ここしばらく初夏のような陽気が続き、小塩山の保護地のカタクリも終盤を迎えそうだ。春の花が咲き始めた竈ヶ谷とあわせて小塩山カタクリ探勝だ。高槻から田能経由森の案内所へ1時間かからない。いまは森の案内所と金蔵寺間は通行止、向日町からはアクセス不可だ。ゲートは9時開門(月曜は休業日)、付近の拡幅部に路駐だ。
ゲート前の小塩山登り口からP604めざして右の急な尾根に取り付く。たった標高差100mの急坂だが体力が衰えると、すぐに息が上がり、数回の息継ぎ休憩をしてやっと尾根に乗り、緩斜面となった尾根を倒木を避けながら進む。すぐ先の明るい台地の鉄塔から南へ高圧線が伸び、後方右手にポンポン山が望める。所々で白花の咲き残るタムシバの点在する雑木林の尾根をゆっくり登りつめるとP604のピークだ。踏み跡をたどって倒木を乗り越えて進むと沢筋の源頭近くで崩落、倒木堆積とあいまって踏み跡消滅だ。上方に林道のガードレールが見えているので、数十メートルの急坂を小木を掴んでよじ登る。林道を少し下り、短絡路で上の林道に出てしばらく進むとNの谷分岐だ。NTTアンテナ手前に保護活動をされている方々がおられ、見学手続きをする。保護柵内に一方通行の周回路が設けられ、満開のカタクリやミヤマカタバミの花園を見ながら周遊だ。
(森の案内所前の登り口)
(東の急な尾根を登る) (鉄塔からポンポン山を望む)
(P604で小休止) (谷筋崩落部から林道へ) (林道出合)
(林道のNの谷分岐) (Nの谷入口) (Nの谷に咲くカタクリ)
(白花のカタクリ)
(ミヤマカタバミ)
(Nの谷周遊路をめぐる)
炭の谷は省略して御陵の谷へ向かう。ここもカタクリ満開、周回路をまわって係の人と雑談。たまたま羽化直後で静止していたギフチョウの画像を見せてもらうが、黒地に扇形の白い筋模様が美しい。保護活動の余得だそうだ。淳和天皇陵を経て、素朴な小塩山山頂標識に挨拶して、すぐ先の展望の良い鉄塔で釈迦岳とポンポン山を眺めながら小休止だ。送電線に沿って飛んでいるヘリを見上げつつ見晴らしの良い尾根筋を下る。樹林帯に入り、コバノミツバツツジの点在する尾根をなだらかに下ると森の案内所のゲート前だ。案内所の建物の横から東尾根に取り付き、急坂を頑張り、尾根の上からコバノミツバツツジの尾根道を進む。赤松の茂る尾根を道なりにアップダウンしながら徐々に高度を上げていくとイヌブナの森の休憩ポイントだ。芽吹き始めた萌黄色のイヌブナやカエデに混じって咲くタムシバの白い残り花が美しい。
(鉄塔からポンポン山を望む) (展望尾根を下る) (送電線巡視?ヘリ)
(コバノミツバツツジ尾根を下る) (森の案内所へ下る) (ツツジ咲く東尾根を行く)
(赤松の東尾根を行く) (イヌブナの森で大休止) (鉄塔から小塩山を振り返る)
きょうから定番昼食もカップラーメンから助六に衣替えだ。昼食後、樹林帯を登りつめ、P619の鉄塔を過ぎて尾根筋を下ると鞍部の竈ヶ谷分岐だ。谷筋を下って竈ヶ谷に出合、西尾根分岐を経て谷筋を渡渉しながら下ると、保護柵が現れる。見事に柵の内部にだけ、草花が咲き誇っている。ニリンソウ、エイザンスミレやヒトリシズカが白っぽい花を咲かせている中でヤマブキソウが唯一の色ものだ。まだ緑は生長途中、殺風景な谷を過ぎて樹林帯に入ると出灰川出合だ。渡渉して川沿いに進むと森の案内所だ。
日和に恵まれ、小塩山の最盛期のカタクリ、竈ヶ谷の春の花、に出合うことができた。どちらも保護活動に尽力された方々のお陰だ。なお、小塩山往路のルートは廃道に近いので要注意だ。
(東尾根鞍部から竈ヶ谷へ) (谷筋を下る) (竈ヶ谷出合)
(保護地に咲くニリンソウ) (保護柵に沿って谷筋を下る) (保護地のヤマブキソウ)
(エイザンスミレ)
(ヒトリシズカの群生)
(樹林帯へ)
(出灰川を渡渉) (出灰川に沿って東へ)
(森の案内所帰着)
ナガバモミジイチゴ エンレイソウ ヤマネコノメソウ
ミヤマカタバミ カタクリ コバノミツバツツジ
シキミ ヤマエンゴサク ヤマハコベ
ミヤマキケマン ニリンソウ ムラサキキケマン
ヤマルリソウ ヒトリシズカ エイザンスミレ
ヤマブキソウ タチツボスミレ イヌガヤ
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 北摂・京都西山
・2万5千分の1地形図 京都西南部、法貴
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