前穂高岳(3090.2m)涸沢岳(3110m)

奥穂高岳(3190m)北穂高岳(3106m)


★ひとこと   「穂高、槍縦走第1、2、3日:岳沢から前穂、奥穂、北穂を経て南岳小屋へ」

重太郎新道から西穂の峰々を望む

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★行った日   2004年8月8日(日)  晴後曇   単独
          
          2004年8月9日(月)  晴一時曇後雨    単独
          
          2004年8月10日(火)前半  晴後曇    単独
 
★コース

(第1日)8月8日
高槻5:06(名神、東海北陸道)=飛騨清見IC=9:15平湯アカンダナ駐車場9:36(バス)=上高地バスターミナル10:17→河童橋10:25→下岳沢橋登山口10:38→11:07天然クーラー11:15→岳沢ヒュッテ13:35
(第2日)8月9日
岳沢ヒュッテ5:27→6:25カモシカ立場6:30→7:03パノラマ台7:07→雷鳥広場7:47→8:10紀美子平8:23→9:00(3090.2m)前穂高岳9:03→9:36紀美子平9:40→10:37最低コル10:42→南稜の頭11:22→11:36(3190m)奥穂高岳11:48→穂高岳山荘12:30
(第3日)8月10日前半
穂高岳山荘5:05→5:27(3110m)涸沢岳5:40→最低コル6:33→涸沢分岐7:40→7:50(3106m)北穂高岳8:01→9:01A沢のコル9:14→10:14休憩10:19→11:12南岳小屋11:30

(第1日)自宅〜岳沢ヒュッテ
 日本近海で突然発生した台風11号が西日本に水害の爪あとを残したが消滅したので、台風一過を期待して穂高から槍縦走に出発した。大阪の早朝は蒸し暑く、湖東を走っていても湖西や湖東の山々は白いベールをかぶっていた。きょうはお盆に入った最初の日曜日のせいか交通量はかなり多く、片側1車線の東海北陸道は数珠つなぎ状態だったが渋滞するほどではなかった。飛騨清見ICからR158で高山を経て平湯温泉のアカンダナ駐車場に着く。雲ひとつない青空から太陽が照りつけ、透明な空気のせいかやけに暑かった。ここは1日500円の村営の大駐車場で、上高地行きのシャトルバスが頻繁に発着している。平湯温泉バスターミナルへも無料シャトルバスがあるので便利だ。上高地へは安房トンネルを通って約30分で着く。
 きょうは晴天の休日の行楽日和、上高地の梓川沿いの遊歩道は心斎橋筋なみの混雑だ。海抜1500メートルもあるので、さすがに川面をわたる風は涼しく気持ちがよい。バスターミナルから河童橋を渡って約20分も遊歩道を歩くと林道と交差する。ここが穂高岳への岳沢ルートの登山口だ。
 針葉樹林帯の中の岩角のゴツゴツした道を登山道入口から30分も登ると、天然クーラーと称する冷風の吹き出し口がある。汗まみれの身体には地獄に仏だ。この辺りで樹林帯を抜け岳沢周辺の景観を楽しみながら沢沿いに登る。沢の岩礫帯を横切ると岳沢ヒュッテだ。小屋の人々は愛想が良く、やっと到着した登山者の疲れを忘れさせてくれそうだ。ヒュッテからは今通ってきた上高地が俯瞰でき、西穂の南壁がヒュッテを圧するように立ちはだかっている。

 
  (行楽客であふれる河童橋)  (河童橋から岳沢、西穂連峰)    (下岳沢橋登山口)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   (針葉樹林帯の登山道)        (岳沢中流部)      (岳沢の傍に建つ岳沢ヒュッテ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     (岳沢ヒュッテ)       (岳沢ヒュッテから西穂南壁)   (岳沢ヒュッテから上高地)
 
 
 
 
 
 
 
 


(第2日)岳沢ヒュッテ〜穂高岳山荘
 早朝は晴天だったが、直ぐに山頂付近はガスにおおわれ始めた。岳沢ヒュッテから沢の岩礫を横断してテント場を過ぎると、草地の急坂をジグザグに登る。草地にはヤマハハコ、シシウド、ヤマルリトラノオ、トリカブトなどが咲いていた。草地を過ぎると岩稜帯に入りハシゴ場や鎖場にて岳沢パノラマ、雷鳥広場など幾つかのピークを越えるとヒュッテから約3時間で紀美子平に着く。岳沢ヒュッテからの重太郎新道は急坂が多くしんどい登り道だった。ここでは上り、下りの大勢の登山者が休憩している。前穂高岳へは岩稜帯を登ると約1時間余で往復できる。西穂山頂はガスっていて展望はあまり得られなかった。

 
(重太郎新道から天狗岩:右?)     (立派なハシゴ)         (登山者の行列)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      (ハシゴを登る)         (岳沢パノラマ)         (ピークが岳沢パノラマ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    (稜線を通る登山道)          (雷鳥広場)      (岩をよじ登りハシゴを降りる)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  (紀美子平から下山する行列)      (紀美子平)       (前穂山頂直下を登る登山者)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      (前穂高岳)          (前穂から西穂連峰)      (一大休憩所の紀美子平)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 紀美子平から山腹をトラバースして吊尾根に出る。吊尾根から東南方向をふりむくとこの尾根の先に前穂がそびえている。左に岳沢、右に涸沢が見える吊尾根を矢印と丸印を忠実にたどり、ピークを越えたり巻いたりしてガレ場を進む。南稜の頭を越えるとすぐに奥穂高岳山頂だ。ここから西穂へも稜線が別れているが残念ながらガスって何も見えなかった。山頂には方位板があり、穂高神社の祠もある。あいにく雨が降り出したため急いで下山するが、穂高岳山荘裏手に槍ヶ岳穂先とよく似たハシゴ場があり、ここの渋滞を待ってやっと山荘にたどり着いた。

(稜線中央の紀美子平からトラバース) (吊尾根から前穂)        (吊尾根から岳沢)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  (吊尾根の一つのピーク)     (ピークを巻く:丸印)          (奥穂高岳)
 
 
 
 
 
 
 


 
   (吊尾根から涸沢)           (南稜の頭)            (南稜の頭)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   (奥穂高岳山頂)       (穂高岳山荘手前のハシゴ場)      (穂高岳山荘)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(第3日前半)穂高岳山荘〜南岳小屋
 昨日の夕方は激しい雨だったが、今朝は抜けるような青空だ。涸沢岳中腹から見える昨日通ってきた奥穂高岳が朝日に映えている。涸沢岳山頂から下りにかかった時、トラブル発生。今朝の朝食に生卵をご飯にかけて流し込んだための下痢らしい。登山者が通っているので痩せ尾根の岩稜地帯ではどうしようもなく、先を急ぎ少し斜面が緩くなった岩稜尾根を見つけて登山道から下へ下り大岩の陰にしゃがみ込んだ。これで非常事態の対処法に少し自信ができた。しかし、命がけなので食事には万全の注意が必要だ。
 D沢コルへの下り口がルンゼ状の鎖場になっており、次のボルトの足場が見えないので今回のコースで一番神経を集中した場所だ。ハシゴ場や鎖場を経て最低コルまで浮石に注意して下る。コルから北穂めざして岩稜登りとなるが下りより楽だ。涸沢からの登山道と合流するとあとひと登りで北穂高岳山頂だ。山頂のすぐ横に北穂高小屋がへばりついている、よくこんな場所に建てたものだと感心する。丁度荷揚げのヘリがホバリングしていた。山頂からは文字通り360度の展望だ。これから越えるキレットから槍ヶ岳までの尾根筋が筋肉質の肩をいからせているのが望める。
 
(涸沢岳中腹から穂高岳山荘) (涸沢岳から右:奥穂、左:前穂)     (涸沢岳山頂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(涸沢岳からD沢コルへの下り)   (岩尾根のトラバース)      (最低コルへの下り)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (最低コルからの岩尾根登り)      (岩尾根越)         (北穂高岳手前のピーク)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (ホールドの確かな岩登り)     (槍ヶ岳に続く尾根)         (涸沢分岐)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     (北穂高岳)         (北穂小屋へ荷揚げヘリ)      (北穂高岳山頂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ビールを飲みたいのを我慢して北穂高小屋の前を通り、ガレ場の急坂を石を落さないように注意しながらそろそろ下る。鎖場、ハシゴ場を通ってから飛騨泣きとおぼしき所を鎖を頼りに下るとA沢コルだ。休憩に適した小広場がある。次が長谷川ピークらしい、頂上にHピークとペンキで書いてあったのでわかったが、写真ほどけわしいピークではない。矢印や丸印を見失わないようにして3点支持を確実にすれば腕力に頼るような所はない。後立山のキレットはもろい岩があったが、ここの岩は硬くホールドし易いように感じた。ただ最も注意が必要なことは登山者が列をなしているので落石を起こさないように猫のように歩くことと、不幸にして落したら即「ラク」と大声で怒鳴ることだ。
 最低コルからもやせ尾根のアップダウンが続き、シシバナの絶壁に入る。遠景ではどのように登るのか不思議だったが、ちゃんと岩壁の隙間にハシゴが完備され難なく南岳小屋のシシバナ展望台まで登れる。展望台からのキレットはガスっていたが雄大な景色だ。このコースは国際色豊かで、韓国語、中国語、ドイツ語、英語が飛び交っていた。
 予定では南岳小屋で泊るつもりだったが、缶ビールを飲んで元気を快復し、まだ時間的にも余裕があり天候も良さそうなので槍ヶ岳まで足を伸ばすことにした。
 
 (北穂山頂からキレット全景)    (北穂下から北穂高小屋)     (北穂からの下り)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
    (飛騨泣き周辺)          (飛騨泣き周辺)          (A沢コル)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     (長谷川ピーク)         (ガレ場が続く)        (最低コルからシシバナ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   (やせ尾根が続く)          (シシバナ近景)      (シシバナ登りのハシゴ場)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (シシバナ展望台からキレット) (シシバナ展望台から屏風岩)     (南岳小屋)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
★道端の花
      ?(岳沢)           クサレダマ(岳沢)         サワアザミ(岳沢)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      ?(岳沢)             ソバナ(岳沢)       ヤマホタルブクロ(岳沢)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  ハハコヨモギ(重太郎新道) ヤマルリトラノオ(重太郎新道)     ?(重太郎新道)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   トリカブト(重太郎新道)   シモツケソウ(重太郎新道)  トウヤクリンドウ(重太郎新道)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  イワギキョウ(重太郎新道)  ヨツバシオガマ(重太郎新道) アキノキリンソウ(重太郎新道)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
  ウサギギク(重太郎新道)   イワツメグサ(重太郎新道)        ?(奥穂)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   ハクサンイチゲ(奥穂)       ?(奥穂)          トウヤクリンドウ(キレット)
 
 
 
 
 
 
 
 
 

★ルート断面図

 

 

 

 

 

 

 



★地  図
      (1)上高地〜紀美子平             (2)紀美子平〜南岳小屋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考地図)
・山と高原地図       上高地・槍・穂高
・2万5千分の1地形図  上高地、穂高岳

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