木曽駒ヶ岳(2956.3m)

 

★ひとこと   「千畳敷から駒ヶ岳、宝剣岳を経て木曽殿山荘へ」

濁沢大峰から駒ヶ岳山系を望む(左端突起が木曽駒)

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★行った日   2005年9月9日(金)  曇後雨   単独
          2005年9月10日(土) 曇
          
★コース

(第1日)
高槻5:00(名神、中央道)=駒ヶ根IC=8:40菅の台バスセンター8:45(バス、ロープウエー)=ロープウエー千畳敷駅9:30→前岳分岐10:18→10:20宝剣山荘10:49→11:03(1925m)中岳11:15→11:45(2956.3m)木曽駒ヶ岳12:13→中岳12:40→宝剣山荘13:00
(第2日)
宝剣山荘5:59→(2931m)宝剣岳6:15→三ノ沢岳分岐6:47→極楽平(千畳敷分岐)6:56→8:06濁沢大峰8:20→P2536コル9:02→9:38(2727.7m)檜尾岳10:00→11:08休憩11:18→(2778m)熊沢岳11:38→(2671m)東川岳12:50→木曽殿山荘13:15

○大阪〜千畳敷
 台風14号が去ったので台風一過の秋晴れを期待して今年最後の小屋泊まり縦走に出かけた。しかし、秋晴れとはほど遠く、名神から見える湖東の山々や伊吹山はどうにか見えたが中央アルプスの姿は雲に隠れ、今回の山行の天気の悪さを予感させていた。
 大阪から約3時間半、中央道の駒ヶ根ICを出ると菅の台バスセンターの大駐車場はすぐだ。標高約800メートルの菅の台から約30分バスに揺られると標高約1600メートルのしらび平だ。ここから千畳敷まで標高差約1000メートルをロープウエーが7分半で結んでいる。足を使わずにエネルギーを残したまま2600メートルの高地に立てるのが嬉しい。

○千畳敷〜宝剣山荘〜木曽駒ヶ岳往復
 ロープウエー駅傍の祠から千畳敷カールへ遊歩道が伸びている。まわりを岩稜に囲まれたカールを見上げると登山者が小さな点になって連なって見えている。花の盛りを過ぎたお花畑の遊歩道を登り、八丁坂にさしかかると急坂になる。ゆっくり一歩づつ登るとオットセイ岩だ。この辺りから見下ろす千畳敷カールは素晴らしい景観だ。カールの稜線の乗越浄土へ着く頃にはすっかりガスに包まれてしまった。乗越浄土から宝剣山荘はすぐだ。山荘にリュックを置きサブザックを持って霧の木曽駒ヶ岳散策に出発した。
 山荘から駒ヶ岳にかけてコマクサを育成しているので遊歩道にはロープが張られている。季節外れのコマクサが群生して萎れかけた花を咲かせていた。途中の中岳の岩陰で風を避けながら昼食後、中岳山頂の祠で今回の山行の無事を祈って歩き出した。頂上山荘の横を通って登りつめると木曽駒ヶ岳山頂だ。きょうはずっとガスがかかり何も見えず、周辺を散策の予定だったが早々に宝剣山荘へ引きあげた。宝剣山荘では6人部屋を同じコースを行く埼玉の60歳代前半のAさんと50歳代後半のKさんと3人で占有でき山の話に花が咲き寛ぐことができた。午後から霧雨が降りだし、夜中中トタン屋根に雨音が響いていたので、あすの宝剣岳越えをどうしようか迷い悩みながら寝てしまった。


      (千畳敷)               (八丁坂)           (オットセイ岩付近)

(オットセイ岩から千畳敷俯瞰)      (乗越浄土)         (伊那前岳方向の和合山)

    (宝剣山荘)             (中岳山頂)            (中岳山頂の祠)

 (コマクサが点在する瓦礫帯)     (木曽駒ヶ岳頂上)      (木曽駒ヶ岳頂上方位盤)


○宝剣山荘〜宝剣岳〜濁沢大峰
 朝方には殆ど雨がやんでいたので、ガスのため見通しは全然だったが宝剣岳越えに出発した。岩が濡れているので注意して登る。要所に鎖や手掛かりがあるのでマーク通りに進めば問題なく頂上に到達できる。山頂には何も表示がなく岩頭がそびえているだけなので最高点に注意しないと見落として通過してしまう恐れがある。宝剣岳頂上まで登るのに15分位だが、頂上から三ノ沢岳分岐まで30分位かかり、下山ルートのほうが距離もあり嶮しい道だ。三ノ沢岳へ通じる分岐点辺りから歩き易い尾根道となり、極楽平で千畳敷に下りる道を左に分けて尾根を直進する。
 草紅葉が始まった高山植物帯が点在するハイマツの尾根道や岩稜帯を極楽平から約1時間進むと展望抜群の濁沢大峰だ。ここで短時間ガスが晴れ、左から木曽前岳、宝剣岳、伊那前岳の順に並ぶ木曽駒ヶ岳全体の山塊が初めて姿を現した。東には八ヶ岳から南アルプスに至る峰々が雲上に並んでいるのが見え、先月に歩いた南アルプスの山々を懐かしく思い出した。また、霧のスクリーンに映し出されるブロッケン現象を非常に鮮やかに見ることができた。

  (木曽駒山頂の駒ヶ岳神社)     (宝剣岳北側鎖場)    (ガスっている宝剣岳山頂付近)

    (宝剣岳頂上岩頭)      (宝剣岳南側岩稜帯)       (宝剣岳南側岩稜帯)

 
    (宝剣岳南側鎖場)          (三ノ沢岳分岐)        (極楽平千畳敷分岐)

 (トウヤクリンドウ咲く尾根)     (ハイマツ茂る尾根)        (草紅葉のはしり)

 
    (濁沢大峰岩頭)          (濁沢大峰頂上)       (一瞬のブロッケン現象)
 
      (濁沢大峰から木曽駒ヶ岳の峰々を望む)        (木曽駒名花ヒメウスユキソウ)
 
             (濁沢大峰から東方の八ヶ岳、南アルプスを望む)

 (濁沢大峰から南へ続く稜線)    (岩稜のオブジェ)       (稜線から北を振り返る)

○濁沢大峰〜木曽殿山荘
 濁沢大峰から岩稜帯を南下し登り返すと檜尾岳だ。東には檜尾尾根が延び、すぐ下には檜尾避難小屋が建っている。ガスの一瞬の晴れ間、南方に初めて空木岳の姿が浮かび上がったがすぐ消えてしまった。この稜線から垣間見たのが今回の山行で最初で最後の空木岳だった。ガスの晴れ間に姿を見せる周囲の景観に目を奪われながら快適な尾根道を進む。時には鎖のない急角度の岩盤のすき間をよじ登り、草花の咲く低灌木帯の稜線を過ぎると熊沢岳だ。地形から見て展望が良さそうだが真っ白けのガスの中だ。
 岩が散在するハイマツ林をかき分け、ガレ場を登ると最後のピーク、東川岳だ。頂上から急な崩れかけた丸太階段をジグザグに下り、更に、あす登る予定の空木岳への急な登り稜線を正面に見て伊那側が切れ落ちた急な稜線を下ると足下に木曽殿山荘が見えてくる。この辺りには木曽駒ヶ岳名花のヒメウスユキソウがまだ枯れ切っていない姿でたたずんでいた。
 木曽殿山荘は大部屋一室構成で団体と同宿となり超満員、昔の繁忙期の山小屋を思い出させる布団一枚に二人寝の賑やかな山小屋生活だった。部屋の一角には埼玉のAさんKさんに加えて、百名山の内98座を完登した60歳代後半の愉快な八王子のAさんも加わって山の話が尽きなかった。

(稜線を行く埼玉のAさんKさん)    (檜尾岳への登り)        (檜尾岳山頂)

 (檜尾岳避難小屋を見下ろす) (初めて顔を見せた空木岳)     (熊沢岳へ続く稜線)

  (稜線から見る三ノ沢岳)     (熊沢岳への登り稜線)     (高山植物の多い低灌木帯)

   (熊沢岳へ続く岩稜帯)        (熊沢岳山頂)       (東川岳へ続くハイマツ帯)

 
   (東川岳付近のガレ場)        (東川岳山頂)      (東川岳下りの崩れた丸太階段)
 
 (木曽越えコルへの急な下り)     (急な下り丸太階段)         (木曽殿山荘)
 
★道端の花
 
   ?アザミ(千畳敷)        イワツメグサ(千畳敷)      クモマグサ(千畳敷)
 
   ウサギギク(千畳敷)        コマクサ(木曽駒)       チングルマ(木曽駒) 
 
   トウヤクリンドウ(稜線)     ミヤマダイコンソウ(稜線)     ヤマハハコ(稜線)
 
   オヤマリンドウ(稜線)    ミヤマアキノキリンソウ(稜線)     オッパイ!(稜線)
 
   コケモモの実(稜線)       ミヤマタンポポ(稜線)      イブキゼリ(稜線)
 
   ミヤマトリカブト(稜線)        ソバナ(稜線)         ヒメウスユキソウ(稜線)
 
   キオン?(池山尾根)      カニコウモリ(池山尾根)   サラシナショウマ(池山尾根)
 
    ?アザミ(池山尾根)    セリバシオガマ(池山尾根)     ?(池山尾根)
 
  センジュガンビ(池山尾根)    ムシカリ?(池山尾根)      ゴマナ?(池山尾根)

★ルート断面図

○千畳敷〜木曽駒ヶ岳〜木曽殿山荘

★地  図

(1)千畳敷〜木曽駒ヶ岳〜檜尾岳        (2)檜尾岳〜木曽殿山荘

(参考地図)
・山と高原地図       木曽駒・空木岳
・2万5千分の1地形図  木曽駒ヶ岳、空木岳

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