毛勝山(2414.4m)


★ひとこと   「阿部木谷東又から急峻な西北尾根で毛勝山へ」

2000メートル付近の稜線から毛勝山を望む
   
★行った日   2009年9月25日(金)  晴後曇   単独
 
★コース

大谷温泉(県道)4:59=忘れ物、大谷温泉(県道、林道)5:18=阿部木谷登山口5:46→尾根端6:34→P1274 7:13→8:02P1479三角点8:08→9:20P1769 9:28→モモアセ池10:22→10:37モモアセ山下10:42→くわがた池11:26→12:23(2414.4m)毛勝山12:42→くわがた池13:06→モモアセ山下13:44→モモアセ池13:55→14:29P1769 14:34→15:21P1479三角点15:27→尾根端16:24→阿部木谷登山口16:59(林道、県道)=大谷温泉

 毛勝山は剱岳から黒部峡谷を介して後立山連峰と対峙して伸びている山脈にある二百名山にリストされた雄峰だ。数年前までは残雪期に阿部木(あぶき)谷の急な雪渓から登られていたが、近年、西北尾根に夏道が開かれたがタフなコースだ。朝、暗い内に大谷温泉を出発したが忘れ物、まだ寝ぼけているらしい。薄明るくなった県道を片貝川に沿って南下、片貝第4発電所から地道林道の悪路をたどり、片貝山荘と片貝第5発電所に渡る橋を右に見て直進だ。僧ヶ岳登山口の先で右折して東又谷を渡り、200メートルほど先で堰堤へ下る工事道を右に分け、その先の右へカーブする所が登山口だ。3台分位のスペースがあってそこに駐車したがテープがあるだけで登山口の表示はない。登山準備中の関東から来た先行車が1台あり挨拶してすぐに出発だ。
 木々の間のしっかりした登山道を数分進むと直ぐにロープ場が現われ、木の根を掴みながら1時間ほど急登すると尾根端だ。急坂の途中で登山口で準備中だった単独男性が元気一杯に追い越していったが僕は年齢を時間でカバーするべくゆっくり登った。ここから傾斜は少し緩くなり、京都北山の芦生(あしう)杉そっくりの立山杉の古木が点在する稜線を根っこを乗越えながら上り続ける。左下には東又谷の砂防堰堤群が見え、木々の間から剱岳から赤谷山、猫又岳、毛勝山、駒ヶ岳、僧ヶ岳、烏帽子山と続く長大な稜線の一部、あす訪れる予定の僧ヶ岳と駒ヶ岳が朝日に照らされていた。立山杉やダケカンバなどの大木を楽しみつつ尾根を上ると朝日がさし始めた草むらの一角に1479メートルの三角点が現われる。ここで、僧ヶ岳登山口付近でテントを撤収していた男性2人女性1人のパーティーに先に行ってもらった。毛勝山にきょう入ったのは僕を含めて5人だけだ。時にはロープ場も現われる尾根道を上り続けると標高1700メートル付近で樹木もだんだんとまばらになって小灌木帯となり、右手前方に大明神山が望め、左には先程の烏帽子尾根の全容が姿を見せていた。

  (第5発電所横の片貝山荘)   (右折して東又谷を渡る)    (リボンが目印の登山口)

  (明確な登山道をたどる)   (ガレのロープ場の急坂が続く) (立派な立山杉の稜線を行く)

 
     (立山杉が続く)      (左下の東又谷の砂防堰堤群)  (歩き難い倒木帯もある)

(稜線から僧ヶ岳(左)と駒ヶ岳(右)) (稜線から滝倉山(右端))    (大木の茂る尾根を上る)


    (P1479三角点)      (1600米付近の急坂を上る)    (稜線から大明神山(右))

          (樹林帯を抜けた1700米付近から長大な烏帽子尾根を望む)

 1700メートル付近から紅葉の始まった小灌木帯の稜線を上ると前方に始めて毛勝山の山頂が姿を見せた。振り返ると登ってきた紅葉尾根の向うに雲がかかり始めた駒ヶ岳がそびえていた。ここで、非常事態時には岩室の代わりになりそうな岩稜もあるオオシラビソの樹林帯に入る。この樹林を抜け、滑り易い草地のトラバース道を過ぎると三角形のモモアセ池もある草地が現われる。シーズンにはお花畑となる所だ。小さな池の点在する標高2000メートルの草紅葉の草原は素晴らしいの一語だ。北方には優美な駒ヶ岳が両翼を張り、その奥には朝日岳や雪倉岳が霞んでいた。モモアセ山近くまで上ると、白馬岳を背景として毛勝山から駒ヶ岳へ続くウドノ頭や滝倉山のごつごつした稜線が俯瞰できる。草原を上りきると峠だがモモアセ山頂上は右手の笹薮の上だ。次にダケカンバの樹林に入り鞍部を過ぎて毛勝山や大明神山の頂部を正面に見ながら急坂の稜線を上る。

(1700米付近の紅葉尾根を上る) (駒ヶ岳を振り返る)    (1800米付近で樹林帯に入る)

(草地のトラバース道の急坂を上る) (モモアセ池の明るい草原)  (草紅葉の草原を上る)

      (2000米付近の草原から烏帽子尾根の彼方に現われた朝日岳を望む)

  (美しい草原を上りつめる) (格好いい駒ヶ岳(右)を振り返る)    (さらに草原を上る)

         (2000米付近から駒ヶ岳に続く尾根の彼方に白馬連峰を望む)

  (モモアセ山の下を上る)    (ダケカンバの森を抜ける)    (毛勝山が頭を見せる)

 小灌木帯の稜線を上りきると再び草紅葉の美しい草原だ。クワガタ池のある大清水(おおしょうず)の草原だ。近くで見るクワガタ池はそうでもないが、少し離れた山腹から望遠で眺めるとクワガタによく似た形だ。この辺りで下山中の先程の男性と逢いごゆっくりですねと言われる。ここから急な草地を上り続けるが、もうバテバテでちょっと登っては小休止を繰り返し、最後に小灌木帯を抜けると山頂だ。山頂直下で下山中の3人パーティーと逢ったので山頂独り占めだ。360度の大展望だが、昼を過ぎると雲が湧きだして期待していた剱岳をはじめ遠くの峰々の同定はできなかった。しかし、雄大な景観の雰囲気は存分に味わえた。山頂でもっとゆっくりしたかったが、登山口近くの急坂で暗くなると恐ろしいので早々に山頂を後にし4時間余かかって明るい内に下山した。
 毛勝山は百名山にランクアップしたい山だ。立山杉やオオシラビソ、ダケカンバなどが標高に応じて姿を見せ、烏帽子尾根が間近に横たわる変化に富んだ西北尾根が素晴らしい。また、2000メートルを越えると後立山を背景に池塘の点在する、シーズンには花咲く高山植物で覆われる草紅葉の草原が美しい。そして、山頂では雄大な景観が待っている簡単には近づけない風格のある雄峰だ。薮っぽい所もあるが明確な登山道が続いているので上りでは迷うことは少ないが、ガスった時の下りは注意が必要だ。

 (オオシラビソの林を抜ける)      (小灌木帯を上る)    (姿を見せた毛勝山と明神山)


  (クワガタ池と草紅葉)          (草原を振り返る)   (最後の急坂をジグザグに上る)

 (雲が上がり始めた白馬連峰)  (山頂付近の草原を行く)         (毛勝山頂上)

          (毛勝山頂上から360度の展望だが、雲がかかってしまった)

 (雲に隠れた西北尾根を下る) (毛勝山と明神山を振り返る)     (モモアセ池付近を下る)

 (1700米付近の紅葉尾根を下る)(立山杉の稜線を下る)      (東又谷の僧ヶ岳登山口)

★道で出会った花(鋲ヶ岳に一括して記載)

★ルート断面図


★地  図
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       日本アルプス総図
・2万5千分の1地形図  毛勝山

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