白山(大汝峰)(2684m)四塚山(2519.5m)白山釈迦岳(2053.2m)


★ひとこと   「室堂から花満開の釈迦新道で市ノ瀬へ」

七倉ノ辻から四塚山を望む
   
★行った日   2009年8月9日(日)  小雨一時曇   単独
 
★コース

室堂5:36→御前峰分岐6:32→中宮道分岐6:38→6:58(2684m)大汝峰7:05→巻道合流7:20→7:43御手水鉢7:53→七倉ノ辻8:11→間違い七倉山8:17→七倉ノ辻8:21→四塚山(2519.5m)直下(北竜ヶ馬場)8:33→七倉ノ辻8:53→10:17水場10:25→11:01白山釈迦岳2053.2m)分岐11:18→11:23釈迦岳南峰11:27→水場12:24→12:44休憩12:51→林道登山口13:08→白山禅定道登山口13:42→車道出合14:02→14:17市ノ瀬14:21(県道)=天望の湯(R157、R416)=福井北IC(北陸道、名神)=高槻20:05

 見通しはよいが昨日と同様風もなく小雨模様だ。暑いので雨具もつけずに傘だけで昨日のお握りを頬張りながら出発だ。ご来光を期待して早朝登山の人々が御前峰(ごぜんがみね)から下山してくる人の列を見ながら大汝峰へ向った。途中の草原から眺めると、南に弥陀ヶ原の彼方に別山が両翼を広げ、西南に荒島岳や経ヶ岳が墨絵のように連なっているのが美しい。昨日通った分岐点で御前峰を右に分け中宮道を進み、次に中宮道を右に、七倉山への巻道を左に分けて大汝峰へ岩場を登る。稜線に出てしばらく岩稜をたどると大汝峰山頂だ。石垣に囲まれた大汝神社が鎮座し、山頂は割合広い広場で緊急避難用の石室小屋も建っている。山頂からは、東に三方崩山の赤茶けた崩壊面の彼方に北アの穂高連峰の稜線が、東南に荒涼とした火口縁の剣ヶ峰や御前峰と雲がかかり始めた別山が、西南に荒島岳や経ヶ岳が雨天にも拘らず望めた。余談だが、広義の白山とは御前峰、大汝峰、別山を指し、夫々、十一面観音、阿弥陀如来、聖観音が祀られているそうだ。

   (御前峰早朝登山者の列)   (小雨の室堂を振り返る)   (岩間道分岐の大汝峰登り口)

             (小雨の室堂出発時に弥陀ヶ原、別山方面を望む)

   (大汝峰へ岩稜を上る)       (大汝峰山頂)       (大汝峰から御前峰と剣ヶ峰)

 

           (大汝峰から北〜東南を望む、三方崩山、北ア方面)

           (大汝峰から東南〜西を望む、荒島岳、越美国境方面)

 山頂から七倉山へ向ってハイマツ帯をなだらかに下る。途中で大汝峰の巻道と合流し、更にハイマツ帯を下る。ガレ場に出て、右に地獄谷と火の御子峰の赤茶けた荒々しい崩壊面を横目に下ると鞍部が御手水鉢(おちょうずばち)だ。造化の妙を感じる名前通りの形だ。七倉山の山腹をなだらかに登り、黄色のミヤマダイコンソウ、桃色のハクサンフウロ、白のコバイケイソウなど多色刷りの花園を過ぎると七倉ノ辻の十字路だ。右が清浄ヶ原を通る岩間道、直進が北竜ヶ馬場を通る加賀禅定道、左が下山路の釈迦新道だ。ちょっと間違えて七倉山へ行くつもりで岩間道から右へ入ったピークで清浄ヶ原を展望し、次に、四塚山(よつづかやま)へ向うべく加賀禅定道を進んだ。一旦下って上り返すと石塚の建つハクサンコザクラやチングルマの群落の広がる草原だ。四塚山は左のハイマツ林の稜線だが、登るには濡れた薮コギが必要だ。また、ルートには立ち入り禁止のロープがあったので山頂は割愛した。再度、七倉ノ辻へ戻り、釈迦新道を下り始めた。

  (四塚山(左)と七倉山へ向う)  (ハイマツ帯をなだらかに下る)  (形が絶妙な御手水鉢)

       (御手水鉢から七倉山(左)と激しい地獄谷の崩壊地(右)を望む)

  (七倉山への花園を上る)   (七倉山の山腹を登り返す) (なだらかな大汝峰を振り返る)

            (七倉ノ辻から清浄ヶ原を通る岩間道を展望)

  (四塚山へ下って登り返す)      (四塚山の塚)     (満開のハクサンコザクラ群落)

 (左上鞍部の七倉辻へ戻る)  (七倉辻から釈迦新道を下る) (見晴し稜線をなだらかに下る)

 滅多に人の通らない静かな釈迦新道の展望尾根をなだらかに下る。標高2300メートル付近で西へ伸びる稜線を離れて南へ急下降する辺りでお花畑が発達し色とりどりの花が斜面を彩っていた。しばらく尾根筋をなだらかに下るが、標高2100メートル地点で南へ急下降する所で再度お花畑があり、赤い毛槍を持った小人の行列のようなカライトソウが群生していた。この辺りが今回のルートで一番の花園だ。尾根の左に湯の谷の流れが白く見え、東にガスのかかった大汝峰が、南には遠くに別山が霞み、殿ヶ池避難小屋もその手前の観光新道の尾根上に望めた。すぐ先の鞍部が右下に水場のある湯の谷乗越だ。ここで雨中を山頂に向う男性2人の単独行に初めて会い雑談。鞍部からなだらかに尾根を登り池の横を通り過ぎると白山釈迦岳の隠された分岐表示がある。小道を少し左へ入るとその先に背丈ほどの笹薮ブッシュの中に踏み跡が続いていた。雨のブッシュは水浴び状態になるので山頂をあきらめ、先程の道の続きを登りきると釈迦岳前峰だ。今回の全ルートが見渡せる見晴し抜群の小広場では、市ノ瀬から登ってきた男女2人の単独行と今夏の天候不順を嘆きながら雑談を交わす。2人は雨のためここから引返すそうだ。

         (赤兎山や経ヶ岳を正面に見ながら稜線をなだらかに下る)

   (花園の稜線を下る)     (白山釈迦岳に向って下る) (メタカラコウ咲く湿地帯を行く)

(妖精の世界カライトソウ群生地) (2千米付近の急坂を下る)    (別山(奥)と湯の谷川)

  (白山釈迦岳へ続く稜線)   (湯の谷乗越近くの水場標識)  (釈迦岳下の池横を通る)

    (白山釈迦岳付近から観光新道→白山→釈迦新道の今回のルート全体を望む)

    (白山釈迦岳分岐)    (雨に濡れた釈迦岳へのブッシュ) (展望のよい釈迦岳南峰)

 山頂から笹原の小灌木帯の急坂をジグザグに下ると標高1800メートル付近で展望尾根は終わり、ダケカンバやオオシラビソなどの樹林帯に入る。すぐに白山特有のブナの大木林に変わり、しばらく見事な木々に見とれながら延々と下ると林道に飛び出す。標識によれば湯の谷川の治山用道路だ。30分ほど林道を下ると、昨日に別当坂出合から合流した越前禅定道の登り口があり、ここから山道を右へ下る。見事な杉の大木が続く越前禅定道を下ると別当出合へ向う県道と合流し、15分ほどで市ノ瀬だ。途中で夫婦のウルトラランナーと出会い立ち話をする。今朝、市ノ瀬をでて山頂を往復したのを聞いて絶句、そのエネルギーにはあきれるばかりだ。帰途、白峰の天望の湯で2日分の疲れを流し、お盆渋滞で1時間余分にかかったが往路通りに帰阪した。
 天候には恵まれない山行だったが花の盛りを迎えた素晴らしい白山を楽しむことができた。特に、観光新道の殿ヶ池避難小屋と黒ボッチ岩間、釈迦新道の七倉山と白山釈迦ヶ岳の間の尾根道のお花畑が最盛期だった。また、釈迦新道は人も少なく静かな白山をエンジョイできる道だ。

  (展望のよい稜線を下る)     (ダケカンバが現われる)    (見事なブナ林を下る)

 
   (大木のブナ林が続く)   (林道登山口が下に見える)     (林道をテクテク進む)

 (禅定道登り口から山道へ)    (杉の大木林を下る)       (バス道の県道出合)

 
      (車道を下る)        (鉄橋を渡れば市ノ瀬)   (やっとフィナーレの駐車場)

★道で出会った花(前日の白山に一括掲載)

★ルート断面図


★地  図


 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       白山、荒島岳
・2万5千分の1地形図  加賀市ノ瀬、白山、中宮温泉、白峰

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