甲斐駒ヶ岳(2965.6m)

 

★ひとこと   「白須から黒戸尾根で白亜の甲斐駒ケ岳を経て北沢峠へ」

栗沢山から甲斐駒ヶ岳を望む

★行った日   2007年8月25日(土)  晴  単独
          2007年8月26日(日)  晴  単独
        
★コース

(第1日)
高槻3:20(名神、中央道)=小淵沢IC(R20、県道)=7:40竹宇駒ケ岳神社駐車場7:51→吊橋7:59→横手駒ケ岳神社合流9:47→9:52石仏前休憩9:59→分岐標識(分岐路通行不可)10:11→10:54休憩11:00→11:48刃渡り12:03→刀利天狗祠12:23→五合目小屋跡13:06→五合目祠13:10→木橋13:50→屏風岩→七丈第1小屋14:19
(第2日)
七丈第1小屋5:23→八合目御来迎場6:20→7:09展望岩稜休憩7:21→7:58(2965.6m)甲斐駒ヶ岳8:32→9:09摩利支天9:16→六方石9:51→10:18(2740m)駒津峰10:35→11:34(2264m)仙水峠11:39→仙水小屋12:09→北沢駒仙小屋12:45→北沢峠→北沢駒仙小屋

(第1日)
 やっと来週中頃まで好天が続くとの予報がでたので一度挑戦したかった黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳、早川尾根を経て鳳凰三山へ登ることにした。早朝の中央アルプスや南アルプスの山並みを眺めながら中央道を快調に進み約4時間半で白須登山口に到着。晴れの土曜日なので駐車場は8割がた埋まっていた。
 遊歩道を5分ばかり行くと竹宇(ちくう)駒ケ岳神社だ。安全を祈ってからすぐ横の尾白川(おじらがわ)の吊橋を渡るといよいよ急坂が始まる。樹林の中を九十九折れの道でしばらく急登するとなだらかな横引きの道になるがすぐにまた支尾根の急登が始まる。樹林の急登が続き、緑が直射日光を遮ってくれるので助かるが汗びっしょりだ。出発して約2時間もすると横手駒ケ岳神社から来る道と併せて少しなだらかな笹原林床の疎林帯に入る。この辺りが笹ノ平らしい。またすぐに急登になる。この道は昔からの修験の道らしく道端には石碑や石仏が頻繁に置かれているので、木々で外界の見えない単調さを救ってくれる。合流点から約2時間も登るとやっと鋭い岩稜の刃渡りだ。危険な所には鎖がつけられ安全に登ることができる。岩稜からは初めて視界が開け、南には地蔵岳、北には八ヶ岳連峰、東には瑞牆山や金峰山などの山塊が展望できた。


    (白須登山口駐車場)     (竹宇駒ケ岳神社)        (尾白川を吊橋で渡る)

    (すぐ急坂が始まる)        (樹林帯を上る急坂)        (水平道もある)

 (笹平で横手からの道と合流)   (笹原の疎林連帯を進む)      (展望抜群の刃渡り)

  (左に姿を見せた地蔵岳)   (岩稜から小淵沢方向を俯瞰) (整備されたハシゴ場が始まる)

          (刃渡りから八ヶ岳(左)と瑞牆山や金峰山の山塊(右)を望む)

 ここからハシゴ場や鎖場の連続だ。石碑が林立する刀利天狗の祠から黒戸山の中腹を巻き高度差100メートルほど下ると五合目小屋跡だ。更地に整地された小広場を少し下ったコルに五合目の祠があり、ここから連続したハシゴ場と鎖場で屏風岩を越える。またまた少し下って古い木橋の上に新しい木橋が作られた二重の橋を渡ってハシゴを登る。しばらく進むと七丈第1小屋だ。数十メートル先に第2小屋がある。第1小屋の隣の展望台からは南方に地蔵岳や観音岳、その奥に富士山が見えている。小屋は北杜市管轄で予約制ではなく、きょうは宿泊者が非常に多く、少ない人数で食事の世話など大変な様子だった。水は豊富でトイレも綺麗な小屋だ。
(第2日)
 朝食抜きで出発、途中の岩稜で持参のパンをかじることにした。第2小屋のすぐ上のテント場を通り抜けて低木帯の急坂を登る。背の低いダケカンバやハイマツが茂る積み重なった岩の間をハシゴや鎖を頼りに登ると、やがて見晴らしの良い休憩適地の八合目の御来迎場の台地だ。ここでゆっくり朝食だ。夏の宿泊山行にはいつもプラムを持参しているが、甘くて皮のところの酸っぱい果実はたまらない味だ。

    (刀利天狗の祠)        (樹林を五合目へ下る)    (コルにある五合目の祠)

 (石塔を横目にハシゴ場を登る)  (さらに続くハシゴを登る)     (尾根道を上って下る)

 
    (鞍部の二重の木橋)   (七丈小屋手前のハシゴを登る)(小屋から朝焼け富士と地蔵岳)

 (七丈第2小屋の横を登る)     (石碑の建つ急坂を登る)   (山頂の白い岩めがけて登る)

 (登ってきた尾根を振り返る)   (北方に浮かぶ八ヶ岳連峰)  (小ピークにある御来迎場)

 岩の台地から烏帽子岩の輝く白い岩山へ向う。ステップの刻まれた鎖場やハシゴ場を乗越えると逆鉾の立てられた岩山や烏帽子岩の下を通る。この辺りでやっと甲斐駒ケ岳山頂が見え、それに向って白い岩の斜面が続き、登りきると石碑群と駒ケ岳神社奥社の祠が迎えてくれる。その少し先が大賑わいの白い花崗岩の山頂だ。石の祠や1等三角点があり、360度遮るもののない大展望が得られる。西から富士山、地蔵岳、北岳、仙丈ヶ岳、中央アルプス、北アルプス、八ヶ岳が連なっていた。

 (烏帽子岩の岩山へ登りつく)     (ステップ付き鎖場)    (ちょっと腕力の要る所もある)

  (逆鉾と地蔵岳と富士山)       展望岩稜を行く)          (最後の岩の急坂)

    (山頂の石碑群)          (駒ヶ岳神社奥社)       (大賑わいの甲斐駒ケ岳山頂)

             (甲斐駒ヶ岳山頂から西〜北〜東北を望む)

             (甲斐駒ヶ岳山頂から東南〜南〜西を望む)

 滑り易いザラメ状の踏み跡を摩利支天めざして下る。踏み跡が幾つもあるので間違いやすく、見た目は摩利支天に向う踏み跡だったが途中で行き止まり。正式には分岐路の標識まで下ってから登る必要があったが何とかルートを見つけて摩利支天の鞍部にたどり着いた。摩利支天頂上には石碑や祠がある。滑り易い花崗岩のザラメ道を下り、登山道と合流して六方石の巨石の横を通り岩稜のアップダウンを繰り返すと駒津峰だ。大勢の登山者が憩っていたが双児山を通って北沢峠をピストンする人が殆どだ。
 駒津峰からガレ場の急坂を下るとほどなく樹林帯に入る。樹林の隙間に時々ガスの晴れ間から白亜の甲斐駒ヶ岳の姿が見えていた。駒津峰から約1時間も下ると仙水峠だ。溶岩のような岩塊に覆われつくした異様な光景が広がっている。峠から岩塊の谷間を飛び石伝いに下ると樹林帯に入り30分ほどで仙水小屋だ。上りにはここが最後の水場だ。あとは沢に沿ってダラダラ下ると北沢駒仙小屋だ。北アルプスの山小屋と違って今回の経路上のすべての山小屋では宿泊者の3食以外の食べ物の提供はなかったので注意が必要だ。そのため10分ほど歩いて北沢峠の長衛荘へ食事に行ったが途中の南アルプス林道の静かなたたずまいが印象的だった。
 黒戸尾根は前評判どおり厳しく、当初の計画では七丈小屋から早川尾根小屋まで行く予定だったが、予約が取れなかったため北沢駒仙小屋泊まりとなった。結果論として、バテバテのため仙水峠から栗沢山を越えて早川尾根小屋へ続けて行くのは至難で、やっと北沢駒仙小屋へたどり着いた次第だ。

  (白いザラメの岩肌を下る)   (眼前に摩利支天を望む)       (摩利支天頂上)

    (白い岩肌を下る)      (六方石の向うに中央アルプス)        (六方石)

       (駒津峰)         (ガスの晴れ間の白い巨塔)    (ハイマツ帯から樹林帯へ)

(アオモリトドマツ原生林を下る)  (溶岩塊に囲まれた仙水峠)      (溶岩塊の谷間を下る)

  (溶岩塊に緑が育った地帯)       (樹林に入る)         (美しい静かな南アルプス林道)

★道端の花

 
    ミズヒキ(吊橋)          ヤマホトギス(笹平)     ミヤマホツツジ(刃渡り)
 
  サルオガセ(刀利天狗)      ヤマハハコ(御来迎場)   ヤマブキショウマ(御来迎場)
 
   バイケイソウ(御来迎場)   ゴゼンタチバナ(御来迎場)   ミヤマコゴメグサ(駒山頂)
 
  トウヤクリンドウ(六方石)    ミヤマシャジン(駒津峰)     ハナニガナ(仙水小屋)
 
  シナノオトギリ(仙水小屋)    ミヤマゼンコ(仙水小屋)    ホタルブクロ(駒仙小屋)
 
      ウド(駒仙小屋)       シモツケソウ(駒仙小屋)    タカネヒゴダイ(栗沢山)
 
  オヤマリンドウ(ミヨシノ頭)     キオン(ミヨシノ頭)       イタドリ(ミヨシノ頭)
 
 トモエシオガマ(早川小屋)    セリバシオガマ(早川小屋)      ?(早川小屋)
 
    コケモモ(広河原峠)        ハイマツ(高嶺)        ホウオウシャジン(高嶺)
 
   ナナカマド(赤抜沢ノ頭)    イワインチン(赤抜沢ノ頭)  タカネビランジ(赤抜沢ノ頭)
 
 ミネウスユキソウ(赤抜沢ノ頭)ミヤマウイキョウ?(赤抜沢ノ頭)  ミヤマシシウド(地蔵岳)
 
  ミヤマトリカブト(地蔵岳)       キオン(鳳凰小屋)     サラシナショウマ(鳳凰小屋)
 
  カニコウモリ(鳳凰小屋)     ヤナギラン(鳳凰小屋)     ミヤマヨメナ(鳳凰小屋)
 
     ?(鳳凰小屋)       クロサワアザミ?(鳳凰小屋)  タカネビランジ(鳳凰小屋)
 
  ダイモンジソウ(観音岳)     ノリウツギ(林道交差)        ?(林道交差)
 
  マルバダケブキ(水場)      ツリフネソウ(林道)         ?(林道)
 
    マツヨイグサ(林道)       クサボタン(林道)       シナノナデシコ(林道)
 
     セリ(林道)            ?(ドンドコ沢)       フシグロセンノウ(青木鉱泉)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)
(1)竹宇駒ケ岳神社〜五合目小屋跡        

(2)五合目小屋跡〜北沢駒仙小屋

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       北岳・甲斐駒・南アルプス
・2万5千分の1地形図  長坂上条、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳

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