高妻山(2052.8m)

 

★ひとこと   「戸隠から紅葉真っ盛りの稜線を経て展望の高妻山へ」

六弥勒周辺から高妻山を望む

★行った日   2006年10月1日(日)  曇後雨  単独
          2006年10月2日(日)  雨     単独
        
★コース

(第4日)
池の平温泉5:28(県道、R18、県道)=6:00戸隠牧場駐車場6:05→牧場柵6:17→登山道入口6:24→鎖場(滑滝)7:07→氷清水7:24→7:41一不動避難小屋7:45→三文殊8:06→五地蔵山8:43→八薬師9:28→10:35(2052.8m)高妻山11:00→八薬師11:46→尾根分岐(五地蔵山手前)12:15→P2096 12:44→P1420 13:00→沢渡渉13:13→牧場柵13:21→13:30戸隠牧場駐車場13:39(県道)=戸隠中社

(第5日)
戸隠中社9:30(県道)=大町(R147、R158、東海北陸道)=白鳥IC(R158、北陸道)=敦賀IC(R161、湖西道路、名神)=高槻21:50

(第4日)
 いままで何とか降られずにきたが、きょうあたりから崩れる予報だ。池の平からR18経由で意外に早く30分余で戸隠牧場の駐車場だ。周囲の峰々が雲に閉ざされた天候ながら大勢の登山者が登り支度中だ。
 牧場入口からギサギザの戸隠連峰を左に見て牧草地を標識通りに進み、牧場の柵を通る。あちこちで草を食むホルスタインを眺めながら森に入ると登山道が始まる。大洞沢に沿って何度か渡渉しながら石ころ道をさかのぼると、出発して約1時間で鎖場の滑滝だ。鎖を頼りに滑滝の右側をよじ登ってから右岸に渡る。今度は帯岩を、中程に点々とぶら下がっている短い鎖を頼りに横切るが高度感があるので下を見ないほうがよい。次に、不動滝の落ち口に着くので滝の左側を鎖を掴んで身体を引き上げると危険地帯は終了だ。石ころの枯れた沢筋をさかのぼると氷清水だが水はなかった。枯れ沢を更に登ってから笹薮の急坂を登りきると八方睨と高妻山との分岐点の一不動避難小屋だ。


   (戸隠牧場入口)       (五地蔵山を正面に進む)       (牧場柵を通る)

 (ホルスタインの横を通る)    (大洞沢に沿って進む)       (何度も渡渉する)

  (滑滝の鎖場をよじ登る)   (鎖を掴んで帯岩を横切る)      (帯岩を振り返る)

 (不動滝の鎖場をよじ登る)      (枯れ沢筋を登る)        (一不動避難小屋)

 この辺りから紅葉が始まり高妻山へ向かう稜線の木々が色付いている。なお、戸隠は信仰の山々が多く、避難小屋から高妻山に至る各ピークに一不動、二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒、七観音、八薬師、九勢至、十阿弥陀の石祠が配されている。正確には必ずしも各ピークにはないがアップダウンの多いしんどい稜線であることは事実だ。小ピークを幾つか越えると五地蔵山だ。石祠があるだけの視界のきかない小広場だ。少し先で道から稜線に登った所が展望台だが、きょうは雲の上に妙高山が浮かんでいるだけだった。
 この辺りの紅葉は素晴らしく、次々に現れるピークから望む稜線の紅葉と雲海に浮かぶ火打山や妙高山とのコントラストが疲れを忘れさせてくれた。細いガレ場の稜線を登ると展望の笹原稜線となり、丁度、雲海の上に出て北アルプスの峰々が顔を出し始めた。頂上までの高度差約250メートルの直登の急坂は厳しく、所々、両手で草の根や岩角を掴んで汗をしたたらせ息を切らせて登り終えると岩の積み重なった十阿弥陀の祀られているピークだ。北アルプスが浮かぶ文字通り雲上の岩角散歩道でしばらく進むと高妻山三角点だ。山頂には殆どスペースがないので登山者で満員だ。

    (戸隠牧場分岐)       (紅葉が始まった稜線を行く)    (鮮やかな紅葉稜線)

  (三文殊から前方の稜線)     (ピークが次々現れる)        (五地蔵山頂上)

 
                  (六弥勒付近から高妻山を望む)

  (鮮やかな七観音のピーク)    (七観音から火打、妙高)   (稜線ピークにある十の石祠)

   (ガレ場の稜線もある)      (草紅葉の笹原尾根)   (両手両足で登るガレ場の急坂)

   (山頂直前の十阿弥陀)   (十阿弥陀から山頂を望む)      (高妻山三角点)

 ピークが人でいっぱいなので山頂から乙妻山方向へ少し行くと絶壁の上に出る。ここが絶景を独り占めできる撮影ポイントだ。遠くの雲海上の北アルプスの峰々、比較的近くの雨飾、火打、妙高の山々など、長時間眺めても見飽きることはなかった。南面が切れ落ちた魅力的な乙妻山がすぐ近くに見えており2時間で往復できるらしいが、天候がもうひとつなので残念ながらあきらめて下山の途についた。
 五地蔵山まで同じ道を戻ったが、ピークの少し手前に牧場へ下る別ルートの表示が木の枝にぶら下がっていた。熊谷からの日帰り登山の単独行の男性もこのルートで下山するとのことだったので一緒に下山した。最初はネマガリダケの急坂だが枯葉クッションがきいて、足に優しい下りにふさわしい道だ。殆どがブナ林の中を下るふかふかの道で、距離的にも往路より随分短かく危険な岩場もないので高度恐怖症の方は、このルートで登るのもよい方法だ。最後に沢を渡ると牧場に飛び出す。急坂を急いで下ったため足がふらついていたらしく沢を渡るときに足を滑らせて川に尻餅をついてしまった。下着まで濡れただけでデジカメなどには被害がなく、あわてんぼうを反省した次第。牧場出口には赤テープが沢山ついているので逆に登る場合もすぐわかる。牧場の縁に沿ってなだらかに登ると、朝通った牧場柵へでる。ここは下山届けはないので牧場事務所は素通りだ。あとは雨の降り出しそうな空模様を気にしながら駐車場へ戻り、濡れた服一式を着替えてさっぱりして出発した。
 小雨が降りだした中、まだ時間が早かったので戸隠神社中社などを巡ってから宿へ帰りついた。とうとう雨が本降りとなり、北信濃の山歩きもきょうで終了だ。

                  (高妻山頂上北端から西南を望む)
 
                  (高妻山頂上北端から東北を望む)

 (南面が切れ落ちた乙妻山)     (山頂から火打山)        (山頂から妙高山)

 
   (山頂から雨飾山)     (山頂から雲をかぶった黒姫山) (下り支尾根から見えた牧場)
 
                  (七観音付近の鮮やかな紅葉)

   (下り支尾根のブナ林)    (戸隠牧場への出口)      (小雨に霞む戸隠連峰)

 
(第5日)
 本降りの雨が昨日から降り続いている。きょうは帰るだけなのでなるたけ一般道を利用するつもりだ。戸隠から鬼無里(きなさ)経由大町に出た。旧鬼無里村は犀川の支流、裾花川の源流沿いの盆地を中心に開けた水芭蕉と鬼女紅葉の昔話が残る伝説の里だ。大町から松本を経て旧道で雨と霧の安房峠を通り、高山から新開通の高山西ICから高山清見道路を経て東海北陸道に入る。雨が小降りになった白鳥ICから九頭竜湖畔を通り、やっと雨のやんだ福井へ出て鯖江ICから北陸道へ。敦賀ICからR161へ入り「まきの高原温泉さらさ」で疲れをいやし、湖西道路から名神で帰阪した。
 今回の山歩きでは念願の北信濃の山々の紅葉を存分に楽しむことができた。黒姫山、戸隠山、斑尾山のいずれかにも登りたかったが悪天候のため行けなかった。機会があれば花の季節に訪れたいものだ。

★道端の花

      ?(牧場)            ヤマゼリ(滑滝)          ヨメナ(不動滝)
 
   ヤマハハコ(四普賢)     ツリガネニンジン(五地蔵)    オヤマリンドウ(八薬師)
 
  ゴゼンタチバナの実(八薬師)     ?の実(八薬師)          コケモモ(山頂)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       妙高・戸隠・雨飾
・2万5千分の1地形図  高妻山

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