金剛山(1125m)


★ひとこと   「夏の花を求めてカトラ谷から国見城址を経て千早園地経由タカハタ道へ」

工事中の国見城址
 

★行った日   2023年8月28日(月)  曇時々晴   単独
 
★コース

高槻4:29(名神、近畿道、南阪奈道)=羽曳野IC(R170、R309、府道705)=5:52金剛登山口P5:56→ゲート6:09→カマ道分岐6:22→6:42カトラ谷道分岐6:50→金網ネット6:53→8:11休憩8:21→8:51国見城址9:07→葛木神社9:17→一ノ鳥居9:28→展望デッキ9:41→9:51千早園地10:07→11:01国見城址下11:10→水場11:44→腰折滝12:10→ゲート12:26→12:33金剛登山口P12:52(府道705、R309、R170)=羽曳野IC(南阪奈道、近畿道)=高槻14:30

 異常な暑さ続きにうんざり、山歩きに出かける気もおこらず、1ヶ月以上のご無沙汰だ。暑さや老化による行動意欲減退の結果として最も恐れるのは心身の廃用委縮だ。そこで、近場で千米の涼しさを味わえる金剛山の夏の定番、谷筋ルートだ。最近の私の好きなルートは、カトラ谷から山頂を経てツツジオ谷(きょうはタカハタ道)だ。暑くなる前に下山をめざして、辺りが明るくなり始めた黎明に出発、6時前に金剛山登山口到着だ。
 駐車場から千早本道を右に分け、黒栂谷道をゆっくり進むと車止めゲートだ。復路のタカハタ道を右に見送り、センニンソウやクズが満開の橋を渡って、砂防ダム右岸の林道を行くとカマ谷出合で左岸へ渡る。ここで初めて沢を覗くと、水量は多くないが泥水だ。上流の土砂崩れを心配しながら濁った沢沿いにクサアジサイの茂る道をしばらく進むとトカラ谷分岐だ。しばし息を整えてからキンミズヒキの草深い小径を掻き分けて進むと泥水の流れ落ちる小滝だ。沢筋の涼風は気持ちがよいが、足元の泥水は憂鬱だ。水量は普通通りなので小滝の左側を登り、渡渉しつつ岩場の流れを遡る。小さな流木が堆積した両岸は茶色に染まり、平坦な河床は砂や泥の堆積だ。普通は減水するとすぐに清らかな流れになるが、この様子から上流に土砂崩れが予想されるので注意して進む。咲き終わったイワタバコの葉っぱが目につく岩壁をへつるロープ場を過ぎ、二股を右へ辿る。岩屑と倒木の堆積した、徐々に狭くなる急な谷筋を登ると、咲き始めたオタカラコウの群生地がかろうじて残る水場だ。この先が谷筋を横断する土石流防止の金網ネット(標高910m)だ。

    (金剛登山口Pを出発)  (復路を右に見てゲートを直進)(砂防ダム縁の黒栂谷道をゆく)

  (道端に咲くセンニンソウ) (カマ道を正面に見て左岸へ)   (濁った谷筋に沿って進む)

  (カトラ谷道分岐を右へ)     (キンミズヒキの草深い小径)   (泥水小滝の左を登る)

 (次々に現れる小滝を巻いて進む)(ロープ場をへつって進む)  (咲き終わったイワタバコ)

 (荒れた沢に咲くオタカラコウ)   (かろうじて残る水場)     (立ち塞がる金網ネット)


 ネットの左側の狭い急坂を通り抜けると、倒木と地盤の柔らかい急な河床となる。沢筋は少しやばい感じなので、左側の小尾根の踏み跡を登り、ちょっとした藪コギを経ていつもの谷筋から登るルートと合流だ。左下の谷筋は倒木や瓦礫に埋まり、かつてクリンソウの咲き乱れた所は見る影もなかった。トカラ谷の濁り水の原因はこの辺りと思われるが確証なし。元のままのニリンソウの草原を見て一安心、近くの大木の下で一休みだ。しばらく急な丸太階段を休み休み登るとタカハタ道合流だ。振り返るとトカラ谷はロープで閉鎖され「土砂崩れのため通行できません」の札が下がっていた。すぐ先の国見城址の広場は相変わらず登山者で大賑わいだ。広場の西側のベンチは工事中らしく、眼下の大阪湾方面の展望を楽しむには少し不便だ。22℃の山頂付近は涼しく、気をよくして転法輪寺に手を合わせ、朱色の灯篭の並ぶ参道を経て葛木神社へ快気参拝だ。帯状疱疹を発症して丁度1年、まだ神経痛の後遺症が残っているが全快、何とかここまで登ってこれたことに感謝だ。神社下のブナ林からお隣の葛城山が指呼の近さだが、きょうは全く眺望はダメ、仁王杉から一ノ鳥居を経て展望台だ。

   (金網ネットを振り返る)    (流れを避けて小尾根を登る)   (ニリンソウの草原は無事)

    (平地で一休み)        (急な階段道を上る)       (タカハタ道と合流)

   (国見城址下の広場)       (工事中の国見城址)      (ただ今温度22℃)

  (転法輪寺に手を合わせる)  (朱色の灯篭が並ぶ参道)     (葛木神社に快気参拝)

     (見事な仁王杉)          (一ノ鳥居)              (展望台)

 視界の利かない展望台を後にして、人っ子一人いない千早園地でフルーツ休憩だ。金剛山ロープウエイ休業にともない香楠荘も閉鎖され、寂しい限りだ。花季には草花が咲き乱れる緑豊かな遊歩道をたどり、ロープウエイ駅舎を経て、緑の散歩道を緩やかに上ると国見城址の広場だ。計画では六地蔵の先から墓地を経てツツジオ谷へ下る予定だったが、トカラ谷の状況から谷筋を下るのはやばいと思い、尾根のタカハタ道を下ることにした。墓地を横目に尾根道を直進、見事なブナ林を下り、美しい杉林の急坂を下り続けるとタカハタ谷だ。水場の冷たい清水で生き返り、トリッキーな所もあるタカハタ谷をしばらく下るとツツジオ谷道出合の丸太橋だ。急坂をへつる道を下り、道の崩落したロープ場を下ると腰折滝だ。滝壺まで寄り道して、近くから腰折滝を見上げると流下する飛沫が美しい。流れは透き通っており、トカラ谷のように濁っていないので、下山時に忌避したツツジオ谷を安全に下ることができたと思う。谷沿いの道をしばらく下ると、ゲートで往路に合流、ぶらぶら下ると駐車場帰着だ。
 40日ぶりだが何とか歩き通すことができた。しかし、登山者にはどんどん追い抜かれ、その歩く姿を恨めしく見送る。自分ではまだいけると思っているものの、すぐに息があがり、これまでの歳月が重くのしかかってくる。これが正直な気持ちで、なかなか悟りきった気分になれないのが実情だ。山頂付近は期待通り涼しく美しい緑に覆われていたが、トカラ谷は上流で崩落の危険性がありお勧めしません。

   (視界不良の展望台)       (千早園地で休憩)      (緑豊かな園地の遊歩道)

    (閉鎖されたRW駅舎)   (遊歩道を国見城址へ向かう)  (城址下の広場で休憩)

   (タカハタ道の六地蔵)        (ブナ林を下る)        (スギ美林を下る)

   (枝沢沿いに下る)       (ツツジオ谷道と合流)         (腰折滝)

     (沢筋を下る)        (ゲートで往路と合流)        (登山口P帰着)

★道で出会った花

     ハエドクソウ               ?               センニンソウ

       ミズヒキ              ヤブマオ               クズ

      メマツヨイグサ         ヨウシュヤマゴボウ?        イタドリ

      キンミズヒキ           ルリトラノオ?          ヒカゲイノコズチ

      クサアジサイ           イワタバコ             オタカラコウ

      オトコエシ                ウド             ヤマホロシ?

       ヤマホロシ?          ヨシノアザミ?          テバコモミジガサ

      イヌショウマ            オオバギボウシ           シシウド?

      ツリフネソウ            ゲンノショウコ          マツヨイグサ

      ノリウツギ            フシグロセンノウ          ダイコンソウ?

    アキノタムラソウ            ヤマハギ            オトギリソウ

       ヤマゼリ             ヤマボクチ             ウバユリ

        ノブキ            ガンクビソウ            アカショウマ

      イヌトウバナ            クサアジサイ           ヒメジョオン

    アキチョウジ          ヤマジノホトトギス          マムシグサ

       ?               ヤマホタルブクロ        シュウカイドウ

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       金剛・葛城・紀泉高原
・2万5千分の1地形図  御所

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