常念岳(2857m)蝶ヶ岳(2677m)

 

★ひとこと   「三股から常念岳を経て蝶ヶ岳へ紅葉稜線漫歩」

安曇野から常念岳を望む

★行った日   2008年10月2日(木)  晴  単独
          2008年10月3日(金)  晴  単独

★コース
(第1日)
高槻3:11(名神、中央道、長野道)=豊科IC(県道)=8:25三股登山口駐車場8:37→三股8:50→小広場(迂回路分岐)9:15→10:01休憩10:10→11:49 P2207 11:57→P2355 12:37→13:59(2661.8m)前常念岳14:13→常念小屋分岐14:32→常念岳分岐15:18→常念小屋16:02
(第2日)
常念小屋5:30→三股分岐6:41→6:52(2857m)常念岳7:06→8:23P2512 8:34→P2592 9:22→P2462 9:53→10:38蝶槍10:51→蝶ヶ岳三角点11:00→横尾分岐11:06→蝶ヶ岳ヒュッテ11:33→(2677m)蝶ヶ岳最高点11:39→大滝山分岐11:51→12:56蝶沢13:03→まめうち平13:35→力水14:16→三股14:31→14:42三股登山口駐車場14:48(県道、R148、県道)=小谷温泉17:00

(第1日)
 しばらく快晴が続くとの天気予報だったので最短日で登れる紅葉の始まった北アの常念岳から蝶ヶ岳周回だ。豊科ICから県道を西進し、本沢に沿って舗装林道を進むと大阪から約5時間で三股手前の登山口駐車場だ。10台位とまっていたが常念岳へは一ノ沢から登る人が多いようだ。
 駐車場の先のゲートから地道林道をしばらく進むとトイレや水場もある三股登山口だ。橋を渡るとすぐに蝶ヶ岳登山道と分岐して樹林帯の急坂を登る。30分も登ると小広場があって、降雨時に蝶ヶ岳へ向う沢沿いの道が通れない時の迂回路が分岐している。ここから視界のないコメツガ林の急坂をジグザグに延々と登り、やっと樹間から前常念や蝶槍が見えるP2207だ。この辺りから紅葉し始めた広葉樹が増え、短い梯子を上ると見晴らしの良いP2355だ。小灌木帯のガレ場の稜線の先に前常念岳が見えている。足場の悪い岩場の急な稜線を悪戦苦闘して登るが前常念岳はなかなか近付かない。ただ視界が開けているのが救いだが、ガスが出てきて眺望はいまいちだった。やっと避難小屋の赤い三角屋根が石積みの中に見え、その上が前常念岳三角点だ。
 少しなだらかになった稜線を登ると巻道の常念小屋分岐がある。しかし、崩落のため通行止、約1時間遠回りして常念岳頂上直下まで登らねばならなかった。縦走路に合流し、逆光に霞む槍ヶ岳から穂高岳に続く峰々を眺めながら、あす登る道を常念乗越へ下った。常念小屋は、水は一の俣谷から約600メートルポンプアップし、数台ある発電機は本館から離れているため殆ど騒音はなく、乗越にはドコモの携帯用アンテナがあって通話に不自由なく、快適な小屋だ。


(駐車場から三股への林道ゲート)   (三股登山口)       (常念岳と蝶ヶ岳登山道分岐)

   (樹林の急坂を登る)     (蝶ヶ岳への迂回路分岐)     (コメツガ林の急坂を登る)

 (P2207で前常念が見える)  (P2207付近で蝶槍が見える)(黄葉の始まったブナ林を上る)

(P2355の梯子で視界が開ける)(岩場のガレの急坂が続く)     (前常念岳三角点)

  (常念岳への稜線を登る)  (常念小屋への巻道は通行止)   (常念岳へのガレ場を登る)

(常念岳直下の常念小屋分岐)  (常念小屋への急坂を下る)       (常念乗越)

(第2日)
 翌朝、乗越から東に朝焼けの空に浮かぶ浅間山を眺めて、常念岳の急坂を登り始めた。西には槍・穂高連峰が常念岳の影の上に朝日を浴びて赤く染まっていた。常念岳山頂到着時には昼光色になり、さながら北アルプス展望台だ。空気は澄みわたり、逆光の東方を除き山頂の方位板に記された殆どの山々が判別できた。山頂から眺めると蝶ヶ岳までの紅葉に彩られた稜線が美しく伸びているが、実際はアップダウンの厳しい尾根道だ。P2512までは岩稜とハイマツやイヌガヤ?の急なガレ場や岩場を下る稜線だが、それ以降の稜線の鞍部にはダケカンバやコメツガ、ナナカマドなどが茂り、逆光に映える黄葉が素晴らしかった。P2462の鞍部付近の池を過ぎ、コメツガ林を通って登りつめると蝶槍のピークだ。ここも槍・穂高連峰の展望台だが10時を過ぎるとやや霞んできたようだ。振り返ると横長の常念岳がそびえ、特に前常念岳の東尾根が昨日の急登を思い起こさせるように切れ落ちている。

 
  (常念岳への急坂を登る)       (常念岳頂上)      (南アの左に見える富士山)

          (常念岳から東南〜南〜西〜北〜東北を望む)

 (常念岳から展望稜線を下る) (稜線にある岩のモニュメント)  (P2512の展望ピーク)

 
  (鞍部の黄葉ナナカマド)     (P2592への上り坂)        (常念岳を振り返る)

 (P2592付近から見た蝶槍) (鞍部のP2462付近の黄葉)       (蝶槍頂上)

 (蝶槍から見た北穂〜槍ヶ岳)   (蝶槍から見た常念岳)          (蝶槍)

 
 所々草紅葉に染まった平原のような幅広い稜線を南下する。蝶ヶ岳の三角点や横尾分岐をすぎてなだらかにハイマツ帯を登り切ると方位板があって、その下の小屋が蝶ヶ岳ヒュッテだ。その先の丘が蝶ヶ岳最高点で、右へ下ると徳沢だが三股は左へ下る。紅葉の縞模様になった山肌を眺めながらなだらかに下るとすぐに大滝山分岐だ。機会があれば大滝山から徳本峠へ下りたいものだ。分岐を直進して樹林帯を下り、水のない蝶沢を過ぎ黙々と下るとまめうち平だ。コメツガの樹林が発達している所だ。急坂を下り、最後の水場、力水を過ぎて本沢の吊橋を渡り、本沢に沿って下るとやっと三股だ。最後の林道歩きで出発点の駐車場だ。蝶ヶ岳から3時間かかった。あすの雨飾山のため、R148を北上し2時間余で小谷温泉に到着した。
 三股から常念岳-蝶ヶ岳周回コースは1泊2日で行けるルートだ。紅葉は少なかったが蝶ヶ岳周辺が黄葉のシーズンを迎えていた。10月に入ると早朝の空気が澄み渡り、夏山では見られなかった遠くの山々も展望でき、秋の常念岳から蝶ヶ岳の稜線が堪能できた。

 (平地にある蝶ヶ岳三角点)   (草紅葉の蝶ヶ岳の準平原)     (横尾分岐付近)

 (蝶ヶ岳最高点と穂高連峰)      (蝶ヶ岳ヒュッテ)      (蝶ヶ岳から下り始める)

 
   (紅葉の大滝山分岐)     (紅葉し始めた樹林を下る)     (ガレ場の道を下る)

 (蝶沢から見る最後の常念岳)  (まめうち平のコメツガ林)    (急坂をジグザグに下る)

   (最後の水場の力水)      (本沢を渡る吊橋)       (本沢に沿って下ると三股)

★道端の花

     ゴマナ?(三股)        ナギナタコウジュ?(三股)      シシウド(三股)

 ミヤマガマズミ(迂回路分岐)   ゴゼンタチバナ(P2207)     ナナカマド(前常念岳)

   コケモモ(常念岳直下)       カニコウモリ(蝶沢)         ウド(三股)

★ルート断面図
(1)三股〜常念小屋         (2)常念小屋〜常念岳〜蝶ヶ岳〜三股

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       槍ヶ岳・穂高岳・上高地・北アルプス
・2万5千分の1地形図  穂高岳、信濃小倉

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