比叡山(848.1m)

 

★ひとこと   「坂本から無動寺坂で比叡山頂経由各塔堂を経て飯室谷へ」

ケーブル延暦寺駅から琵琶湖を望む


★行った日   2019年12月25日(日) 快晴 単独

★コース

高槻6:37(名神)=京都東IC(R161、県道47)=7:46大宮川観光駐車場7:58→無動寺坂登山口8:20→林道終点8:37→宿跡(和労堂)8:52→9:18トウノ岩(紀貫之墓分岐)9:31→箸塚ノ谷9:43→無動寺明王堂10:07→10:25ケーブル延暦寺駅10:34→10:49根本中堂10:58→阿弥陀堂11:13→(848.1m)大比叡三角点11:39→展望所11:57→浄土院12:12→釈迦堂12:23→13:06玉体杉(昼食)13:30→横川中堂14:02→元三大師堂14:10→恵心堂14:15→林道分岐14:19→14:37休憩14:44→飯室谷不動堂15:11→松禅院近道入口15:25→15:44大宮川観光駐車場15:50(県道47、R161)=京都東IC(名神)=高槻17:10

 きょうは文句なしに快晴のご宣託、この一年の山行のお礼参りも兼ねて比叡山の回峰行道だ。回峰行コースには三塔由来の3流派があるそうだが、東塔の無動寺回峰と横川の飯室回峰のそれぞれの一部を歩くつもりだ。坂本から無動寺坂で比叡山頂経由東塔、西塔、横川を経て飯室谷へ周回の計画だ。R161から県道に入って日吉大社から西教寺方向へ北上し、すぐ先の無料の大宮川観光駐車場にとめる。
 陽光を浴びて県道を日吉大社へ向い、穴太(あのう)積みの石垣が道の両側に並ぶ美しい小径を南へ進む。途中から県道に合流して南下、無動寺坂登山口を右折する。左に墓地を見ながら林道を西へ、鎖ゲートを過ぎてしばらく急な道を遡ると林道終点、ここから山道の石段が続く。しばらく急な不動坂を登ると石仏の祠が祀られた宿跡だ。道端に幾つかの祠の並ぶ坂道をゼーゼー言いながら登り、紀貫之墓を右に分けて枝尾根越えの急坂をひと登りすると南に視界が開けたトウノ岩だ。湖面が朝日に光り輝き、その向こうの琵琶湖東岸に朝霞がかかり、雲海の上に湖南や鈴鹿の峰々が浮かんでいる。枝尾根に連なる裳立山を右に分け、等高線をなぞるようになだらかに下ると箸塚の谷だ。谷の右岸を上り返し、竹林を過ぎると大乗院の門前を通り、急な石段を上ると明王堂だ。

 (朝日を浴びる大宮川観光P)    (日吉大社へ向う)      (穴太積み石垣の道を南下)

    (無動寺坂登山口)          (林道を遡る)    (林道終点から丸太階段を上る)

     (宿(和労堂)跡)        (道端に点在する祠)      (小沢で崩落した所もある)

    (好展望のトウノ岩)      (トウノ岩から朝霞の湖南)      (山腹を下る)

          (トウノ岩から雲海越しに鈴鹿や湖南の山並みを望む)

    (箸塚の谷を渡る)       (急坂の先が大乗院)      (高台の明王堂)

 陽光に照らされた明王堂前庭から眺める朝霧に霞んだ湖南の風景が綺麗だ。弁天堂から来る東海自然歩道と合流、モミやツガの巨木の参道を閼伽井の井戸を経て進むとケーブル延暦寺駅だ。琵琶湖が展望できる休憩ベンチの下方に見晴し遊歩道ができているが出入り口が閉ざされたままだ。正月の準備に忙しそうな東塔地域に入り、改修中の根本中堂に参拝だ。鞘堂に覆われた細部をよく判らないままにステージから改修箇所を見て回り、東塔・阿弥陀堂に向う。いま時分はいつも雪景色、滑らないように足元に注意して歩くのが普通だが今年は異常だ。参拝者の殆んどいない阿弥陀堂を抜けて裏山の山道へ向う。老木の点在する山道を登りつめて平地を西進すると小さな高みが大比叡三角点だ。一等三角点だがいつもながら林間の愛想のない標点だ。そのまま西へ下り、見晴しのよい四明岳駐車場を通り抜けて八瀬ケーブル駅からくる林道と合流だ。合流点の展望所から大原越しに京都北山の山並みが望める。林道を東進、直進の東塔を右に見て、車道を橋で渡って西塔へ向う。積雪時にはいやらしい長い石段を下ると浄土院だ。石灯籠の参道をしばらく進み、にない堂の渡り廊下を潜って下ると釈迦堂だ。本堂に手を合わせて北上、2年前にあった修行道場の居士林は姿を消していたが昨年の台風21号被害で取り壊されたそうだ。車道をくぐり、モミ天然林の尾根道をドライブウエイにつかず離れずその西側を並行して進む。

   (明王堂前庭から琵琶湖)       (大木の道を進む)       (ケーブル延暦寺駅)

(ケーブル駅から蓬莱山と琵琶湖) (改修中の根本中堂へ)    (葺き替え中の回廊屋根)

    (東塔・阿弥陀堂)      (比叡山頂へ山道を登る)   (林間の大比叡一等三角点)

 (見晴しのよい四明岳駐車場)    (林間の道を下る)      (視界の開けた展望所)

                 (展望所から京都北山の山並を望む)

    (東塔分岐を西塔へ)      (浄土院へ長い石段を下る)      (浄土院)

  (石灯籠の参道を西塔へ)        (釈迦堂)         (モミ天然林の道を行く)

 しばらく進み、小高い見晴しポイントが一本杉の玉体杉だ。回峰行では蓮台から御所を礼拝するそうだ。きょうは無風で暖かく霞んだ京都市街をおかずに昼食だ。熱いコーヒー後、せりあい地蔵で大原を左に分け、車道を潜って笹原林床の道を雪のない裸の蓬莱山を時々眺めながら進むと横川地域の駐車場だ。参道をしばらく行くと朱色の美しい懸造りの横川中堂だ。元三大師堂へ立ち寄ってから大通りを南下、恵心堂を過ぎて日本生命慰霊塔の先で左折して飯室谷へ山道を下る。すぐ先で大倒木のため通り抜け不可、大きく谷側へ迂回したが急坂の薮に突っ込み立ち往生、尾根に道があるのは判っているので急坂を無理やりよじ登って登山道復帰、順調に植林帯を下る。壊れかけた小屋から急な植林帯をジグザグに下り、膝が悲鳴を上げかけるとやっと飯室谷の広場だ。地蔵堂から不動堂石段下の草深い石垣の道を歩く。ここは三塔十六谷の一つ飯室谷、尾根筋の三塔と異なり、参拝者も少ない静かな祈りの谷間だ。小沢を渡って枝尾根を越えると松禅院近道の標柱だ。車道を道なりに進み、西教寺前を南下すると暮れなずむ西日に映える三上山も見える大宮川観光駐車場だ。
 千日回峰行は死を連想するまことに厳しい修業だが、今回のように気軽にこのコースの雰囲気を楽しむこともできる。比叡山には多くのエスケープルートがあるので体力に合わせて短縮すればよく、車やケーブル利用であればなおさらだ。このコースの印象に残ったお勧めポイントは無動寺ルートのトウノ岩と明王堂、山頂付近の四明岳付近の展望所、静かな飯室谷のたたずまい等だ。なお、司馬遼太郎著「街道をゆく−叡山の諸道」を読み返すつもりだ。

   (道端に並ぶ地蔵群)           (玉体杉)        (玉体杉から御所を望む)

    (せりあい地蔵)       (笹原林床の道で横川Pへ)      (横川中堂へ)

      (横川中堂)            (元三大師堂)            (恵心堂)

   (林道分岐を飯室谷へ)    (倒木回避から尾根道復帰) (途中の壊れかけた休憩小屋)

   (樹林帯を下り続ける)     (飯室谷不動堂下を行く)     (近道の一山を越える)

     (松禅院近道の標柱)       (西教寺前を南下)      (西日に映える三上山)

★道で出会った花(花はなし)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       京都北山
・2万5千分の1地形図  京都東北部、大原

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