赤石岳の大展望を独占して十分に楽しんでから下山にとりかかった。昨日はガスっていた小明石岳めざして稜線を下り、椹島分岐を右へ急坂を下る。花の咲く岩場の急坂を下り、北沢源頭の水場を過ぎると仮設桟道が現れアップダウンを繰り返しながら下ると山頂から約1時間半で富士見平だ。この辺りからダケカンバからオオシラビソに変わる。ここから約30分も下ると赤石小屋だ。小屋前でガスった赤石岳を眺めながら中缶ビールで乾杯、美味かった!。時計を見ると11時だ。きょうは椹島で泊るつもりだったが、小屋から椹島まで標準時間で3時間半だが最終の椹島ロッジ発14時の送迎バスに急げば間に合いそうなので急いで下山することにした。下山道の大倉尾根はすべて樹林帯のなかを通るので景色も見えず花もないので、ただひたすら歩き足がふらふらになった頃にようやく林道の赤石岳登山口に下り立った。丁度午後1時半だ。最終便より1便前の午後1時半の送迎バスに途中で乗せてもらって無事畑薙第1ダムバス停に帰りついた。
帰りは接阻峡温泉で汗を流し、大井川に沿って南下し島田へ出て相良牧の原ICから東名で帰阪した。なお、11号台風は想定通り翌25日に静岡県を暴風圏に巻き込み東へ抜けたので、今回の計画変更は大正解だった。今年は例年になく不順な天候が続き出発を延ばし続けてきたが、日本海に前線が停滞しているがやっと小康状態になってきたので晴天を待ちきれずに山行を開始した。しかし、結果的には雨と台風にたたられ悪沢岳、赤石岳、聖岳と縦走する計画だったが聖岳を目の前にしながら退却を余儀なくされた。また、南アルプスの山々は大きいとの話は聞いていたが、南ア北部ではあまりそのように感じなかったが、南部では尾根を縦走するのにも、例えば、丸山−悪沢岳−中岳−前岳の如く3000メートル以上のピークを幾つも超える必要があり、山の大きさが実感できた。
(赤石岳から小赤石岳を望む) (椹島方向分岐) (水場下方の仮桟道)