★ひとこと 「松屋から湿雪の藪の出だした展望のノロ尾を経て山頂へ」
藪の出ている野呂尾〜大御影山の雪原
★行った日 2020年2月20日(木) 曇一時晴後一時時雨 単独
★コース
高槻5:01(名神)=京都東IC(湖西道路、R161、R303、R27、県道213)=7:38松屋登山口P7:58→ホオノキ8:32→8:50SS着9:00→9:46展望台9:51→10:07(P597)大権現岳10:18→ブナ大木10:53→11:52P812
11:59→野呂尾の頭肩12:45→13:04(950.1m)大御影山(昼食)13:24→野呂尾の頭13:40→P812
14:05→ブナ大木14:26→15:03大権現岳15:09→15:41ホウノキ(SS脱)15:48→16:07松屋登山口P16:20(県道213、R27、R303、R161、湖西道路)=京都東IC(名神)=高槻19:12
今年は積雪が少なく近郊の美しい雪景色は望み薄、先日の寒波で根雪に新雪が乗ったと思われるので、恒例の野呂尾から大御影山の雪山歩きだ。R303の道端に残雪のある熊川宿を経てR27を北上、雪のない美浜から松屋に近づくと道端は新雪約5センチ、能登又谷林道と粟柄谷林道分岐点の松屋登山口駐車場にとめる。ここで大失敗に気づく、保温ポットはあるが肝心のカップラーメンや副食は家に置いたまま、コンビニで買ったパンのみでしのぐことにしてSS(スノーシュー)を担いで出発だ。
腐れ雪の急な丸太階段を少し上がるがよく滑るのでチェーンアイゼン(10本歯は車の中)をつける。しかし腐った積雪には利きが悪く、こんな時は刃の長い簡易アイゼンのほうが良さそうだ。逞しいホウノキの大木を過ぎると踏み抜きや横滑りが多くなってきたので、Ca350で今年2回目のSSだ。ここから昨日?のトレースを追って直登したが灌木の茂みに突っ込んでしまい、藪から逃れて右斜面のトレールに合流だ。樹林帯を登って平地に上がり、左へちょっと進むと美浜方面の谷筋が眼下に広がり、若狭湾まで望める展望台だ。小休止後雪原をなだらかに登るとP597大権現岳だ。この辺りは広葉樹や針葉樹の大木が散在する幅の広い台地だ。台地を南下、半凍結の池の横の尾根を通り、細い樹林帯を抜けて鞍部の広葉樹や針葉樹の森を過ぎるとヤセ尾根だ。雲谷山を右後方に振り返りしながら細尾根を過ぎて急坂を頑張ると生命力あふれる大ブナだ。
(松屋の大権現岳登山口) (腐れ雪でチェーンアイゼン着)
(たくましい大ホウノキ)
(踏み抜きはじめてSS着)
(直通して灌木藪へ)
(トレールへ合流)
(展望台で若狭湾を望む)
(大権現岳山頂) (雪原の大杉)
(半凍結の池を見ながら下る)
(細い樹林帯をなだらかに下る) (広針大木の森を行く)
(ヤセ尾根を進む)
(急坂を上ると大ブナの出迎え) (生命力あふれる大ブナ)
葉を落としたブナ林の間から雲谷山を振り返りながら広針混交林の急な尾根を休み休み頑張って登る。やがて美しいブナの純林となり、P812に近づくと一気に視界が開け三国山から大谷山に続く稜線が目に飛び込んでくる。P813を過ぎて曲がりくねったブナの樹林の続く野呂尾をなだらかに登る。例年、積雪のため小灌木は姿を見せず、雪庇で飾られた展望尾根の中心を歩けるが今年は例外、尾根芯は藪っぽくしばしばブッシュを踏み抜くので尾根西寄り斜面の樹林帯をたどる。空には黒雲が垂れ込め遠方の視界はよくなかったが野坂山地の山々が雄大だ。定番の昼食場所、野呂尾の頭の大木をバスして反射板に向かう。いつもの雪庇もなく藪っぽい雪原を、湿雪に沈む重いSSを引きずって進むとやっと反射板だ。反射板付近も灌木が姿を見せ積雪量が少なそう、重い新雪が小灌木にかぶっているためノントレ歩きはしんどい限りだ。
(広針混交林の尾根を登る) (美しいブナ林を進む) (P812に近づくと広がる視界)
(P812ピーク付近) (野呂尾を進む) (野呂尾の頭付近を行く)
(野呂尾から西方を望む)
(野呂尾の頭大木から山頂へ) (反射板めざして雪原を行く)
(雪庇もなく藪のでた尾根)
(灌木の出た反射板付近) (寡雪の反射板付近) (ピークから三重嶽を望む)
反射板脇からの展望も例年に比べて藪っぽい感じだ。江越国境や江美国境の山々は霞の彼方たが、若狭湾と琵琶湖を遠景に野坂山地の山並みが大御影山から野呂尾に続く白い台地をぐるりと取り巻いている風景が素晴らしい。大御影山は雪景色が一番だ。豪雪地帯を思わせる曲がりくねったブナなどを眺めながら下り始め、例年は白い尾根筋の素晴らしい野呂尾を、霞んだ若狭湾を正面に藪っぽい尾根をなだらかに下る。大ブナまで下ってくると周囲の山肌に雲が流れてきて生憎の時雨模様だ。たいした降りにはならず時々小ぬか雨程度のおしめりだ。大権現岳を過ぎて広葉樹林帯の腐れ雪の急坂にかかるとSSでは歯止めがきかずホウノキからツボ足だ。ツボ足でもよく滑る急坂を何とか下り、天候の回復した登山口に帰着だ。
昨日?の単独行のトレースがあったが、誰にも会わず静かな雪山を楽しむことができた。毎年2月にここを訪れるようになって4回目、訪れるごとに天候、雪質が変わり、それに伴って風景も異なり、毎回新鮮な発見の連続だ。今回は寡雪の影響が興味深かった。最後に、重い冬靴やSSが重荷となって年々雪山歩きはしんどくなる一方だが、自分の心の中に弱気を芽生えさせて限界を作ることなく、ゆっくり歩きでこれからも山を楽しむつもりだ。
(大御影山からの展望)
(山頂から美浜方面を望む) (重い湿雪の斜面を下る) (山頂から野呂尾の頭へ)
(付近のタコ足ブナ) (野呂尾の頭を下り始める)
(藪の出た野呂尾を下る)
(ブナ林を下る) (大ブナまで下ると時雨模様) (半融けの池畔を急いで進む)
(大権現岳に別れの挨拶) (腐った雪の急坂でSS脱)
(神社が見えると松屋登山口)
★道で出会った花(花はなし)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 比良山系・武奈ヶ岳
・2万5千分の1地形図 三方
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