丹波篠山市の北に連なる多紀アルプスの盟主、三岳と小金ヶ嶽だ。両者とも展望に優れ、前者は修験道の開祖役の行者とも関係が深く、後者はスリル満点の岩尾根の高度感が素晴らしい。今回も散歩中に久しぶりの朝日に誘われて、急に山をぶらつきたくなり、朝もやの山々を眺めながら篠山方面へドライブだ。デカンショ街道(R372)を西へ走り、なるべく実質標高差の少ない山へ登るべく三岳と小金ヶ嶽間鞍部の大タワに向かった。峠に近づくと昨日の残雪が路端に現れ、チェインを置いてきたのを心配しつつ、何とか薄雪の大タワに到着だ。きょうは雪を夢想だにせず冬支度は全くなし、Cスパイクもスパッツすらなく、軽登山靴で横着して雪道を登山開始だ。
駐車場から雑木林の稜線を西へ緩やかに登る。単独先行者の足跡を辿り、このコースで最もしんどい標高差100mの階段をしばしば息つぎ休憩をしながら登る。急斜面のリョウブ林の階段を登りきって尾根端のロープ場を過ぎると岩頭だ。午後登る小金ヶ嶽が大タワPの小広場の彼方に格好の良い姿を見せている。見晴らしの良い尾根をしばらく進み、平坦な雑木林を過ぎてひと登りすると展望岩尾根だ。役の行者を祀った石室に手を合わせて、雪爆弾の道を通り抜けると三岳山頂だ。
(薄雪の大タワPを出発) (雑木尾根を登り始める)
(標高差100mの階段を登る)
(尾根端のロープ場を登る) (小金ヶ嶽を振り返る) (見晴し尾根を進む)
山頂付近の樹木が切り払われ、西北の視界が良くなり、肉眼では氷ノ山?などの白い但馬の山々が視認できた。山頂付近に僅かに残る霧氷が青空に映える姿を眺めつつ尾根道を東へ戻る。正面に小金ヶ岳を眺めながら急な階段を一歩ずつ注意して下り、雑木林を抜けると大タワの広場だ。幸いにも最大5cm位の積雪、おまけに先行者の踏み跡もあって、殆んど靴が濡れずに済んだ。なお、先行者に出会うことはなく、既に下山されたようだ。
本日積雪休業のフォレストアドベンチャー丹波篠山に隣接した小金ヶ岳登山口から植林帯に入る。アドベンチャーコース横の融けかけた雪道を穏やかに登っていく。踏み跡はないが、凍結の恐れはなく、積雪量もしれているので、岩稜地帯を安全に通過できると確信して美しい植林帯の谷筋を登り続ける。
(三岳頂上から北方(西〜北〜東北)を望む)
(三岳岩尾根から東北(北〜東)を望む)
(三岳頂上に残る霧氷)
(正面に小金ヶ嶽を見ながら下る) (大タワへ戻る)
(小金ヶ岳登山口) (アドベンチャーコース下を行く) (美しい植林帯を登る)
尾根筋に上がり、丸太階段をまじえた坂道を登り、正面に小金ヶ嶽が見えると岩稜帯に入って、アップダウンを繰り返しながらなだらかに下る。やがて鎖場が現れ、溝状の岩場を激下りしたり、露岩を回り込んだりして進む。岩角は濡れているが凍結の心配はなく、足がかりに注意を払って登りつめる。岩稜地帯から振り返ると三岳が半球状の格好いい姿でそびえている。溝状の比較的長い鎖場を登り、山頂付近の岩場を見上げながら最後の力をふり絞って急坂を登ると小金ヶ嶽頂上の小広場だ。北面の視界が開け、三岳から八ヶ尾山まで180度のうねる山並みが山里を抱き込む姿が見事だ。肉眼では東北に白い比良山系?の連なりが視認できた。景観を眺めつつ定番の昼食、山頂を後にしてゆっくり下る。山頂を踏んだ登山者は割引料金でアドベンチャーコースを利用可(写真などを提示)の掲示を見ながら大タワPへ戻る。若者にとってはこの程度の山は準備運動のようなものと思いながら、わが身の衰えを実感だ。
きょうは一人の登山者にも会わず、雪景色独り占めの山歩きだった。三岳、小金ヶ嶽とも、豊かな展望に加えて期待していなかった雪景色が素晴らしかった。また、小金ヶ嶽では久しぶりに高度感たっぷりのミニ岩尾根歩きが楽しめた。
(尾根の丸太階段を上る)
(小金ヶ嶽を前に岩稜帯に入る) (岩場の鎖場劇下り)
(鎖を頼りに岩場を回り込む)
(鎖場の溝を登る) (岩場を乗り越える)
(岩場から三岳を振り返る) (最後の急坂を登る) (小金ヶ嶽山頂)
(小金ヶ嶽から北方(西〜北〜東)を望む)
(展望岩稜を戻る) (下ってきた岩稜を振り返る)
(大タワへ戻る)