大無間山(2329.3m)小無間山(2149.6m)


★ひとこと   「井川から小屋泊まりでしんどい針葉樹林尾根を経て山頂へ」

井川雨畑林道山伏登り道から大無間山を望む
   
★行った日   2009年10月10日(土)  雨後曇     単独
          2009年10月11日(日)  曇一時晴   単独
★コース
(10月10日)
高槻3:21(名神、新名神、東名阪、伊勢湾岸道、東名)=静岡IC(R362、県道60)7:00=8:24富士見峠9:00(県道60)=10:04田代民宿(林道)=林道登山口10:30→11:23P1085 11:28→12:30P1402 12:47→14:04小無間小屋
(10月11日)
小無間小屋5:02→P3 5:35→P2 6:07→P1 6:26→7:30(2149.6m)小無間山7:38→大無間山展望ピーク7:58→中無間山8:24→南アルプス展望台9:35→9:47(2329.3m)大無間山10:03→南アルプス展望台10:12→中無間山11:00→大無間山展望ピーク11:27→11:45小無間山11:54→P1 12:39→P2 12:53→P3 13:18→13:42小無間小屋13:51→P1402 14:39→P1085 15:14→15:43林道登山口15:52(林道)=田代民宿

(10月10日)
 光岳から眺めた朝靄に浮かぶ大無間山(だいむげんさん)の姿に魅せられたのが興味の始まりだ。調べると途中に水場もないしんどい山らしく、シュラフ持参の避難小屋泊まりだ。日頃持ちなれない15キロのリュックで体力がもつかどうか心配だ。3連休、晴との予報に基づきいよいよ出発だ。初めて通る広い伊勢湾岸道を経て着いた静岡は降り出しそうな曇り空だ。南ア南部の椹島(さわらじま)へ行く時に通るR362から峠越えの県道60に入ると小雨模様だ。道端の迫力のある臥龍(がりょう)の滝で道草を食いながら富士見峠に着いたときは本降りだ。計画では近くの三ッ峰か七ッ峰から富士山を眺めようとしていたが雨で駄目、七ッ峰の登山口を探しに林道をつめて見たが牧場のような所で終点、正規の登山口は見つからなかった。富士見峠の案内図によれば峠から勘行峰までは遊歩道がある。井川ダムまで下ると雨もあがり、田代までくると晴れ間さえのぞき元気百倍だ。民宿「ふるさと」で登山口の道順を聞き諏訪神社へ向った。神社へ向う林道の途中で登山道と交差している所があるので、その直ぐ先の道路拡幅部に駐車した。水を汲む場合は神社に水場があるそうだ。
 林道横の階段を上り杉林の急坂を少し上ると諏訪神社の鳥居があり、その手前の登山届け提出所の左から山道が続いている。しばらく杉植林帯を上ると高圧線の下の草地を横切り、再度、杉林の道となる。しんどい急坂を僕にとっては馴れない重いリュックにあえぎながら1時間弱登るとやっと尾根端部のP1085だ、一息入れる。ちょっとの間なだらかだが、直ぐに急坂となり古木もある自然林を登り、広葉樹の疎林帯をトラバースしつつ高度を上げると、尾根端から1時間弱でP1402のピークだ。ここから歩き難いガレ場のような自然林の急坂が小無間小屋の建つP4まで続く。大きなリュックを周りの木々や倒木に引っ掛けつつ登山口から3時間半もかかってやっとP4到着だ。テント場に適したピークの広場からは南の視界が開け、大無間山や朝日岳が見えるらしいがきょうはガスで真っ白だ。ピークの先の林間にブルーの小無間小屋が建っている。定員は10人位だが、きょうは2張りのテントも含めてほぼ満員だ。幸い、囲炉裏があり、火を囲みながら談笑する酒の味は最高だ。暗くなるとすることがなく午後6時ごろには皆疲れて寝てしまった。

         (光岳から朝靄に浮かぶ大無間山(右奥)を望む、06年8月4日撮影)

  (県道そばの臥龍の滝)    (富士見峠の遊歩道案内図)    (大無間山の林道登山口)

    (大無間山登山口)        (登山届け提出所)         (杉植林帯を登る)

 
  (高圧線下の草地を横断)     (尾根端のP1085)   (古木もある自然林尾根を登る)

  (広葉樹林をトラバース)      (歩き難い急坂を登る)   (P4に近づくと木々も色づく)


(P4三角点の先が小無間小屋)   (林間の小無間小屋)     (囲炉裏を囲んで楽しい語り)

(10月11日)
 山の朝は早い。4時頃には全員起き出し5時にはヘッドランプをつけてサブザックで出発だ。暗くても狭い尾根道なので迷うことはない。P3で日の出を迎え、P2を過ぎ、P1と小無間山との間の鞍部がガレたやせ尾根だ。正面に小無間山の手前の肩が朝日に輝き、その左に大無間山から南へ伸びる尾根越しに朝日岳の頭が見え、南には大井川東面の山、三ッ峰から天狗石山が屏風のように連なっていた。鞍部からやせ尾根の急坂が続き、小屋から二つピークを越えて、2時間半かかってやっと小無間山頂上だ。シラビソに囲まれた小空間に三角点がある。ここから急坂もない樹林中のなだらかな道が続く癒やしの散歩道だ。南面が切れ落ちた次のピークから大無間山が望めたが遠くは雲の中だ。シラビソの樹林をなだらかに下り、上り返すと直進して北尾根に入り込まないようにトラロープの張られた中無間山だ。稜線を鞍部まで緩やかに下り、ヌタ場もある二重稜線となり、北側の稜線をマークに従って上る。やせ尾根が現われるとこのコース唯一の南アルプス展望台だ。雲に隠れ気味だが光岳から荒川三山まで南ア南部の峰々が望めた。

   (P3で日の出を迎える)  (P1を過ぎて大ガレ鞍部を行く) (前方に朝日に輝く小無間山)

         (P1と小無間山の間の鞍部から南の大井川東面の山々を望む)

  (鞍部から朝日岳を「望む)   (ガレ上の急な稜線を上る)     (急坂の樹林を上る)

  (林間の小無間山三角点)   (並木のような尾根道を下る)  (大無間山が見えるピーク)

 (ガスがとれない大無間山)   (なだらかな樹林尾根を下る)(北の樹間から垣間見える聖岳)

  (何も表示のない中無間山)   (ヌタ場もある二重山稜)     (癒やしの樹林帯を行く)

   (色付く広葉樹もある)        (やせ尾根を行く)        (南ア展望台)

          (南ア展望台から少し雲をかぶった南ア南部の山々を望む)


 南ア展望台を後にしてしばらくシラビソ林を進み、寸又峡からの道を合わせると、その直ぐ先が大無間山だ。ここも樹林に囲まれて視界のない一等三角点広場だ。小屋から5時間弱もかかり、折角しんどい目をして登ってきたがあっけない幕切れだ。往路と同じ経路で下山したが、ガスの薄れたP1手前の鞍部から山伏(やんぶし)の彼方に富士山の基部だけが望めた。綺麗に清掃された小屋で水や食料を消費した軽いリュックをゲットして下山したが、最後に小屋を掃除して出られた方に感謝!。6時間弱かかかってやっと下山した。
 踏み跡の薄い所もあるがテープ目印が律儀に着いているので迷うことはない。遅い僕の足で上り8時間半、下り6時間のしんどい山だった。この山の売りは静かな針葉樹林帯の山旅だが、重いリュックを背負ったお蔭で避難小屋での囲炉裏端の語らいが素敵だった。
 
  (シラビソ林を登りつめる) (樹林中の大無間山一等三角点) (左は寸又峡、右へ戻る)
 
 (樹林中の鮮やかな紅一点)   (樹林中を黙々と下る)         (中無間山まで戻る)

  (癒やしの樹林帯が続く)     (やっと小無間山まで来た)     (目前のP1ピーク)

 
 (ガレ場の上を慎重に下る) (山伏の右の雲に隠れた富士山) (やせ尾根がしばらく続く)
 
(ロープ場もあるP1、2、3越え)  (テン場に好適なP4広場)  (やっと林道登山口に下り立つ)

★道で出会った花(山伏も一括記載)

   ツルリンドウ(高圧線下)    リュウノウギク(小無間山)  ヤクシソウ?(林道登山口)

    フジアザミ(雨畑林道)       ?(ヨモギ沢頭)       イワギキョウ(新窪乗越)

    オヤマリンドウ(大谷嶺)    ヤマハハコ(大谷嶺)      ヤマゼリ(雨畑林道)

★ルート断面図


★地  図
(1)田代〜P1

(2)P1〜大無間山
 
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       塩見・赤石・聖岳
・2万5千分の1地形図  畑薙湖

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