鳳凰三山(観音岳)(2840.4m)アサヨ峰(2799.1m)

 

★ひとこと   「北沢峠から早川尾根でアサヨ峰を経て鳳凰三山へ」

甲斐駒ヶ岳から地蔵岳(左)観音岳(右)富士山(中)を望む

★行った日   2007年8月27日(月)  晴後曇   単独
          2007年8月28日(火)  曇後小雨  単独
        
★コース

(第3日)
北沢駒仙小屋5:12→P2306 6:04→7:28(2714m)栗沢山7:39→8:43(2799.1m)8:54→ミヨシノ頭9:30→コル9:51→P2463(三角点)10:46→10:48早川尾根小屋10:59→11:25(2344m)広河原峠11:43→12:40(2553m)赤薙沢ノ頭12:44→12:59白鳳峠13:07→稜線出合13:56→14:29(2778.8m)高嶺14:37→赤抜沢ノ頭15:18→稜線別れ15:23→地蔵岳オベリスク下15:28→鳳凰小屋16:00
(第4日)
鳳凰小屋5:43→6:43稜線出合7:24→7:19(2840.4m)観音岳7:24→7:49薬師岳下7:56→8:41休憩8:46→御座石8:49→9:14休憩9:23→林道交差10:18→10:48水場10:51→小武川林道登山口10:54→林道合流11:16→ドンドコ沢橋→ドンドコ沢ルート合流11:27→11:30青木鉱泉12:35(タクシー)=13:10竹宇駒ケ岳神社駐車場13:20(県道)=甲斐駒ケ岳温泉尾白の湯(県道、R20)=諏訪IC(中央道、名神)=高槻19:00

(第3日)
 北沢駒仙小屋前の橋を渡った所の栗沢山直登コースに入る。陰気な薄暗いシラベの樹林帯の急坂を約1時間も登ると稜線だ。白亜の甲斐駒ヶ岳が朝日に輝いている。さらに1時間も登るとハイマツ帯の岩稜にでて飛び石伝いに稜線を登ると栗沢山頂上だ。360度の展望が得られるが、特に間近にそびえている甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳が素晴らしい。北アルプスではこまめに岩にペンキ印が付けられているが、ここでは一切なくルートを探しながら岩稜の稜線を進んだ。見通しが利く間はよいがガスった時にはさらに注意深さが必要だ。栗沢山から岩稜を上り下りしながらアサヨ峰めざして進む。うしろに甲斐駒ヶ岳、右に仙丈ヶ岳、正面右に北岳、正面左にガスってきた鳳凰三山が夫々特徴ある姿を見せる至福の尾根歩きだ。最高点がアサヨ峰だ。


    (栗沢山登山口)     (アオモリトドマツ樹林帯の急坂)   (P2306稜線にでる)

 (稜線から見た甲斐駒ケ岳)   (栗沢山から間近の仙丈ヶ岳)    (岩稜の栗沢山頂上)

             (栗沢山頂上から東南〜南〜西〜北〜東北を望む)

(栗沢山からアサヨ峰へ続く尾根) (岩角を飛び石伝いに進む)      (栗沢山を振り返る)

   (アサヨ峰はもうすぐ)     (大展望のアサヨ峰山頂)   (アサヨ峰から稜線を振り返る)

 アサヨ峰から左に折れて尾根を下る。上からだと平坦に見えるが上り下りの激しい尾根だ。2番目のピークがミヨシノ頭だ。ミヨシノ頭からダケカンバの稜線を急下降し幾つか展望のよいピークを過ぎて樹林帯に入るとP2463の三角点だ。すぐその先が早川尾根小屋で水場もある。ここからなだらかにしばらく下ると早川尾根の最低コルの広河原にも下れる広河原峠だ。樹林帯を高度差で200メートルも登り赤薙沢ノ頭を過ぎて下ると白鳳峠だ。ここから高度差約300メートルの急登が待つ本日の難所だ。

 (アサヨ峰から間近の北岳)  (アサヨ峰からまだ遠い地蔵岳)    (樹林の稜線)

   (ダケカンバの稜線)        (起伏の激しい稜線)       (遠くにそびえる高嶺)

    (倒木帯の稜線)          (P2463の三角点)    (水場もある早川尾根小屋)

 
   (小屋から樹林帯を下る)       (広河原峠)           (樹林と岩稜を登る)

    (赤薙沢ノ頭)           (樹林の中の白鳳峠)      (高嶺へのガレ場登り)

 疲れが貯まっているので高嶺(たかね)への急登は大変だ。ガレ場を休み休み呼吸を整えながら登り詰め、ダケカンバの稜線から岩稜をよじ登る。心肺機能が低下してなかなか体力が回復せずいつまで山歩きができるのか心配になりながらやっと高嶺山頂だ。ガスの晴れ間から地蔵岳オベリスクが見え、赤抜沢ノ頭から鳳凰三山へ白亜の稜線が続いていた。
 稜線を一旦下りキレット状のコルを渡ると、甲斐駒ヶ岳に良く似たザラメ状の花崗岩の岩稜歩きだ。白い花崗岩の間にピンク色のタカネビランジの小群落が点在する美しい岩稜が赤抜沢ノ頭の先まで続いている。ここからすぐ横にそびえ立つオベリスクに向って下ると尖塔の下だ。塔のすぐ下まで行きたかったがガスも濃くなり時間も遅くなってきたので省略だ。よく滑る花崗岩のザラメ状の急坂を下り、ダケカンバ帯を過ぎシラベの原生林を下るとやっと鳳凰小屋だ。稜線の薬師岳小屋と異なり水の豊富な小屋だ。ほっと一息、缶ビールできょうのわが身の健闘に乾杯だ。
(第4日)
 朝焼けに輝くオベリスクの先端を眺めながら小屋を出発、一度沢を渡りハシゴを登って観音岳へ向って樹林帯を急登する。きょうの天気は午後から崩れるとの予報だ。ダケカンバ帯を過ぎて稜線にでるとガスを伴った風が強い。ウインドブレーカを着て、何も見えない稜線を黙々と登るだけだ。最高点の観音岳だが山頂標識と三角点しか認識できなかった。

  (ダケカンバの稜線を行く)    (岩稜をよじ登ると高嶺)    (高嶺から地蔵岳オベリスク)

     (赤抜沢ノ頭)        (白い岩稜の彼方の観音岳)      (甲斐駒ヶ岳に似た稜線)

    (地蔵岳オベリスク)       (ダケカンバの草原を下る)    (水の豊富な鳳凰小屋)

 (小屋から朝焼けの地蔵岳)  (アオモリトドマツの急坂を登る)    (ダケカンバ帯を登る)

  (小屋から1時間で稜線だ)    (ガスの晴れ間の地蔵岳)          (観音岳山頂)

 山頂からハイマツ帯の花崗岩の尾根をなだらかに下ると薬師岳だ。近くに山頂があるが山頂標識の所から青木鉱泉めざして中道を下った。当初、大岩の間を下るがすぐにシラベの樹林帯に入り、時々樹間に見える富士山へ向って激下りが続く。約1時間も下ると正面に大石が現れる。御座石だ。膝がガクガクする樹林の長い激下りに飽きた頃、カラマツ帯の比較的緩やかな下り道になる。やがて林道と交差し、長い長い九十九折れの道が終わると水場だ。登るときはここが最終水場だ。間もなく廃屋があって小武川林道の登山口だ。林道を30分も下ると工事小屋があり青木鉱泉近道の表示に従い左の道に入る。ドンドコ沢を渡ると鳳凰小屋から下ってきたドンドコ沢ルートと合流してすぐに青木鉱泉だ。青木鉱泉からタクシーで黒戸尾根の白須登山口へ戻った(タクシー代6730円)。途中、尾白川近くではクマさん(篠原勝之氏)のオブジェ「風弦」を遠望し、国の天然記念物である実相寺の巌のような幹を持つ山高神代桜を見ることができた。帰りに近くの尾白の湯で疲れをいやし、R20で長坂近辺の風景を見て、諏訪ICから中央道で順調に帰阪した。
 黒戸尾根は初め樹林帯だが刃渡りから甲斐駒ヶ岳山頂までは展望も開け安全な岩場もある登り甲斐のあるルートだ。早川尾根は独立した幾つかの山を連続して登るようなしんどい尾根ルートだ。今回は天候にも恵まれなんとかクリアできたが体力の限界を感じた山行だった。

   (薬師岳へ稜線を行く)       (ガスった薬師岳)     (薬師岳から長い下りが始まる)

  (雲の間の霞んだ富士山)       (巨大な御座石)         (膝がガクガクする長い激下り)

 (カラマツ林をなだらかに下る)    (小武川林道登山口)      (小武川林道をたんたんと歩く)

     (ドンドコ沢を渡る)       (ドンドコ沢ルート合流点)          (青木鉱泉)

★道端の花(甲斐駒ヶ岳に記載)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)
(1)北沢駒仙小屋〜高嶺稜線        

(2)高嶺稜線〜青木鉱泉

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       北岳・甲斐駒・南アルプス
・2万5千分の1地形図  仙丈ヶ岳、鳳凰山

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