きょうから寒波襲来、近畿北部は大雪警報のレベルだ。奈良盆地と宇陀盆地を分ける雪のない音羽山、経ヶ塚山、熊ヶ岳の音羽三山だ。展望に乏しい植林帯尾根が多く、あまり人気はないが、記紀の伝説の地もあり、静かな山歩きを期待して訪れた。桜井から談山神社を経て吉野へ向かう県道を南下、不動滝を左折して寺川沿いに東進、針道の鎖ゲート手前の拡幅部に路駐だ。後で分かったことだが、大峠トンネル西口の少し手前に駐車場がある。
鎖を跨いで寺川沿いの急な地道林道を30分ほど登り、路面がアイスバーン状態になった先が林道終点だ。難所はここだけなので、登山靴のまま路肩斜面を通り抜け、山道に入る。古道らしい急な坂道をジグザグに登ると大峠だ。女坂伝称地の石碑と祠があり、神武天皇ゆかりの地で日本書紀に女坂男坂の記述があるらしい。ちなみに男坂は北の半坂峠だ。鞍部から美しい杉林の尾根道を北へ登りつめると△858の反射板だ。小さな切り開きから西北の橿原方面や東の菟田野方面を眺めつつ小休止、下る方向を間違ったがすぐ修正して、笹原の植林帯尾根を登り返すときょうの最高点熊ヶ岳だ。視界のない熊ヶ岳を後にして標高差100mの植林帯尾根を下り、露岩の目立つ自然林主体の尾根を登り返すと経ヶ塚山だ。自然林の山頂の小広場から東に小さな切り開きがあり、大宇陀の田園地帯越しに三峰山方面が望める。
(大峠トンネル西口を右へ) (針道鎖ゲート)
(寺川沿いに急な林道を進む)
(林道終点のアイスバーン) (植林帯を登ると大峠)
(女坂伝称地の石碑と祠)
(美しい杉林の尾根道) (△858の反射板) (笹原の杉林を行く)
(きょうの最高点の熊ヶ岳)
(笹原杉林が続く) (石灯篭のある経ヶ塚山)
梵字の刻まれた石灯篭?の鎮座する山頂を後にして、稜線を北へしばらくたどると音羽山だ。視界のない林間の小広場の山頂を辞し、植林帯を展望台の道標を頼りに下ると、きょう初めての展望豊かな笹原の斜面だ。万葉展望台から眼前の御破裂山の山並み越しに、奈良盆地南部の田園地帯、大和三山、その彼方に金剛山や大和葛城山が連なっている。万葉の景観をおかずに昼食だが、曇り空のそよ風が冷たく、早々に下山だ。桜植樹中の伐採地斜面一帯を眺望を楽しみながらジグザグに下り、樹林帯に入ると音羽観音寺の善法寺だ。本堂に手を合わせて大木の林立する石段を下る。
(林間の音羽山)
(善法寺へ下る) (展望台への道標)
(音羽山万葉展望台から西方を望む)
(杉林が切れると笹原の展望地)
(急な笹原をジグザグに下る) (桜植樹の斜面)
(善法寺)
(善法寺本堂を見上げる) (急な参道を下り続ける)
本堂から急な参道を約1`下ると、膝がガクガクしたころやっと百市(もものいち)分岐だ。ここで百市短絡路を見落とし直進、下居(おりい)の県道経由の遠回りだ。疲れた足を引きずって県道を経て不動滝にて小休止だ。傍らの割不動尊には割れ目の入った巨石が祀られ、これが名称由来の隠れスポットだ。不動滝は寺川にかかる高さ8mほどの質素な可愛い滝だ。植林帯の谷筋を針道へ大峠トンネル道と立体交差しながら東進、集落が尽きると鎖ゲート手前の路駐ヵ所だ。
予想通り植林帯の尾根歩きに終始したが、稜線は笹原林床の美しい整理された杉林だ。音羽三山の夫々のピークの展望がない代わりに、音羽山万葉展望台から奈良盆地南部の眺めがよかった。また、音羽観音堂の巨樹や隠れスポットの割不動も一見の価値がある。
(百市分岐を間違って直進)
(南音羽の集落を下る) (下居で県道出合)
(大峠トンネル道と立体交差) (針道集落を東進) (針道鎖ゲートP)
★道で出会った花(花はなし)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 畝傍山、古市場
Homeへ