立山から北方にひときわ高い山塊が望めるが、それが剱岳から北に伸びた稜線上の毛勝山だ。第1日目は足慣らしに烏帽子山、2日目にメインディッシュの毛勝山、3日目に越中駒ヶ岳を登って帰る予定だ。まず、暗い内に出発予定なので毛勝山の登山口確認のため、魚津ICから片貝川沿いに県道を進み、第4発電所から地道になった悪路林道を経て、片貝山荘と第5発電所のそばを通る。僧ヶ岳登山口のすぐ先で右折して東又谷の橋を渡り、阿部木谷(あぶきたに)に沿って200メートルほど急坂を進み右にカーブする道端に数台分の駐車スペースがある。登山口に数本のテープがあり、地面に小さな標識が転がっていた。毛勝山登山口確認後Uターン、烏帽子山へ向うべく嘉例沢(かれいさわ)森林公園のキャンプ場駐車場に到着だ。なお、魚津から黒部へ向う県道の天神山トンネル手前の交差点にコンビニ(5:30-23:00営業)があるので食料を調達した。
キャンプ場から標識に従って杉林に入り、鋲ヶ岳(びょうがだけ)山頂まで15分の表示に基づき右折して丸太階段を上り、ブナやミズナラの林を緩やかに上ると稜線だ。烏帽子山は右だが、左へ行って鋲ヶ岳をピストンだ。山頂には小さな休憩所もあり、眼下の宇奈月温泉街の彼方に白馬連峰が望める。鋲ヶ岳は誰でもお手軽にアルプス展望が楽しめる所だ。先程の稜線分岐まで戻り、そこから尾根伝いにひたすら南下する。すぐに天池(あまいけ)があるが、モリアオガエル産卵池だそうだが殆ど干上がっていた。電波反射板を過ぎてしばらく進むと「のぞき」と称する所があり、宇奈月温泉街が俯瞰できる。この辺りから急勾配になり、笹原の疎林帯を進み、所によっては右側の魚津の田園地帯が望める所もあるが、生憎、ガスがかかって展望を楽しむことはできなかった。やがてブナやダケカンバがまばらに生える笹原林床の小灌木帯となり、平らな地形を進むがこの辺りが前衛峰らしい。一旦緩やかに下って上り返すと烏帽子山だ。三角点のある山頂の小広場には立派な山名石柱が建っている。山頂からは後立山が望めるらしいがきょうは駄目だった。山頂からそのまま直進すれば、30分ほどで明後日訪れる予定の1280僧ヶ岳登山口だ。
鋲ヶ岳まで元来た道を戻るが、一瞬のガスの晴れ間に三角形の鋲ヶ岳が見えたが、今回は鋲ヶ岳、烏帽子山とも山の全容を見ることができなかった。鋲ヶ岳山頂から北へ下り、先程とは別の電波反射板の所から下るが、霞んだ田園地帯が美しかった。しばらく杉林を下るとキャンプ場駐車場だ。あすの毛勝山に備えて体力を蓄えるべく大谷温泉へ向った。
鋲ヶ岳は嘉例沢森林公園から手入れの行き届いた遊歩道で手軽に登ることができ、後立山の山岳風景が楽しめる。足を烏帽子山まで伸ばせば、僧ヶ岳や駒ヶ岳をはじめ後立の山々も見える筈だ。毛勝山の助走には好適な山だ。
(キャンプ場から遊歩道に入る)
(ブナ、ミズナラ林を上る)
(鋲ヶ岳休憩所)
(鋲ヶ岳山頂から白馬岳方面を望む)
(殆ど干上がった天池) (電波反射板の下を通る)
(のぞきから宇奈月温泉街)
(明るい疎林帯を行く)
(ガスったブナ林を進む) (薮っぽい小灌木帯を上る)
(展望のない烏帽子山三角点)
(ブナ林尾根を戻る) (鋲ヶ岳めざして尾根を下る)
(鋲ヶ岳山頂休憩所) (休憩所から宇奈月温泉) (杉林をキャンプ場へ下る)
★道で出会った花
ツリフネソウ(鋲ヶ岳) クルマバハグマ(鋲ヶ岳) テンニンソウ(鋲ヶ岳)
ミヤマホツツジ(鋲ヶ岳) アキノキリンソウ(鋲ヶ岳) シロヨメナ?(鋲ヶ岳)
サラシナショウマ(鋲ヶ岳) キンミズヒキ(鋲ヶ岳) ゲンノショウコ(鋲ヶ岳)
シシウド(鋲ヶ岳) チングルマ(くわがた池) カライトソウ(くわがた池)
ノリクラアザミ?(くわがた池) キイチゴ(くわがた池) ギョウジャニンニク>(モモアセ山)
ヨツバヒヨドリ(西北尾根) ?(西北尾根) ナナカマド(西北尾根)
ゴゼンタチバナ(西北尾根) オオカニコウモリ(阿部木谷) オオアキギリ(阿部木谷)
ダイモンジソウ(阿部木谷) ヤクシソウ(阿部木谷) ?(前僧ヶ岳)
ヤマゼリ(前僧ヶ岳)
タカネマツムシソウ(前僧ヶ岳) オヤマリンドウ(前僧ヶ岳)
タカネマツムシソウ(北駒ヶ岳) ヤマハハコ(北駒ヶ岳) イチイ?(駒ヶ岳)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 日本アルプス総図
・2万5千分の1地形図 宇奈月
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