異常な暑さ続きにうんざり、山歩きに出かける気もおこらず、1ヶ月以上のご無沙汰だ。暑さや老化による行動意欲減退の結果として最も恐れるのは心身の廃用委縮だ。そこで、近場で千米の涼しさを味わえる金剛山の夏の定番、谷筋ルートだ。最近の私の好きなルートは、カトラ谷から山頂を経てツツジオ谷(きょうはタカハタ道)だ。暑くなる前に下山をめざして、辺りが明るくなり始めた黎明に出発、6時前に金剛山登山口到着だ。
駐車場から千早本道を右に分け、黒栂谷道をゆっくり進むと車止めゲートだ。復路のタカハタ道を右に見送り、センニンソウやクズが満開の橋を渡って、砂防ダム右岸の林道を行くとカマ谷出合で左岸へ渡る。ここで初めて沢を覗くと、水量は多くないが泥水だ。上流の土砂崩れを心配しながら濁った沢沿いにクサアジサイの茂る道をしばらく進むとトカラ谷分岐だ。しばし息を整えてからキンミズヒキの草深い小径を掻き分けて進むと泥水の流れ落ちる小滝だ。沢筋の涼風は気持ちがよいが、足元の泥水は憂鬱だ。水量は普通通りなので小滝の左側を登り、渡渉しつつ岩場の流れを遡る。小さな流木が堆積した両岸は茶色に染まり、平坦な河床は砂や泥の堆積だ。普通は減水するとすぐに清らかな流れになるが、この様子から上流に土砂崩れが予想されるので注意して進む。咲き終わったイワタバコの葉っぱが目につく岩壁をへつるロープ場を過ぎ、二股を右へ辿る。岩屑と倒木の堆積した、徐々に狭くなる急な谷筋を登ると、咲き始めたオタカラコウの群生地がかろうじて残る水場だ。この先が谷筋を横断する土石流防止の金網ネット(標高910m)だ。
(金剛登山口Pを出発)
(復路を右に見てゲートを直進)(砂防ダム縁の黒栂谷道をゆく)