西穂独標(2701m)西穂高岳(2908.6m)


★ひとこと   「西穂山荘から鋭い岩稜を上り下りして独標を越えて西穂高岳」

焼岳へ向う稜線から朝日を浴びる西穂高岳
   
★行った日   2009年9月6日(日)  晴後曇   単独
 
★コース

高槻3:25(名神、東海北陸道、中部縦貫道)=高山IC(R158、R471、県道)=7:39新穂高温泉鍋平登山者駐車場7:45→7:58しらかば平駅8:28(ロープウエー)=西穂高口8:40→9:46西穂山荘10:05→(2452m)丸山10:21→11:15(2701m)西穂独標11:21→11:50ピラミッドピーク11:57→12:54(2908.5m)西穂高岳13:04→13:49ピラミッドピーク13:58→西穂独標14:20→丸山14:57→西穂山荘15:12

 このところ晴天か続いているので北アルプスの大展望を期待して西穂高岳だ。無理すれば日帰りでも可能だが1泊で焼岳にも寄り道して北アの景観を楽しむつもりだ。高山まで高速が延びているので大阪から新穂高温泉まで4時間半だ。中尾温泉経由で鍋平へ向ったが途中の北アルプス大橋を渡る際に真正面にそびえる笠ヶ岳の眺めが素晴らしかった。当初は鍋平の有料駐車場にとめるつもりだったが、その少し手前の大きな無料の登山者駐車場を利用した。ロープウエー駅から有料より少し遠いが、舗装がないだけなのでこちらがお得だ。10台位しか先行車はなくがらがらだった。
 車道を北へ少し進み、鍋平の有料駐車場を過ぎると「しらかば平駅」はすぐだ。定刻の初発は8時45分だが晴の休日とあって登山者が多く8時半の発車だ。刻々と移りゆく景観を楽しむいとまもなく西穂高口駅に着き、千石平園地の整備された遊歩道を西穂へ向った。笠ヶ岳開山の播隆上人の塚の少し先に登山道入口があり登山届けを出す建物がある。しばらく、木道もある水平道を進む。途中の木立越に西穂高岳、ピラミッドピーク、独標が横に並んで望めたが、以降、西穂連峰を横から眺めることはなかった。鞍部を過ぎるとオオシラビソ樹林帯の急坂が続き、主稜線へ右回りで上りきると西穂山荘だ。多くの登山者が憩っていたが宿泊受け付けは13時からなので、サブザックですぐ上る事にした。

    (鍋平登山者駐車場)   (抜戸岳を眺めつつ車道を進む)     (しらかば平駅)

  (ロープウエーから笠ヶ岳)   (千石平園地の遊歩道を行く)    (西穂登山道入口)

 
(西穂(左)ピラミッドP(中)独標(右))   (平坦路を進む)     (オオシラビソの急坂を上る)

    (右へ斜めに上る)        (西穂山荘へ到着)    (リュックをデポして独標へ向う)


 西穂山荘の北の裏山へ直登だ。ハイマツ帯のゴーロ道の急坂を飛び石伝いに上り、少し先のケルンの建つ小高い丘が丸山だ。沢山の人が憩っている丸山からは素晴らしい眺めだ、北にはこれから向う西穂高岳が稜線の向うに頭をのぞかせ、南にはあす訪れる予定の岩山、焼岳が盛り上がっている。丸山からしばらく幅広尾根のハイマツ帯を登る歩き難い石ころ道の急坂だ。稜線が少し東へカーブしている辺りから岩稜帯となり、前方に三角錐のピラミッドピークの手前に台形の独標が望める。慎重に岩場を渡り歩き、岩峰を登りきると10人も居れば満員の独標だ。西穂山荘からの所要時間は西穂高口駅から西穂山荘までとほぼ同時間だ。頂上が人であふれていたのですぐに西穂高岳へ向うべく急な岩稜を下った。

 (焼岳を背にして急坂を上る)  (ハイマツ帯のゴーロ道を上る) (緑の稜線の先が独標、西穂)

                (丸山から焼岳、乗鞍岳方面を望む)

                (丸山から西穂高岳、霞沢岳方面を望む)

   (丸山頂上のケルン)     (歩き難い厳しい上りが続く)  (登ってきた稜線を振り返る)

 
  (谷間に広がる上高地)    (手前のピークが西穂独標)   (だんだん近づく西穂独標)

 (独標から尾根を振り返る)        (西穂独標)          (独標を振り返る)

 急に人の少なくなった鋭い小さな岩峰を越えると、次の三角錐の岩峰がピラミッドピークだ。ガスりだした岩稜を振り返ると独標に沢山の人が見えている。急峻な岩峰を幾つか越え、ひたすら岩角を掴んで上がったり下ったりを繰り返して登りつめ、最後の平らな岩の斜面を登ると西穂高岳山頂だ。これから先は熟練者の世界らしいのでオフリミットだ。ここまでは写真では恐ろしげな所もあるが高所恐怖症でなければ特殊技能は必要ない。山頂はガスに包まれて残念ながら眺望は全く駄目でがっかりだ。ちょっと待ったがガスが晴れないので注意深く下山開始、無人の稜線を戻り、ピラミッドピーク下では白い羽根に生え変わり始めた雷鳥に出会ったりしながら下った。ハイマツ帯のゴーロ道の下りに辟易しつつ下り、丸山を経て西穂山荘へ帰り着いた。山荘からテントサイト越しに夕暮迫る霞沢岳を眺めながら飲む缶ビールは最高だ。夜中に星空を眺めるつもりで外へ出ると、16夜の鋭い月光に照らされた山のシルエットが素晴らしかった。
 このコースの売りは、ロープウエーを利用すれば簡単に楽しめる西穂稜線の独標を経て西穂高岳に至る岩尾根だ。当日はガスのため眺めはいまいちだったが、北には奥穂に続く鋸歯状の岩峰が連なり、南には曲線美の焼岳や乗鞍岳の姿が美しい。


 (途中の小さなピークを越える)   (ガスりだした独標)        (ピラミッドピーク)

  (幾つかピークを越える)      (左端が西穂高岳)      (ひたすら上ったり下ったり)

(ここが最後の難所の平らな岩)     (西穂高岳)          (ピラミッドピークへ戻る)


  (白羽が現われた雷鳥)       (ガスった独標へ戻る)    (歩き難い石ころ道を下る)

   (やっとハイマツ帯へ)      (丸山ピークで一休み)         (西穂山荘へ)

★道で出会った花

    モリアザミ?(千石尾根)  シラヤマギク?(千石尾根)   ミヤマトリカブト(千石尾根)

   ハンゴンソウ(千石尾根)      ヤマゼリ(千石尾根)    イワツメクサ(西穂高岳)

  イワギキョウ(西穂高岳)  ミヤマダイコウンソウ(西穂高岳)   ウサギギク(西穂高岳)

  トウヤクリンドウ(西穂高岳)  カンチコウゾリナ(西穂高岳)  ミネウスユキソウ(西穂高岳)

タカネヤハズハハコ(西穂高岳)  ウメバチソウ(西穂高岳)   イワベンケイ雌株(西穂高岳)

 イワベンケイ雄株(西穂高岳) サラシナショウマ(西穂山荘)    シシウド(西穂山荘)

  オヤマリンドウ(焼岳)       コウゾリナ?(焼岳)     オオバコウモリ(秀綱神社)

    ヤマハッカ?(白水ノ滝)    ゲンノショウコ(登山口)     ゲンノショウコ(登山口)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       槍ヶ岳・穂高岳・上高地・北アルプス
・2万5千分の1地形図  笠ヶ岳、穂高岳

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