金剛山(1125m)


★ひとこと   「夏の花を求めてカトラ谷から国見城址を経て千早園地経由ツツジオ谷へ」

国見城址
 

★行った日   2021年8月27日(金)  晴   単独
 
★コース

高槻5:00(名神、近畿道、南阪奈道)=羽曳野IC(R170、R309、府道705)=6:20金剛登山口P6:27→ゲート6:42→カマ道分岐6:53→7:10カトラ谷道分岐7:15→水場8:06→8:28花畑8:40→9:02国見城址9:20→葛木神社9:31→一ノ鳥居9:39→9:50展望デッキ9:58→千早園地10:03→11:00国見城址下11:07→墓地11:11→二ノ滝12:04→水場12:12→腰折滝12:29→ゲート12:41→12:50金剛登山口P13:09(府道705、R309、R170)=羽曳野IC(南阪奈道、近畿道、名神)=高槻14:43

 大阪に再度緊急事態が発出され、季節外れの長雨とあいまって憂鬱な日々が続いている。数日前から不安定な空模様ながら梅雨前線が消滅、夏空の復活だ。03年以降金剛山に25回訪れているが7〜9月は皆無、そこで金剛山の夏の花探勝だ。いまは一年で最も暑い時期なので午前中に下山できるように早朝出発、往復とも涼しい谷筋のつもりだ。金剛登山口を起点にカトラ谷経由山頂を経てツツジオ谷へ周回の計画だ。朝霞をまとった生駒山系を眺めながら近畿高速を南下、羽曳野から外環で中腹以上が雲に隠れた金剛山へ向かい、トイレや洗い場もある登山口P到着だ。上の段には料金ゲートのある広い駐車場があるが、早朝の平日とあって下の段にとめることができた(同じ600円)。
 金剛登山口駐車場から満開の秋海棠の咲く道に出て、千早本道を右に分け、蒸し暑さに汗がにじむ坂道をゆっくり進むとゲートだ。橋の手前で復路のツツジオ谷道を右に分け、ゲートを直進して黒栂谷道を進む。灌木帯になった砂防ダムを右に見てしばらく林道をたどると、黒栂谷の右岸から左岸へ渡る橋の正面がカマ道入口だ。カマ谷を見送り、黒栂谷左岸に沿って進むとカトラ谷分岐だ。そのまま直進するとセトで青崩道と合流するが、ここで右折して藪っぽいトカラ谷道に入る。先方から下ってくる単独行と挨拶を交わすが、その男性曰く「すぐ先の斜瀑で道が無くなって戻ってきた」とのこと、この谷筋をつめれば山頂へ登れると説明したが自信なさそうに千早本道で登ると言って、戻って行かれた。しばらくぶりのカトラ谷のため荒れ具合が分からず、強いてこのルートを勧めなかったが、金剛山と言えども危険個所や迷い易い所も多々あるので、最低限の下調べをして登ってほしいものだ。灌木帯を抜けると渡渉しながら谷筋を辿る道となり、すぐに男性が引き返したと思われる斜瀑が現れ、流れを避けながら岩伝いに登る。倒木はそんなに多くなく、沢筋を吹きわたる涼風に吹かれて飛び石を拾いながら歩くが、沢屋さんの気持ちがわかるような雰囲気の良い所だ。沢筋をつめ、左岸の岩壁をへつるロープ(ゴムバンド)場を過ぎ、地形図の府県境別れ地点の二又を左へ入ってちょっと登ると水場だ。付近に繁茂するオタカラコウの大きな葉っぱを見ながら冷水で生き返る。上方に見える落石防止ネット(標高910m)の左裾を乗り越えて急坂を登り、標高1000m付近のブナなどの落葉樹林で一休みだ。林床にはニリンソウの草原が広がり、左側の谷筋には花をつけたオタカラコウや初夏に咲き揃うはずのクリンソウの河床が伸びている。ガレ場の急な谷筋では足場を確保しながら超ゆっくり登るが、広葉樹林の急な丸太階段はすぐに息切れ、しばしば立ち止まりながらなんとか稜線だ。タカハタ道と合流し、すぐに広場を経て国見城址だ。丁度、九時の時報の直後で人影もちらほら、海抜千米以上ともなると涼風は気持ちよく、霞んだ大阪平野を眺めながら大休止だ。気温22℃の転法輪寺にご挨拶して本日最高点の葛木神社へきょうのお礼参りだ。

    (金剛登山口Pを出発)      (道端に咲く秋海棠)    (復路を右に見てゲートを直進)

(砂防ダム縁の黒栂谷道をゆく) (カマ道を正面に見て左へ)   (カトラ谷道分岐を右へ)

  (荒れたカトラ谷を進む)   (次々に現れる小滝を巻いて進む)(涼風に癒されて谷筋を登る)

  (谷筋に咲くオタカラコウ)            (水場)           (砂防ネットを振り返る)

   (ブナ、ナラ林で休憩)       (ニリンソウの花畑)     (谷筋の満開のオタカラコウ)

 (広葉樹尾根の丸太階段を上る)(国見城址下の広場で一休み) (葛木神社へ参道を行く)

 ブナ林の間から先日訪れた大和葛城山を眺め、一ノ鳥居を経て車道をだらだら下ると展望デッキだ。夏場は霞がかかり、中和の竜門岳方面や南和の大峰方面はいうに及ばず、紀泉の山並みがかすかに望める程度だ。人っ子一人いない千早園地から閉鎖中の香楠荘前を経てシーズンには草花が咲き乱れる遊歩道に入る。今まであまり目にしたことのないミズタマソウやカリガネソウなどが観察できたが、花の少ない遊歩道をブラブラ、休業中のロープウエイ駅舎を横目に国見城址へ向かう。国見城址下の木陰で息を整えてから下山だ。往路の「土砂崩れのため通行できません」の札のぶら下がったロープで閉鎖されたカトラ谷道を右に見てタカハタ道を下る。六地蔵の手前から左下に見える墓地広場の石塔めがけて藪を近道だ。広場から笹原の薄い踏み跡を下るとツツジオ谷源頭だ。カツラやナラなどの急な谷筋を下るとガレた谷筋となり、急坂を一歩一歩慎重に下る。ここで下から登ってきたベテランらしい単独行と挨拶、久しぶりのツツジオ谷下りなので危険が予想されるときは府県境谷筋ルートでタカハタ道へ上るつもりだったが、下流側も異常なく通れるとのことで一安心だ。二ノ滝巻道の崩壊地にかかるロープ場に咲き残るイワタバコを撮りながら慎重に下る。二ノ滝で標高800mを切ると暑くなり始め、足元がおろそかになるのを注意して歩を運ぶ。水場を過ぎてしばらく谷筋を下り、タカハタ谷手前の丸太桟道を下ると左に見えるのが腰折滝だ。急坂を下ってきたタカハタ道を合わせて立派な登山道を沢沿いに下ると林道に合流だ。その先のゲートで黒栂道に出会ってしばらく下ると汗だくで金剛登山口P帰着だ。
 お目当てのナンバンギセルやイワタバコは花季が過ぎて目にすることはできなかったが、初見参のカリガネソウやミズタマソウに出会えた。カトラ谷道、ツツジオ谷道とも大きな崩壊地はなく、多少の倒木などがあるが要注意で通行可能だ。

 (葛木神社に手を合わせる) (ブナ林から大和葛城山を望む)      (展望デッキ)

 (展望デッキから大阪湾を望む)   (寂しい千早園地)       (園地に咲くカリガネソウ)

 (花の少ない遊歩道を行く)   (休業中のロープウエイ駅舎)  (国見城址下広場へ戻る)

(墓地の石塔広場へ藪を下る)(ツツジオ谷源頭の急坂を下る)(急なガレ場の谷を下り続ける)

  (咲き残りのイワタバコ)    (崩落地のロープ場を下る)         (二ノ滝)

   (丸太の桟道を下る)          (腰折滝)       (林道出合のツツジオ谷入口)

★道で出会った花

     シュウカイドウ             イタドリ             ヤブマオ?

     アキノタムラソウ           ホタルブクロ           ダイコンソウ

      イヌガヤ             ハエドクソウ            キンミズヒキ

      ミズヒキ              キツリフネ               クズ

      ボタンヅル                ?             マツカゼソウ

    フシブロセンノウ            クサアジサイ             ?

         ?               ヒメジョオン             タケニグサ

       オトコエシ               ノブキ               ?

      オタカラコウ            カワチブシ            イヌショウマ

         ?                モミジガサ            ツリフネソウ

     ゲンノショウコ            ミズタマソウ          アキチョウジ

     ツルアジサイ?           カリガネソウ            ツユクサ

     クサコアカソ            ヨシノアザミ             マルバハギ

     センニンソウ         ヤマジノホトトギス             ヨシノアザミ

    シラネセンキュウ?          イワタバコ           イワタバコの花茎

      イヌトウバナ           ノリウツギ?            イワタバコの葉

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       金剛・葛城・紀泉高原
・2万5千分の1地形図  御所

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