冬の暖かい陽光を浴びつつ、絶景をおかずにカップラーメンとコーヒーで意気回復、いよいよ近畿自然歩道の荒れ具合を気にしながら出発だ。中継所からの合流点を通過、片付けられた倒木があっちこっちに散らばっているが歩くのに全くさしつかえなく、尾根道を快適に下る。やがて、尾根芯を超えて谷筋下りだ。早速、谷筋が掘れ込み倒木が行く手を阻み、くねくねと造成された迂回路をたどる。谷幅の広い所は倒木があっても旧道を下ることができるが、谷筋の狭窄部はすさまじい荒れ方のため迂回路が多い。最後に、狭い谷の右斜面を足下の谷底を見ながらトラバース気味に下ると水無瀬渓谷出合だ。ここからなだらかな渓谷沿いの快適な遊歩道歩きだ。川縁の水車の残骸を眺めたり、対岸の細々と流れ落ちる乙女の滝をひやかしたりして、ぶらぶら下流へ下ると尺代だ。余談だが、尺代ではかつて水車を動力源としてエボナイトの製造に拘わっていたそうだ。10年ほど前に渡った小さな橋の迂回路を下方に見て、立派な尺代大橋を渡る。山沿いの小径に入って坂道を登り、竹林を抜けると若山神社だ。本殿に参拝して長い石段の参道を下り、若山台をなぞるように道標通りに下るとJR島本駅だ。
水無瀬渓谷出合までの荒れた谷筋はしっかり整理され、近畿自然歩道のこのルートは通行可能だ。向谷山の管理道路の勾配はきつく、休み休みやっと登れたが、凍結時や積雪時はアイゼン使用が安全だ。向谷山の南峰・北峰とも林間で視界は望めないが、すぐ下の近畿自然歩道の展望所からは雄大な景色が望める。
(ギロバチ峠西の展望所) (近畿自然歩道の尾根道を南下) (片付けられた倒木の尾根道)