針ノ木岳(2820.6m)


★ひとこと   「裏銀・読新第1日:扇沢から針の木雪渓で針ノ木岳へ」

蓮華岳から針ノ木岳(中央)を望む

★行った日   2010年7月19日(月祝)  晴   単独
 
★コース

(第1日)
高槻4:00(名神、中央道、長野道)=豊科IC(R147、県道45)=8:46扇沢9:00→針の木登山口9:27→10:15大沢小屋10:24→11:08雪渓登り口11:15→水場13:24→14:57針ノ木峠15:35→16:44(2820.6m)針ノ木岳16:51→針ノ木小屋17:25

 今年の梅雨は先週末で劇的に終わり、しばらくお日様マークが並んだのでかねてから念願の北ア空白部分に遠征だ。扇沢から針ノ木雪渓を登り、蓮華岳、船窪小屋を経て烏帽子岳から裏銀座コースに入り、水晶岳から赤牛岳を通る読売新道で黒部湖に至る5泊6日の周回コースだ。このコースは水場が極端に少ないのが要注意点だ。第1日は扇沢から針ノ木雪渓を登り、針ノ木岳をピストンの計画だ。5泊も連続して山小屋で泊まるのは久しぶりなので余分な荷物を省略したつもりでも水なしで12キロのリュックになり、体力がもつかどうか不安を抱えて出発だ。大阪を早朝に出発し、扇沢の無料駐車場にどうにか滑り込むことができた。
 かんかん照りのバスターミナルを通り、林道ゲート横で登山計画書を提出して、うっとうしい山道を敬遠して見晴しの良い歩き易い車道を歩く。出発して30分で針ノ木岳が正面に見える登山口だ。樹間から蓮華岳やスバリ岳をちらちら眺めながら樹林帯をアップダウンを繰り返しながらなだらかに登る。赤沢の仮設橋を渡ると大沢小屋はすぐだ。道端に小屋創設者の百瀬新太郎のレリーフがあり、「山を想えば人恋し/人を想えば山恋し」と刻まれている。小屋を過ぎるとすぐに雪渓の左岸に沿って岩稜を進む。雪渓末端崩壊部が過ぎて安定した雪面になって、赤く着色した線の手前で登山者達がアイゼンを着脱している。初めは緩斜面なので周囲を見回しながら余裕をもって歩を進めたが、だんだん勾配が厳しくなるに従って小休止の回数が増えてくる。雪渓を登りだして1時間あまりで、雪渓の下の流れが外に現れている水場だ。あと船窪小屋まで水場がないので3リットル汲んだのが運のつき、ここからの急勾配と重荷に耐えかねて、10メートル進んでは小休止を繰り返しつつ水場から1時間半もかかってバテバテになってやっと針ノ木峠到着、小屋のベンチで放心状態だ。僕にとって15キロは積載量超過だ。

   (扇沢バスターミナル)    (ゲート横で登山届け提出)   (赤沢岳を見ながら林道を行く)

(針ノ木岳を正面に見る登山口)     (樹林帯を進む)       (左側に見える蓮華岳)

  (赤沢を仮説橋で渡る)     (大沢小屋創設者のレリーフ)     (雪渓末端部)

 (雪渓左岸の岩稜を登る)   (初めはなだらかな雪渓を登る)  (雪渓登り口を振り返る)

 (途中で振り返ると続々人が)   (だんだん厳しくなる上り坂)  (マヤクボ沢に入らない様に)

  (数人がたむろする水場)   (水の重さと急勾配でバテバテ)   (やっと針ノ木峠到着)

 針ノ木峠から北を眺めると、遠くは雲の中だが爺ヶ岳から針ノ木岳へ続く稜線が連なり、南にはこれからたどる蓮華岳から不動岳へ続くアップダウンの厳しそうな稜線が鮮やかだ。30分も休むと身体も軽くなり、そのうえ空身だと元気百倍、何も持たずに針ノ木岳へ出発だ。やせ尾根の急坂をしばらく登ると勾配も緩くなり、残雪を横切ったりしながら、蓮華岳を振り返りつつ稜線を1時間ほど登ると針ノ木岳頂上だ。頂上付近の岩陰にはお花畑が広がり、妖精の帽子のようなミヤマオダマキが風に揺れていた。山頂は北ア中部の360度の展望台だ。足下に5日後に通る予定の黒部湖がちょっと濁った色の水をたたえ、周りには名だたる峰々が林立していた。小屋の夕食の時間があるのであまり長居せずに針ノ木峠へ下った。
 前回訪れたのは爺ヶ岳から稜線伝いに来たので針ノ木雪渓を登るのは初めてだ。今年の積雪は多く峠まで夏道は現れず最後まで雪面だ。見た目は涼しそうで歩き易そうだが、下から登ると徐々に勾配がきつくなるので初めは精力を残してゆっくり登ることだ。北アの中部に位置する針ノ木岳は名だたる山々の展望台だ。

             (針ノ木峠から北方の爺ヶ岳からの縦走路を望む)

              (針ノ木峠から南方のこれからたどる縦走路を望む)

(針ノ木峠から西の稜線を登る)  (針ノ木小屋を見下ろす)     (雪渓の残る斜面を登る)

 (スバリ岳横から見える剱岳)   (振り返ると端正な蓮華岳)     (針ノ木岳三角点)

               (針ノ木岳360度の景観、北〜東〜南〜西〜北を望む)

 (山頂に咲くミヤマオダマキ)  (帰りに通る黒部湖を見下ろす)  (針ノ木小屋へ戻る)

★道で出会った花

    クガイソウ(大沢小屋)    ヤマブキショウマ(大沢小屋)   キヌガサソウ(大沢小屋)

  トリアシショウマ?(大沢小屋)      ?(大沢小屋)          ニガナ(大沢小屋)

     ニガナ(大沢小屋)       カラマツソウ(大沢小屋)     イワカガミ(大沢小屋)

    ウサギギク(針ノ木峠)       イタドリ(針ノ木峠)       オオカサモチ(針ノ木峠)

  ミヤマダイコンソウ(針ノ木峠)    チングルマ(針ノ木峠)     ミツバオウレン(針ノ木峠)

   シナノキンバイ(針ノ木岳)   アオノツガザクラ(針ノ木岳)   ヨツバシオガマ(針ノ木岳)

  ミヤマクワガタ?(針ノ木岳)   ミヤマオダマキ(針ノ木岳)     イワオウギ(針ノ木岳)

    イワベンケイ雄(針ノ木岳)  イワベンケイ雌(針ノ木岳)    ミヤマシオガマ(針ノ木岳)

   イワツメグサ(針ノ木岳)      クモマスミレ(針ノ木岳)      ツガザクラ(針ノ木岳)

 タカネヤハズハハコ(針ノ木岳) ハクサンシャクナゲ(針ノ木岳)    ナナカマド(針ノ木峠)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       鹿島槍・五竜岳
・2万5千分の1地形図  黒部湖

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