★ひとこと 「洋上にそびえる秀峰、花に彩られた利尻山」
翌朝鴛泊のペシ岬から利尻山を望む
★行った日 2007年7月1日(日) 曇 単独
2007年7月2日(月) 晴 単独
2007年7月3日(火) 晴 単独
★コース
(第1日)
高槻(前日夜)(府道、R9、R27)=舞鶴港0:45(フェリー)=小樽港20:45(札樽道)=銭函
(第2日)
銭函5:05=銭函IC(札樽道、道央道)=士別剣淵IC(R40)=稚内10:30=宗谷岬=ノシャップ岬=稚内港駐車場14:30→稚内15:30(フェリー)=利尻島鴛泊17:10
(第3日)
鴛泊4:29(林道)=鴛泊コース北麓登山口4:36→三合目(甘露水)4:47→四合目5:12→五合目5:39→六合目6:00→七合目6:25→7:20八合目(長官山)7:26→避難小屋7:38→8:16九合目8:23→沓形コース分岐8:54→9:25(1719m)利尻山10:08→沓形コース分岐10:33→11:27(1461m)三眺山11:34→馬の背12:04→八合目12:15→夜明しの坂12:36→12:48礼文岩13:01→七合目13:05→避難小屋13:13→六合目13:34→沓形コース見返台登山口14:10→14:14見返台駐車場(タクシー)=鴛泊
(第1日)
昨年に引き続いて、7月は梅雨のない北海道へ脱走だ。新日本海フェリーは7月19日まで割安のA料金(お盆は割高のC料金)で往復割引は2週間以内なので月初めに出発した。この時期は空いているので2等和室で手足を伸ばしてくつろぎ、読みたかった本を丁度終わって小樽に到着した。閉店間際の運河倉庫街の食堂で夕食をとり札樽道ですぐつく銭函へ向った。
(第2日)
稚内の最終フェリーが午後3時半で、途中の道路状況がわからないので宿の朝食もとらず朝5時過ぎに銭函を出発した。北海道の定番コンビニSeicoMartで買うつもりだ。結果的には道央道とR40にて約5時間半で着いたが、本当は、深川留萌道で日本海側へ出て、帰りに通った景色の良い通称オロロン街道R232を通る方が快適だ。フェリーまでの時間を利用して、観光バスが頻繁にくる色々なモニュメントの建つ日本最北端の宗谷岬を訪れた。海岸縁では本州の高山で見られるオオカサモチやエゾカンゾウが風に揺れていた。続いて、稚内市街を通り越して西側のノシャップ岬を訪れたが「喜びも・・・」の映画のロケ灯台も建っているが少しさびれた感じだ。利尻へ渡るフェリー乗場近くの有料駐車場を敬遠して(千円/日)、200メートルほど西にある未舗装広場(中央公園の西隣)に沢山駐車していたのでそこへ駐車した。殆ど満員の乗客を乗せて定刻に出発、例の如く餌をねだるカモメと併走しながら1時間40分の船旅で利尻島鴛泊(おしどまり)へ到着。船上から眺める徐々に近付く利尻富士の姿は必見だ。蛇足だが、環境保全のためかこのフェリーの車航送料金は日本一高い(往復3万3千円)ので要注意だ。
(第3日)
明るくなり始めた朝3時半に起きて、用意されている朝食お握りを食べて4時半出発だ。夏至の頃の日の出は3時45分なので明るくなるのが大阪より1時間早い感じだ。鴛泊コース登山口の利尻北麓野営場まで宿の車で送ってもらう。人気の山らしくもう多くの人が登り始めていた。3合目の最後の水場、甘露水の先で姫沼へ通じているポン山遊歩道を左に分けダケカンバの混じるエゾマツやトドマツの樹林帯をなだらかに登って行く。5合目辺りから急坂となりダケカンバ林をジグザグに登り、6合目の見晴台で初めて視界が開け礼文島が西北の洋上に浮かび、北の足下には鴛泊の集落が俯瞰できた。この辺りから森林限界を越えハイマツ帯を九十九折れに登り、7合目を過ぎてだんだん広がる視界を楽しみながら一汗も二汗もかくと眺望抜群の八合目の長官山だ。足元にはチシマフウロやエゾイソツツジが現れ始め、振り返ると登ってきた稜線とその先に鴛泊、西に沓形の集落、西北の洋上に平らな礼文島、南上方にはこれから登る利尻山の山頂が見えている。少し薮っぽい小灌木の支尾根道を登って下ると無人の避難小屋だ。ここから火山帯特有の滑り易い小石や岩角の多い足場の悪い急坂が続く。9合目から急に草花が増えハクサンイチゲやミヤマアズマギクが辺り一面を彩っていた。沓形コース合流点手前付近から手掛かりのない滑り易いガレ場の急坂が続くので雪渓を登る要領でゆっくり確実に登る。登山道に沿ってザイルは張ってあるがあまりあてにしない方が良い。この急坂を過ぎると山頂までしっかりした道が続き、祠のある小さな山頂からの展望が疲れを忘れさせてくれる。切り立った崖に囲まれた山頂付近はお花畑満開でリシリヒナゲシやエゾコザクラが咲き乱れていた。ここは利尻山北峰で、最高峰の南峰はローソク岩の横へ続く小道を行く必要があるが崩落のため閉鎖されている。
(積丹半島沖フェリーでの日没) (宗谷岬)
(ノシャップ岬)
(鴛泊入港直前のフェリーから)
(鴛泊コース登山口) (シラビソ、トドマツ林を行く)
(ダケカンバの道になる)
(視界が開けた6合目)
(小灌木帯の7合目)
(長官山から鴛泊)
(長官山から利尻山頂) (利尻山へ稜線を行く)
(利尻山避難小屋)
(9合目から礼文島)
(9合目付近のお花畑)
(9合目付近のガレ場尾根)
(利尻山北峰山頂) (山頂のローソク岩)
下山は往路の沓形コース分岐点から左へ分れてガレ場を急下降する。その後、山頂直下のガレ場を横断するが頻繁に落石があるので一本のロープを頼りに足場の悪い岩角を急いで横断する。ここが親不知子不知の難所だ。背負子投げの難所と称される鎖場をよじ登ると三眺山だ。三眺山までの瓦礫の間にお花畑が点在しボタンキンバイやハクサンイチゲが群落を作っていた。ここから西の進行方向の景観が素晴らしく、これから通る尾根筋の先に沓形の集落、その先に紺碧の海が広がっている。ハイマツの稜線ルートの見晴らしは良いが足元は歩き難い石ころ道がどこまでも続くが、点在するエゾカンゾウやヨツバシオガマが彩りを添えている。8合目、夜明しの坂と同じような道を下ると大岩があって、岩の上から礼文島が絶景なので一服する。その名も7合目の礼文岩だ。そのすぐ下に避難小屋があり見晴らし絶景ポイントだ。しばらく下ると森林限界を越えてダケカンバの群生帯に入る。6合目辺りからトドマツやエゾマツとダケカンバの混交林を下り、車道へ飛び出すと5合目の見返台登山口だ。車道を少し右方向へ上ると見返台園地駐車場だ。電話ボックスがあれど小銭がなく自動販売機があれどつり銭切れで途方にくれていると幸運にも観光タクシーが来たので無線でタクシーを呼んでもらって鴛泊へ帰り着いた。鴛泊の宿の車は沓形登山口までは来てくれないので要注意だ。蛇足ながらタクシー代は4800円だ。
利尻山は花の豊富な名山だが9合目付近以上に集中しているため、花を楽しむにはそれなりの労力が必要だ。また、利尻山が利尻島自身を形作っているので眺望は素晴らしく天気がよければ大雪や樺太まで望めるそうだ。沓形コースは鴛泊コースに比べて標高差は少ないが厳しい道なので鴛泊の方が楽に感じた。
(山頂のお花畑)
(火山礫の岩稜を下る) (沓形コース分岐)
(崩落地帯を下る)
(落石地帯をトラバース)
(三眺山へ稜線を下る)
ハマナス(鴛泊) ミヤマキンバイ(登山口) セリ(鴛泊3合)
?(鴛泊6合) シシウド(鴛泊6合) ?(鴛泊6合)
オオアマドコロ(鴛泊7合) ?(鴛泊7合) ウラジロナナカマド(鴛泊7合)
マイズルソウ(鴛泊7合) ゴゼンタチバナ(鴛泊7合)
ウコンウツギ(鴛泊7合)
エゾツツジ(鴛泊8合) ?(鴛泊8合) イワベンケイ雄株(鴛泊8合)
イワベンケイ雌株(鴛泊8合) ボタンキンバイ(鴛泊8合) チシマフウロ(鴛泊8合)
オオバキスミレ(鴛泊9合) ?(鴛泊9合) エゾノツガザクラ(鴛泊9合)
チシママンテマ?(鴛泊9合) エゾコザクラ(山頂)
コケモモ(山頂)
ミヤマアズマギク(山頂) リシリゲンゲ(山頂) エゾノハクサンイチゲ(山頂)
エゾヒメクワガタ(沓形9合) チシマキンレイカ(沓形9合)
エゾノコギリンソウ?(沓形9合)
?(沓形9合) エゾタツナミソウ(沓形9合) バイケイソウ(沓形9合)
ハクサンチドリ(沓形8合) オオカサモチ(沓形8合)
ヒメイチゲ(沓形8合)
ヨツバシオガマ(沓形8合) チシマヒョウタンボク(沓形8合) エゾカンゾウ(沓形8合)
エゾカラマツソウ(沓形8合) ヨツバシオガマ(沓形8合) コケモモ(沓形8合)
?(沓形8合) エゾイソツツジ(沓形8合) ハイオトギリ(沓形8合)
★ルート断面図
★地 図(GPS軌跡)
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 利尻・羅臼・斜里・阿寒
・2万5千分の1地形図 鴛泊
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