雨飾山(1963.2m)

 

★ひとこと   「小谷温泉から急登尾根で笹平を経て山頂へ」

荒菅沢から布団菱を望む

★行った日   2008年10月4日(土)  晴  単独

★コース
小谷温泉5:28(林道)=5:38登山口駐車場5:45→木道終点5:58→ブナ平6:35→7:06荒菅沢7:11→8:29笹平8:36→梶山新湯分岐8:43→9:04(1963.2m)雨飾山9:18→梶山新湯分岐9:41→笹平9:47→10:33荒菅沢10:38→ブナ平11:10→木道終点11:37→11:53登山口駐車場12:04(県道、R148、R147=豊科IC(長野道、中央道、名神)=高槻19:00

 雨飾荘から10分位でトイレや休憩所もある大きな登山口駐車場だ。雨飾山(あまかざりやま)は人気の山らしく、快晴の土曜日とあって駐車場は30台位の車で約半分埋まり夫々出発の支度中だ。先行者がまだ少なかったので渋滞もなく歩き出した。
 登山口から少し下ると木道が続いている。大海川に沿って広葉樹の大木が点在する湿地帯が広がり、道端のミズバショウのでっかい葉っぱを見ながら木道を15分も歩くと、いよいよ急坂の山道に入る。途中、崩落して迂回する所もあるがブナの大木が点在する丸太階段の急坂の道だ。約30分、小休止を繰り返しながら急坂を登ると見事な大木のブナが林立している休憩適所のブナ平の小広場だ。湿地帯の木道や木の根の急坂を過ぎ、木蔭の水平道をしばらく進む。突然、前方の視界が開け、眼下に荒菅沢、正面左上に布団菱の岩稜の景観が目に飛び込んでくる。枯れかけたアザミやシシウドの茂る山肌を下ると荒菅沢の渓流だ。沢の上流方向を眺めると、色付きはじめた山肌の上に布団菱の岩峰がそそり立っているのが見事だ。雨飾山頂上は岩峰に遮られて見えない。朝の陰影の強い無人の荒菅沢の景観を眺めつつ沢の水を汲んで一服後、対岸の樹林へ入り込む。初めからガレ場の急坂だ。両側の灌木の枝を掴んだり岩角を手掛かりにして汗を滴らせてしばらく登ると意外に低い森林限界を越えて岩稜の急坂尾根道だ。はるか上方まで白い尾根道が続いているのを見るとうんざりだ。登りつつ振り返ると、登ってきた尾根道が白く輝き、はるか下方には登山口駐車場の車が光り、右には鋸岳のギザギザの岩峰が現われ、左には布団菱下方の紅葉し始めた急な山肌に陽光が反射している。これらを眺めつつ登るとしんどさも和らぐ感じだ。やっと急坂を登り終えると、突然、笹原が広がっている笹平だ。


     (登山口)          (大海川湿地帯の木道を行く)        (木道終点)

   (丸太階段の急坂を登る)     (ブナの並ぶ急坂を登る)      (ブナ平の小広場)

   (湿地帯の木道を行く)   (荒菅沢手前から見える布団菱)       (荒菅沢)

  (山頂まで11ヵ所の里程標)     (樹林の急坂を登る)     (展望尾根の岩稜登りが続く)

  (紅葉の山腹が広がる)       (稜線を振り返る)        (草原が広がる笹平)

 点々と紅葉している縞模様の緑の笹原が広がり、その先に雨飾山が盛り上がっている。名山にふさわしい地形だ。笹平の標柱から北へ金山へ向う道が分岐して北へ急下降しているが、その手前から眺めると鋸山や鬼ヶ面山の左に糸魚川市街が見え、その先に日本海が霞んで広がっていた。雨飾山へ向う緑の平原の道端にはロープでくぎられたお花畑が広がり、シーズンには華やかに彩られる筈だが、いまは草紅葉で葉っぱが赤く染まっている。途中、新潟方面からの登山道、梶川新湯(雨飾温泉)を右に分け、意外に深い笹原の中を進む。雨飾山の上りにかかる手前には、荒菅沢の上部の白い壁が口を明けている。急な斜面を上ると10人も立てば満杯になる岩峰の雨飾山三角点のある南峰だ。丁度、逆光で妙高から戸隠にかけての山塊は霞んでいたが、近くに住んでいれば訪れてみたい鋸岳から鬼ヶ面山、金山から天狗原山などがよく展望できた。数十メートル北には石仏の並んだ北峰があり、五竜岳から白倉岳にかけての北ア北部の峰々や日本海が望めた。山頂を楽しんでいると、ツアー登山を含む沢山の人々がこちらへ向ってきているので山頂を明け渡すべく下山した。下山時はすれ違いが困難な登山道ゆえゆっくり下った。特に、朝は静寂に包まれていた荒菅沢が人で埋まっていたのには驚きだ。駐車場も満杯で道路端にずらりと車が並んでおり、さすが人気の山だと再認識した。帰途、妙高方面へ抜ける林道が通れるので(この道はしばしば不通になる)、まだ早かったので長野方向へ向おうとしたが、残念ながらガソリンが残量不足のため、往路通りに素直に帰阪した。
 雨飾山は湿地帯あり、ブナ林あり、岩峰あり、草原あり、おまけに展望抜群の名山だ。花のシーズンもよいと思われるが、紅葉シーズンもなかなかのものだ。好シーズンには混雑が予想されるので薄暗いうちの出発がお勧めだ。

   (色付くナナカマド)         (笹原の向うの雨飾山)       (笹平を振り返る)

    (荒菅沢を見下ろす)      (雨飾山北峰の石仏)      (雨飾山南峰の三角点)

                  (雨飾山から北〜東〜南を望む)

 (山頂から西へ下る紅葉稜線)     (北ア北部の峰々)      (荒菅沢の大勢の登山者)

★道端の花

    シシウド(荒菅沢)     タテヤマウツボグサ(荒菅沢)    ヤマハハコ(笹平)

  オヤマリンドウ(笹平)      ハバヤマボクチ(笹平)       ノウルシ?(笹平)

   ハクサンイチゲ(笹平)      ナナカマド(笹平)        ナツトウダイ(笹平)

      ?(笹平)            ゴマナ(荒菅沢)      オニシオガマ(大海川木道)

★ルート断面図

★地  図(GPS軌跡)

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       妙高・戸隠・雨飾
・2万5千分の1地形図  雨飾山

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