

   (鞍部に咲くカタクリ)     (鞍部の臥龍ダケカンバ)       (本峰へ笹原を行く)

   (砂利谷上縁を行く)      (能郷白山一等三角点)     (白山権現奥ノ院へ向う)

 三角点のすぐ先で能郷コースと合流、カタクリ群生地の残雪の尾根道を南へ少し下ると白山権現奥ノ院だ。山名盤で雲間に隠れている遠くの山々を想像し、白谷の彼方の影の薄い小津三山(小津権現山、花房山、雷倉)を眺めながら、早めの昼食だ。晴れの土曜日とあって続々登ってくる登山者にスペースを明け渡して往路通りに下山開始だ。三角点から広大な笹原台地を下り、P1492から急坂下りだ。しんどい急坂を一歩一歩ゆっくり、滑らないように温見峠帰着た。1300年祭のため本巣市の関係者の方が登山口で案内、関連の地図を頂いて車へ到着だ。早かったので琵琶湖西岸周りの一般道でいつもの湖西道路の渋滞に遭遇して帰阪した。きょうは往路4時間、復路5時間の計9時間、それに対して山行は5時間のアンバランスな1日だった。
 能郷白山は根尾小学校校歌にも歌われ、流域に暮らす人々の母なる山であり、遅くまで雪の残る信仰の山でもある。今の季節、温見峠から登る能郷白山の魅力は、新緑と花と展望だ。特に、急坂の尾根道を彩る新緑のブナや登るごとに視界の広がる山並み、広々とした笹原の台地から天気がよければ北アに及ぶ大展望、台地に点在するダケカンバや残雪近傍に咲くカタクリやサンカヨウなど草花が素晴らしい。

             (能郷白山三角点手前から見えない白山方面を望む)

             (白山権現奥ノ院から南の奥越の山々を望む)

     (白山権現奥ノ院)    (奥ノ院から三角点へ戻り始める)   (砂利谷上縁を下る)

 (P1492から急な下り開始)   (やっとブナ林へ帰着)    (1300年の幟はためく温見峠)

★道で出会った花 

  セリバオウレン(Ca1100)     コアジサイ(Ca1100)      ツクバネソウ(Ca1100)

   マイヅルソウ(Ca1200)      キジムシロ(Ca1250)     コバイケイソウ(Ca1300)

   キジムシロ(Ca1300)      ムラサキヤシオ(Ca1300)    ユキザサ(Ca1300)

  サラサドウダン(Ca1300)   ナガバモミジイチゴ(Ca1300)  オオバミゾホウズキ(Ca1400)

   サンカヨウ(P1492)       イワカガミ(P1492)        サンカヨウ(P1492)

   カタクリ(頂上台地)     ショウジョウバカマ(頂上台地)   ヤグルマソウ(頂上台地)

  エンレイソウ(頂上台地)     カンスゲ(頂上台地)      オオバキスミレ(頂上台地)

   ムシカリ(頂上台地)       ナナカマド(Ca1250)       アズキナシ?(Ca1100)

★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白山・荒島岳
・2万5千分の1地形図  能郷白山

Homeへ