★ひとこと 「天狗平から急登の梶川尾根を経て展望稜線で梅花皮小屋」
大日岳へ向う稜線から北股岳を望む
★行った日 2008年9月8日(月) 晴 単独
2008年9月9日(火) 晴 単独
★コース
(9月8日)
高槻3:22(名神、中央道、長野道、上信越道、北陸道、日本海東北道)=聖籠新発田IC(R7、R290、R113、県道)=長者原14:00
(9月9日)
長者原5:13(林道)=天狗平駐車場5:30→梶川尾根登山口5:33→7:14(1021m)湯沢峰7:25→8:00滝見場8:05→8:48五郎清水分岐9:04→10:13(1692.3m)梶川峰10:23→11:16(1889m)扇ノ地紙11:42→胎内山11:50→12:14門内小屋12:26→13:43(2024.9m)北股岳14:09→梅花皮小屋14:38
(9月8日)
今週中晴の天気予報なので、かねてより行きたかった飯豊(いいで)山と大朝日(おおあさひ)岳遠征の決行だ。恥ずかしながら寝袋と食糧持参の避難小屋泊まりは初めて故、最も軽い寝袋を購入し(これが失敗)、アルファ米も準備して出発だ。好天なので途中の景色を楽しもうと中央道から上信越道を経て北陸道へ合流したが、中央ア、南ア、北ア、妙高などすべて雲の中で期待を裏切られてしまった。地震災害の影響で柏崎周辺では1車線ののろのろ通行が続いていた。新発田から二王子岳や杁差(えぶりさし)岳を眺めながらR290を通り、R113の小国町の手前から右折して登山口を確認後、飯豊山荘がお休みのため少し戻って長者原の民宿奥川入へ到着だ。この民宿は格安料金のうえ家庭料理が美味しい半農経営の宿だ。
(9月9日)
早朝出発し、林道ゲート前の大駐車場に車をとめ、登山届けを投函していよいよ登山開始だ。湯ノ沢を渡るとすぐ右が梶川尾根登山口だ。初めから急坂が続き、日頃持ちなれない重さのリュックに汗を絞り取られながらゆっくり支尾根を登る。振り返ると眼下に飯豊山荘の赤い屋根が見え、右隣りの尾根筋には丸森尾根の登山道が見えている。広葉樹の大木が散在する尾根の尾の急坂を登りきって少しなだらかな稜線を進むと湯沢峰だ。ここで初めて飯豊山やきょうの目的地の梅花皮(かいらぎ)小屋が遠望できる。少し下って登り返すと滝見場分岐だ。2、3分左へ下ると烏帽子岳から伸びている「くさいぐら尾根」にかかる数段の梅花皮滝と、北俣岳と梅花皮岳との間の鞍部に建つ梅花皮小屋が展望できる。少し登ると五郎清水だ、右へ5分ほど下ると背の高いアザミやアキノキリンソウが咲き誇る谷間に水がある。急坂の尾根筋を登るが、所々でダケカンバが茂る小灌木帯の支尾根なので小国町方面の展望がきき気がまぎれる。急坂は梶川峰で終わり、これから緑のハイマツと笹原と草原の稜線漫歩だ。
(梶川尾根登山口) (尾根の急登が続く) (登山者のカウンター)
(さらに急登が続く) (丸森尾根と並行して登る)
(眼下に見える飯豊山荘)
(広葉樹の尾根を登る)
(湯沢峰から北股岳を望む)
(滝見場)
(滝見場から望む梅花皮滝) (滝見場から望む石転び沢)
(登山道から望む小国町方面)
(岩稜を越える所もある) (見晴らしの良いやせ尾根を行く)(梶川峰から始まる稜線漫歩)
文字通りの緑の絨毯を、右には杁差岳、左には雲間に北俣岳や梅花皮岳を眺めながらの天空散歩だ。飯豊山系は北アや南アの稜線より緑が豊かなだけみずみずしい感じだ。やがて杁差岳から飯豊山を結ぶ主稜線との出合の扇ノ地紙のピークだ。好天に恵まれて、いくら眺めても飽きない飯豊山系のパノラマ展望台だ。明後日に下る予定の台ぐら尾根が飯豊本山から左へ伸びて早く来いと言っている様だ。シーズンであれば花の満ち溢れるような草原の稜線を進み、胎内岳を過ぎると門内小屋だ。タカネマツムシソウ、ミヤマトリカブトなどの夏の花や、シナノキンバイやハクサンフウロなどの残り花が咲き乱れていた。このすぐ先が祠のある門内岳で、これから向う北俣岳へ稜線の道がなだらかに続いている。次のピークが北股岳だ。振り返ると、いま通って来た扇ノ地紙から門内岳へ伸びる稜線がなだらかな緑の尾を引き、前方には梅花皮岳が盛り上がり、その向うに飯豊山や大日岳がたたずんでいた。まさに絶景だ。急坂を下ると梅花皮岳との鞍部にあるのがきょうの目的地、梅花皮小屋へ一番乗りだ。温身平から梅花皮小屋へは雪渓の石転び沢を経て登るのが最短ルートだが、この時期、残雪が危険な状態なので地元ではこのルートを推奨していない。夕方には雲海に浮かぶ寝そべっているような大日岳が眺められた。梅花皮小屋は屋内に清潔なトイレがある立派な避難小屋だ。夜半に外へ出て見ると月齢9の半月が明るかったにもかかわらず、オリオン座の四つ星が明るく、他の星々も眼に突き刺さるように鋭く光っていた。ここで失敗談、避難小屋泊まりが初めての経験のため、マットなしだったので小屋の床面が固くて寝苦しく、またシェラフが薄すぎて夜半に寒くて震えていた。9月の飯豊山は夜半に5℃位に下がるので、重量と容積にこだわり過ぎずにそれなりのシェラフとエアマットは必携だ。
飯豊山系登山口は福島県の川入、新潟県の胎内、山形県の小国に大別されるが、マイカー周回登山は困難だ。小国ルートの大ぐら尾根と丸森尾根または梶川尾根との組み合わせが唯一の周回ルートだ。この3尾根とも急坂だが、大ぐら尾根は長いので下りルートにし、丸森尾根よりも近い梶川尾根から登った。梶川峰から続く稜線は飯豊山系を眺めながら、緑の草原を行くまさに天空の散歩道だ。
(ハイマツ帯の草原を行く) (池塘と杁差岳) (稜線を振り返る)
(ガスッた梅花皮岳と北俣岳) (主稜線へ向って草原を登る)
(主稜線出合が扇ノ地紙)
(門内岳へ向う稜線漫歩)
(門内岳手前の稜線)
(門内小屋)
(門内岳の祠) (通ってきた稜線を振り返る)
(北俣岳)
(北俣岳から西南〜西〜北〜東〜南を望む)
(梅花皮岳へ向う稜線) (鞍部にある梅花皮小屋)
(雲海に浮かぶ大日岳)
ミヤマママコナ(天狗平) ミヤマホツツジ(天狗平) ヤマユリ?(天狗平)
ウド(湯沢峰) エゾアジサイ(湯沢峰) サワアザミ(滝見場)
ゴマナ?(五郎清水) イブキゼリ(五郎清水) マイズルソウ(五郎清水)
ミヤマガマズミ?(梶川峰) コケモモ(梶川峰) ゴゼンタチバナ(梶川峰)
ミヤマトリカブト(門内岳) シナノキンバイ(門内岳) ヤマハハコ(門内岳)
オヤマソバ(門内岳) ミツバツチグリ?(門内岳) イワベンケイ(門内岳)
オトギリソウ(北俣岳) シシウド(北俣岳)
タカネナデシコ(梅花皮小屋)
イワインチン(梅花皮小屋) カンチコウゾリナ?(梅花皮小屋)ハクサンイチゲ(梅花皮小屋)
タカネマツムシソウ(梅花皮小屋)ヒナウスユキソウ(梅花皮小屋)ナンブタカネアザミ(梅花皮岳)
イブキボウフウ?(梅花皮岳) ?(梅花皮岳) イブキトラノオ(烏帽子岳)
クルマバナ(烏帽子岳) オヤマリンドウ(御手洗池) ハクサンフウロ(御手洗池)
アキノキリンソウ(御手洗池) モミジカラマツソウ(御手洗池) ?(御手洗池)
イワイチョウ(御手洗池) オタカラコウ(御手洗池) イブキゼリ?(御手洗池)
ヨツバシオガマ(御手洗池) ウサギギク(御手洗池) イイデリンドウ(御手洗池)
ミヤマヨメナ?(御手洗池) ツリガネニンジン(御手洗池) ヨツバヒヨドリ(天狗ノ庭)
チングリマ(大日岳) ナナカマド(大日岳) ミヤマコゴメグサ(大日岳)
コバイケイソウ(大日岳) ニッコウキスゲ(大日岳) ?(飯豊山)
ハバヤマボクチ(飯豊山) ガクウツギ?(飯豊山) タテヤマウツボグサ(飯豊山)
ウメバチソウ(宝珠山) イワショウブ?(宝珠山) ダイモンジソウ(休場ノ峰)
?(休場ノ峰) イヌトウバナ?(温身平) ヒメジオン?(温身平)
★ルート断面図
★地 図(GPS軌跡)
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 飯豊山
・2万5千分の1地形図 長者原、飯豊山、二王子岳
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