

木橋を渡って池沿いの細道を辿り、飛び石を敷き詰めた流れを渡ると花木並木路の林道だ。やがて草深い林道は希望ヶ丘文化公園の中央道に合流、すぐに橋を渡って道なりに進むと野外活動センターだ。日陰のベンチで小鳥のさえずりを聞きながら飲水休憩後、歩き始めたが荒川谷入口でレキを置き忘れたことに気づきセンターへ逆戻りだ、経度認知障害か?。再度荒川谷入口から山道に入り、分岐毎に道標の荒川谷源流をめざし、渡渉を繰り返しつつ進む。羊歯の途切れた草原に1輪のササユリが咲き残っていたが、特有の初々しさがなく少しくたびれた感じだ。沢筋が北から西へ方向を変える辺りから羊歯のジャングルだ。計画ではこの辺りから地形図の点線細線に合流する東進ルートに向かうつもりだったが、ピンクリボンは見えるが羊歯が一面に生い茂っているので諦め、通いなれたややうみ坂へ向かうことにした。しばらく羊歯藪コギを頑張り、やっと草原に出るとのとの千軒だ。この先から樹林帯に入り、羊歯のない支尾根を登るとややうみ坂で稜線出合だ。体力を要する蒸し暑い想定外の羊歯藪コギでヘロヘロになって稜線で飲水休憩だ。甘いもので元気を回復して稜線を鏡山へ向かう。
(池の畔を進む) (谷筋を飛び石で渡る) (花木並木路を直進し中央道へ)
(野外活動センター前グランド) (荒川谷入口) (荒川谷入口の表示)
(道を塞ぐサルトリイバラ) (のどの千軒跡説明板) (のとの千軒跡の草原平地)
(ややうみ坂で稜線出合) (野外活動センター分岐ピーク) (木漏れ日の尾根道を行く)
鏡山三角点広場から南の視界が開け、野洲川流域の湖南の山並みが遠望できるが、きょうは霞の彼方だ。28℃の山頂に別れをつげ、鏡山新道の急坂を下り始める。樹林帯の支尾根をたどるこの道は、奥鳴谷広場まで羊歯藪もなく日陰なので快適な下り道だ。奥鳴谷広場三差路で野外活動センターを右に分け、左の鳴谷池へ向かう。渡渉を繰り返しつつ泥濘の谷筋を、点在する残り花のササユリを見たり、露出した岩場のモウセンゴケを鑑賞したりしてなだらかに下る。モウセンゴケをしげしげと眺めると、先端に水玉?のついた腺毛に縁取りされた楕円形パドル状の葉っぱは実に美しく、まさに造化の妙だ。赤い実の並ぶ落葉低木のウスノキは初見参だ。名前の由来は果実の先端が餅つきの臼のように窪んでいるからだそうだ。雲冠寺から下ってきた道に合流し、すぐ先の鳴谷池東屋で休憩後いつもの通り鳴谷沿いに下ると竜王町観光Pだ。
予想外の羊歯藪に悩まされたが、何とか咲き残のササユリに間に合い、イシモチソウやモウセンゴケ、ウスノキの花などに出会えた。連日暑さが続くと出不精になってサルコペニア症候群の仲間入りの恐れが出てきたので思い切って出かけたが、急坂もない草原主体の低山ながら、気温が高いうえに羊歯藪コギの重労働が加わって疲れ果てた山歩きだった。身体が思い通りに動かなくなると感受性が思いのほか鋭くなり、日頃見過ごしてしまいそうなモウセンゴケの腺毛やウスノキの実の凹みなどに異常な興味を覚えたのが実感だ。
(鏡山三角点広場) (鏡山新道分岐) (樹林帯支尾根の急坂を下る)
(奥鳴谷広場の三差路)
(渡渉を繰り返しつつ東進)
(道端に咲き残るササユリ)