大阪に再度緊急事態が発出され、季節外れの長雨とあいまって憂鬱な日々が続いている。数日前から不安定な空模様ながら梅雨前線が消滅、夏空の復活だ。03年以降金剛山に25回訪れているが7〜9月は皆無、そこで金剛山の夏の花探勝だ。いまは一年で最も暑い時期なので午前中に下山できるように早朝出発、往復とも涼しい谷筋のつもりだ。金剛登山口を起点にカトラ谷経由山頂を経てツツジオ谷へ周回の計画だ。朝霞をまとった生駒山系を眺めながら近畿高速を南下、羽曳野から外環で中腹以上が雲に隠れた金剛山へ向かい、トイレや洗い場もある登山口P到着だ。上の段には料金ゲートのある広い駐車場があるが、早朝の平日とあって下の段にとめることができた(同じ600円)。
金剛登山口駐車場から満開の秋海棠の咲く道に出て、千早本道を右に分け、蒸し暑さに汗がにじむ坂道をゆっくり進むとゲートだ。橋の手前で復路のツツジオ谷道を右に分け、ゲートを直進して黒栂谷道を進む。灌木帯になった砂防ダムを右に見てしばらく林道をたどると、黒栂谷の右岸から左岸へ渡る橋の正面がカマ道入口だ。カマ谷を見送り、黒栂谷左岸に沿って進むとカトラ谷分岐だ。そのまま直進するとセトで青崩道と合流するが、ここで右折して藪っぽいトカラ谷道に入る。先方から下ってくる単独行と挨拶を交わすが、その男性曰く「すぐ先の斜瀑で道が無くなって戻ってきた」とのこと、この谷筋をつめれば山頂へ登れると説明したが自信なさそうに千早本道で登ると言って、戻って行かれた。しばらくぶりのカトラ谷のため荒れ具合が分からず、強いてこのルートを勧めなかったが、金剛山と言えども危険個所や迷い易い所も多々あるので、最低限の下調べをして登ってほしいものだ。灌木帯を抜けると渡渉しながら谷筋を辿る道となり、すぐに男性が引き返したと思われる斜瀑が現れ、流れを避けながら岩伝いに登る。倒木はそんなに多くなく、沢筋を吹きわたる涼風に吹かれて飛び石を拾いながら歩くが、沢屋さんの気持ちがわかるような雰囲気の良い所だ。沢筋をつめ、左岸の岩壁をへつるロープ(ゴムバンド)場を過ぎ、地形図の府県境別れ地点の二又を左へ入ってちょっと登ると水場だ。付近に繁茂するオタカラコウの大きな葉っぱを見ながら冷水で生き返る。上方に見える落石防止ネット(標高910m)の左裾を乗り越えて急坂を登り、標高1000m付近のブナなどの落葉樹林で一休みだ。林床にはニリンソウの草原が広がり、左側の谷筋には花をつけたオタカラコウや初夏に咲き揃うはずのクリンソウの河床が伸びている。ガレ場の急な谷筋では足場を確保しながら超ゆっくり登るが、広葉樹林の急な丸太階段はすぐに息切れ、しばしば立ち止まりながらなんとか稜線だ。タカハタ道と合流し、すぐに広場を経て国見城址だ。丁度、九時の時報の直後で人影もちらほら、海抜千米以上ともなると涼風は気持ちよく、霞んだ大阪平野を眺めながら大休止だ。気温22℃の転法輪寺にご挨拶して本日最高点の葛木神社へきょうのお礼参りだ。
(金剛登山口Pを出発) (道端に咲く秋海棠)
(復路を右に見てゲートを直進)