★ひとこと 「朝日鉱泉からブナ林を経て左回りで展望尾根周回」
御影森山西寄りから大朝日岳を望む
★行った日 2008年9月12日(金) 朝のうち雨後曇 単独
2008年9月13日(土) 曇後雨 単独
★コース
(9月12日)
朝日鉱泉5:42→弘法水5:54→鳥原山分岐5:56→P878
6:50→P973 7:10→(992.6m)P992三角点7:30→7:47金山沢7:54→鳥原小屋分岐9:21→9:24鳥原小屋9:32→白滝分岐9:35→古寺鉱泉分岐9:44→10:00(1429.6m,)鳥原山10:15→鳥原山展望台10:17→11:52(1647m)小朝日岳12:16→古寺鉱泉分岐12:39→13:34銀玉水13:44→大朝日小屋14:19→(1870.3m)大朝日岳→大朝日小屋
(9月13日)
大朝日小屋5:24→5:38(1870.3m)大朝日岳5:43→6:38(1609.0m)平岩山6:42→(1484m)大沢峰7:26→水場分岐7:32→7:56P1474
8:00→8:27(1533.9m)御影森山8:35→9:54(1144.0m)上倉山?10:01→水場10:12→吊橋10:57→中つる道合流11:00→鳥島山分岐11:06→朝日鉱泉11:20(林道、県道、R287)=鷹野湯温泉パレス松風(R287、R113、R290、R7)=聖籠新発田IC(日本海東北道、北陸道、名神)=高槻0:24
(9月12日)
屋根を叩く雨音にがっかりしながら起床。部屋で朝の腹ごしらえをしてから、宿の窓から大朝日岳が見えていたので雨があがるのを期待し、暑いので小雨の中をレインウエアーを着ずに傘だけで出発だ。宿の前から小道を下り、滑り易い鉄板の吊橋でこわごわ朝日川を渡る。広葉樹林帯を過ぎて、弘法水で喉を潤してから杉植林帯の山腹を少しトラバースすると中つる尾根道(直進)と鳥原山(右折)分岐だ。広葉樹林の尾根の尾の急坂をジグザグにつけられたなだらかな道で登る。P878とP973との中間のピークで尾根上に達し、後は樹林の尾根をなだらかに進む。右下の谷間には白雲がたなびき、いまも雲中では小雨が降っているようだが尾根上は降り止んでいた。ゴヨウマツの大木が散在する尾根をP992三角点を過ぎて、少し下ると金山沢の渡渉点だ。谷間にはダイモンジソウやオニシオガマが咲いていた。ブナの森を順調に高度を稼ぎ、灌木帯を登り続けると鳥原山湿原の木道が現われる。湿原の途中で直進すると鳥原山だが、左折して霊山朝日嶽神社と鳥原小屋の建つ小高い丘に向う。途中の湿原にはミズバショウのお化けのような巨大な葉っぱが茂っていた。立派な鳥原小屋を後にして、先程の木道分岐点を鳥原山方面に向う。白滝方向を右に分け、更に古寺鉱泉を右に分けて木道を直進する。大朝日岳を映す湿地帯には、いまは目立った草花はないがシーズンには絶好の景勝地になると思われる。ひき続いて少し登った道の右に入ったところが鳥原山三角点だ。小広場のある山頂からは小灌木で囲まれているため眺望はあまり良くないが、少し下った所の鳥原山展望台は大朝日岳と小朝日岳の見晴台だ。この後、大朝日岳には雲がかかりきょう最後の大朝日岳になってしまった。
鳥原山から少し下り、ダイモンジソウやウメバチソウの咲く鞍部の花園を過ぎると小朝日岳の上りだ。東に雲をかぶった蔵王の山並み、背後には鳥原山を見ながらだんだん厳しくなる稜線を登りつめると小朝日岳山頂だ。西にはこれから向う大朝日岳が稜線の先に雲に覆われて立ちはだかっていた。
(朝日鉱泉下の吊橋を渡る) (しばらく植林帯を進む) (鳥原山はここで右折する)
(急坂の後なだらかに進む) (ゴヨウマツの巨木の尾根を行く)
(ブナの巨木の道を下る)
(金山沢を渡る)
(灌木帯を登り続ける)
(湿原の木道が現われる)
(湿原の池塘から鳥原小屋) (湿原の中の木道を行く)
(鳥原山展望台)
(鳥原山を一旦下る) (小朝日岳を登る)
(鳥原山を振り返る)
(小朝日岳) (雲のかかった大朝日岳)
(小朝日岳の住人)
小朝日岳の住人の住むダケカンバの茂るガレ場の急坂を、灌木の幹を掴まえながら下る。古寺鉱泉への道を右に分け、さらに下って少し登り返すと水平な稜線だ。タカネマツムシソウの咲くハイマツの展望尾根をしばらく進むと銀玉水だ。左へ10メートルほど下ると水場があり、今晩の水を給水する。この辺りから雲の中に入り、強風が吹きつける修理地の階段を一歩一歩登る。先の見えない稜線を登りつめると霊山朝日嶽神社奥宮の標柱があり、そのすぐ先が大朝日小屋だ。ここで竜門山から来る道と合流している。ここにはロープで囲まれたお花畑もあり、タカネナデシコやタカネマツムシソウなどが咲いていた。強風が止んできたので大朝日岳山頂まで登ってみたが展望皆無なので、あすの眺望を期待することにした。大朝日小屋は床面に畳表の敷物が敷かれており、また標高も本山小屋より低いので夜半に寒さを全く感じなかった。余談だが、小屋の窓のコーキング処理のための職人が泊まっていたが、遅くまで酔っ払っていたのが騒がしく、また、約20名のツアー登山客が翌朝3時半に起き出したのも大変だった。名古屋から往復夜行バスで大朝日小屋1泊の予定らしく、その強行軍に耐えられるのは若さだと感心した。
(9月13日)
天気予報では午後から雨だ。そのせいか朝日に照らされた峰々は少し霞み、遠望はきかなかった。山頂の方位板の外周に記されてる山々は無理だが、朝日連峰の主だった峰々が認識でき、これから下る平岩山から御影森山に至る稜線や、平岩山から祝瓶(いわいがめ)山に至る稜線が朝日に照らされ朱色に輝いていた。大朝日岳山頂からガレ場の急坂を下り、少し登り返すと平岩山だ。ハクサンイチゲの残り花がまだ咲いていた。振り返るともっこりした大朝日岳がそびえ、祝瓶山へ伸びる稜線が招いている様だ。
(小朝日岳から劇下り) (ハイマツ帯の展望尾根を進む) (銀玉水はこのすぐ左下)
(修理地の階段を登る) (小朝日岳を振り返る)
(強風の稜線を進む)
(大朝日小屋) (視界不良の大朝日岳)
(朝日に輝く大朝日岳頂上)
(大朝日岳から西南〜西〜北〜東北を望む)
(朝日に照らされた縦走路) (大朝日岳を振り返る)
(平岩山三角点)
(平岩山頂上から祝瓶山〜大朝日岳へ伸びる稜線を望む)
平岩山からハイマツの稜線を進む。所々にハイマツの松かさがまとまって堆積しているがホシガラスが種を食べた跡だろうか?。見晴らし稜線をアップダウンしながら下って登り返すと大沢峰で、その少し先に水場分岐がある。左へ100メートルほど下る必要があるらしい。ミヤマトリカブトやハバヤマボクチが咲いているハイマツと笹原稜線の鞍部にはダケカンバと小灌木が繁茂している。さらに下って登り返すと御影森山だ。標柱は真っ黒になって小虫に覆われ、近くで休憩することもできない。振り返ると通って来た峰々の彼方に遠くなった半分雲に覆われた大朝日岳が霞んでいた。道端には綺麗な蛾か蝶が羽を広げていた。頂上から左90度曲がって急坂の尾根を下ってしばらく尾根道を進むと樹林帯に入る。雨が近付いて来そうなのでブナやミズナラの大木の茂る尾根道をひたすら急いで下ったが、とうとう上倉山で降り始めた。山頂のすぐ下の水場を過ぎて、傘片手に高度差約500メートルのブナの大木が林立する急坂尾根をひたすら下り、吊橋を渡ると中つる尾根道と合流する。鳥原山分岐や弘法水を通って吊橋を渡って細い道を上るとツアー客のお迎えのタクシーやマイクロバスが待機していて満杯の朝日鉱泉駐車場だ。帰途、R287沿いの道の駅「白鷹ヤナ公園」の少し南から左に入った所の鷹野湯温泉パレス松風にて汗を流し、小国から新発田経由北陸道で0時を少しまわった頃にICを出るように帰阪した。
森林限界まではブナ林主体の広葉樹が生育し、飯豊山同様に準平原の様なハイマツと笹原の緑の稜線が暖かみのある景観を現出している。3日間快晴の飯豊山の後の大朝日岳だったが、少し雨にたたられただけで、そこそこ見晴らしもよく、1泊ながら奥深い東北の山が実感できた。
(ハイマツの絨毯尾根を行く) (見晴し尾根を進む) (御影森山へ続く稜線)
(大沢峰下の水場表示) (大朝日岳にガスがかかり出す)
(花の多い稜線を行く)
(小虫に覆われた御影森山標柱)(尾根に舞う美しい蛾?蝶?) (稜線を少し下ると樹林に入る)
(ブナ林を行く) (上倉山でとうとう降りだす) (傘をさして巨木の急坂を下る)
(傘をさして巨木の急坂を下る)(吊橋を渡ると中つる道と合流)
(朝日鉱泉から見た大朝日岳)
★道端の花
ダイモンジソウ(金山沢) キツリフネ(金山沢) ?(金山沢)
シシウド(金山沢) ?(金山沢) アキノキリンソウ(金山沢)
ミヤマガマズミ?(鳥原山) ゴマナ?(鳥原山) オニシオガマ(鳥原山)
キンミズヒキ(鳥原山) ?(鳥原山) ?(鳥原山)
イワショウブ?(鳥原山) コケモモ(鳥原山) 白のオヤマリンドウ(鳥原山)
カニコウモリ(小朝日岳) ウメバチソウ(小朝日岳) ミヤマトリカブト(小朝日岳)
コケモモ(小朝日岳) ミヤマコウゾリナ?(小朝日岳) ミヤマヨメナ?(小朝日岳)
タカネニガナ(小朝日岳) タテヤマウツボブサ(銀玉水) クルマバナ(銀玉水)
ヤマハハコ(銀玉水) イワショウブ?(大朝日岳) イブキゼリ(大朝日岳)
ヒナウスユキソウ(大朝日岳) オトギリソウ(大朝日岳) イワベンケイ(大朝日岳)
?(大朝日岳) タカネナデシコ(大朝日岳) タカネマツムシソウ(大朝日岳)
タカネヨモギ(大朝日岳) ハクサンイチゲ(平岩山) ツルリンドウ(大沢峰)
ハバヤマボクチ(大沢峰) ツルリンドウ(御影森山) ?(御影森山)
オヤマリンドウ(御影森山) ヨツバヒヨドリ(御影森山) ?(御影森山)
ガクウツギ?(御影森山) ミズヒキ(朝日鉱泉) ハンカイソウ(朝日鉱泉)
★ルート断面図
★地 図(GPS軌跡)
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 朝日連峰
・2万5千分の1地形図 朝日岳、羽前葉山
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