堂山(384m)笹間ヶ岳(432.9m)


★ひとこと   「天神堰堤から岩尾根の堂山を経て笹間ヶ岳へ」

堂山頂上

★行った日   2025年5月3日(土)  晴   単独
 
★コース

高槻7:20(京滋BP)=笠取IC(県道3、R422、県道29、県道109)=不動寺本堂線路駐9:22→右岸登り口9:29→天神川4号堰堤9:56→10:42(384m)堂山10:48→10:54堂山東峰11:04→新免分岐11:18→鎧ダム分岐11:30→11:47鎧ダム(昼食)12:15→鎧堰堤12:16→迎不動堰堤12:38→迎不動12:43→富川道入口12:57→御仏河原13:30→13:32尾根道分岐13:42→矢筈ヶ岳分岐13:44→大石富川分岐13:58→14:35(432.9m)笹間ヶ岳14:47→林道出合15:00→名神工事出合15:18→名神工事別れ15:27→県道出合15:31→不動寺本堂線路駐15:50(県道109、県道29、R422、県道3)=笠取IC(京滋BP)=高槻17:20

 春の花の季節も過ぎ去り、初夏の草花には早過ぎるので、手軽に岩尾根気分の味わえる湖南アルプスだ。中でも堂山は低山ながら残置ザイルのお世話にもなる岩尾根は湖南の展望も優れものだ。天神川堰堤を起点に堂山から鎧ダム経由迎不動を経て笹間ヶ岳へ向かう計画だ。京滋BPの連休渋滞に遭遇したが、南郷から天神川沿いに県道を進み、工事中の新名神高架橋をくぐって天神堰堤付近の拡幅部に路駐だ。
 堰堤上流の車道から踏み跡を辿って河原へ下り、流れを横切って積み重ねた岩塊列の上を右岸へ渡る。右岸に沿って下流側へ少し戻って谷筋に入る。岩肌や岩盤が露出した大岩点在の谷間を登るが、濡れた岩肌は滑り易いので乾いたところを選んで注意深く登る。羊歯の急な小径や岩盤の渡渉を繰り返して進むと天神川第4堰堤下だ。左から高巻いて小尾根に上がり、以降小松点在の展望のよい花崗岩の風化した砂岩尾根が続く。振り返ると笹間ヶ岳の中腹を貫く新名神高速の工事現場が存在感をあらわにし、左にはびわ湖の彼方に比叡山が霞んでいる。尾根方向を北から徐々に東に変え、落花してしまったコバノミツバツツジの小径を正面に堂山を見ながら進む。周辺に丸い岩石とまばらに小松を配した日本庭園のような尾根を登り、最後の急坂を頑張ると堂山の狭い山頂だ。まさに湖南地方の展望台だが混雑してきたので下山開始だ。本峰と東峰間のキレット状の谷間へ残置ザイルで下り、再び上り返すと東峰だ。かつて爽快感のあった岩尾根の渡り歩きも、老化により平衡感覚が乏しくなり、瞬発力や持続力も衰え、現場に直面すると体力弱体化を実感だ。、

  (天神堰堤の先から河原へ) (河原の岩塊列伝いに右岸へ)  (右岸登り口から谷筋を登る)

    (花崗岩の沢筋を登る)      (天神川第4堰堤)       (好展望の尾根筋を登る)

  (新名神工事を振り返る)    (左にびわ湖と比叡山を遠望) (風化した花崗岩尾根を登る)

                    (堂山頂上から西方を望む)

 (山頂からロープ場を下る)       (堂山東峰)          (展望尾根から三上山)


 東峰から樹林帯に入るまで、展望抜群の砂岩尾根に小松の点在する美しい尾根道が続く。北方の視界が開け、工事中の新名神が田上付近で現新名神に合流するまでの白い線が足下に伸び、三上山や長命寺山が彼方に霞んでいる。少し上り返して樹林帯に入るとT字の鎧ダム分岐だ。右の尾根道で天神堰堤へ戻る杣道を背にして左折して鎧ダムへ向かう。しばらく幅広の谷筋をなだらかに下ると砂に埋め尽くされた鎧ダムだ。両岸は松疎林帯で覆われ、明るい気持ちの良い砂原を下流へと進み、堰堤手前の草地で店開きだ。紺碧の空に若葉が輝き、木漏れ日を浴びながら食べるとカップラーメンでも最高だ。ここは電波状況が悪くスマホは駄目、インスタントコーヒーで気分を落ち着かせてぼちぼち出発だ。鎧新堰堤から砂で満杯のしっかりした旧堰堤(明治22年)を観察だ。昔はこの辺り一帯は良木の樹林だったが奈良平安時代に寺院造営で皆伐されて山は荒廃、明治になって治水工事が始まって各所で砂防堰堤が施工されたそうだ。小滝もある岩盤からなる急な谷筋を下ると迎不動堰堤(2000年完成)を経て飛び石を渡って迎不動だ。迎とは太神山の不動寺の歓迎の意味だそうだ。迎不動に一礼して約1`ほど下って富川道に入る。東海自然歩道でもあるので立派なトレッキングルートだ。最初は歩き易い遊歩道だが、徐々に険しくなり急坂もある岩塊ゴロゴロの道となる。疲れ果てているのでゆっくり休み休み歩く。しばらく頑張って登ると前方が開け、岩盤の広い斜面が続く御仏河原だ。

    (展望尾根を東へ)     (鎧分岐から樹林帯をダムへ) (湿地帯の平坦な谷筋を東へ)

 (砂漠のような鎧ダムを行く)    (昔の鎧堰堤の説明板)   (新鎧堰堤から鎧堰堤を望む)

  (渡渉しつつ谷筋を下る)       (小滝もある)         (迎不動堰堤横を下る)

 (天神川を飛び石伝いに渡る)      (迎不動)            (富川道入口)

     (岩塊の谷筋を登る)       (御仏河原の岩棚)    (矢筈ヶ岳分岐後羊歯道を行く)

 すぐ先で展望のよい尾根道を右に分け、矢筈ヶ岳を左に分けて羊歯に覆われた道をなだらかに登る。峠から少し下ると湿地帯に続いて池が現れる。この辺りはサギソウなど夏の花が見られるところだ。しばらく樹林帯を進み、大石富川分岐の広場を直進して笹間ヶ岳へ向かう。小尾根を越えるごとに少しづつ標高を上げながら稜線を進むと大石富川から来た林道に合流だ。すぐに林道から別れて稜線を登り続けると梯子のかかる大岩のある笹間ヶ岳だ。三角点は大岩の裾に鎮座している。大岩の上は広い岩盤の展望台だが、真正面の木が邪魔して一寸残念だ。疲れ切って大岩上に座り込んでゼリーの間食だ。甘いものが元気回復に効果があるようだ。2人連れの山ガが登ってきたので岩盤を明け渡して下山だ。田植えが無事終わったお礼参りが毎年行われる白山権現が山頂直下に祀られている。手を合わせてから急坂の道をしばらく下ると林道出合だ。東海自然歩道は現在新名神工事のため通行禁止の関津へ下っているが、この林道は大石豊川から田上へ通じており、車まで3km余の林道歩きだ。工事が休日休みの静かな新名神工事現場を通って林道を経て県道に合流だ。巨大な構造物である新名神高架橋を眺めながら潜水橋を渡って車道を進む。天神堰堤付近には河原が広がり、晴れの連休にキャンプを楽しむ家族連れを眺めながら路駐地点に帰り着いた。
 「人生の処し方を体で知るのが老いの季節」と鷲田精一さんが折々のことばで説いている。心の底ではそう思っても悪あがきするのが凡人だ。途中リタイアも考えたが何とか計画通り完歩でき、老化による体力の弱みも実感できた。ゆっくり休み休みだったが挫折せずに歩けたことに対し自分を褒めてやりたい気分だ。今回は本年初めての車利用のトレッキングだ。出発地に戻る不便はあるが、計画時刻は成り行き任せでよく自由度が大きいのが優れものだ。

    (池の畔の道を行く)      (大石富川分岐の広場)     (雑木林尾根道を進む)

  (笹間ヶ岳の大岩を上る)    (大岩の岩棚は絶景ポイント)  (山頂直下の白山権現)

 (白山権現の鳥居をくぐる)    (急坂を下ると林道出合)   (林道に咲くヤマツツジ)



  (新名神工事現場出合)     (工事現場から林道へ)     (2年前の高架橋の姿)


   (現在の高架橋の姿)     (新名神高架橋をくぐる)       (潜水橋を渡る)


★道で出会った花

      ベニドウダン?         コバノミツバツツジ         ヤマツツジ?


★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  瀬田

 

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