北岳(3192.4m)
★ひとこと 「白峰三山第1日:広河原から八本歯のコルを経て北岳へ」
間ノ岳中腹から北岳を望む
★行った日 2010年8月22日(日) 晴後曇
単独
★コース
(第1日)
芦安温泉4:36(南アルプス林道)=4:46市営駐車場4:57(乗合タクシー)=5:56広河原6:01→白根御池小屋分岐6:29→7:28休憩7:35→8:28二俣8:40→9:06休憩9:17→11:36八本歯のコル12:00→稜線出合13:04→13:30(3192.4m)北岳13:47→14:08稜線出合14:18→北岳山荘15:02
訪れるのは甲斐の国の名山、白峰(しらね)三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)だ。大樺(おおかんば)沢を通って八本歯のコルから北岳、間ノ岳、農鳥岳を経て大門(だいもん)沢へ下る計画だ。芦安温泉を早朝出発、晴れの日曜日とあってバス停に最も近い満杯の芦安市営駐車場に滑り込みセーフ、始発バスより早い乗り合いタクシーで出発だ。バスより100円高いだけで楽だ。夜叉神(やしゃじん)峠のゲートが開く5時半を待って何台も連なって峠から広河原へ出発、6時前に広河原バス停に到着だ。
朝日に輝く北岳を見上げながら野呂川上流方向へ少し進み、吊橋を渡って広河原山荘の横が登山口だ。大樺沢の樹林帯の中の河原のような岩角の道を30分も登り、白根御池小屋への道を右に分け沢沿いに進む。一度、右岸に渡って崩壊地を迂回してから左岸に戻った辺りから小木と草地の見晴しのよい河床の道となり、前方に北岳が姿を見せ、振り返ると鳳凰山の地蔵岳と薬師岳が逆光に霞んでいた。何人も先に行ってもらって、広河原から2時間半もかかってやっと二俣だ。これからしんどい左俣の急坂が待っているので軽食付き一服だ。右俣を右に分け、歩き難い沢沿いの急坂だ。上流に残雪の見える沢筋を登るが、景色が大きいのであまり急坂には見えないがしんどい限りだ。遠くから見ると小さな残雪だが、そばまで来ると意外に大きな雪原だ。立ちはだかるバットレスを眺めながら休み休みゆっくり登り、やっと残雪帯を通り越しガレ場を一歩一歩慎重に登る。横の大岸壁の上辺には数人のクライマーが取り付き、振り返ると鳳凰山がだいぶ低くなってきたようだ。やがてダケカンバがまばらに生えた小さな尾根にハシゴが現れる。急なハシゴを連続して登るが息が上がってしまって度々休まないと足が動かない。年齢に応じてゆっくり登ることを自分に言い聞かせつつ手足を動かす。ハシゴ場を過ぎると、二俣から標準2時間の所を3時間もかかってやっと八本歯のコルだ。大絶景を期待したが昼が近づくとガスが上がってきて、霞んだ景色になってしまった。
(広河原を吊橋へ向かう) (広河原から北岳を見上げる)
(野呂川の吊橋を渡る)
(大樺沢の樹林帯を登る) (大樺沢の清流に沿って進む) (草花の多い大樺沢)
(大樺沢を右岸へ渡る)
(沢の河床から望む北岳) (鳳凰山を振り返る)
(二俣)
(残雪めざして左俣左岸を登る)(近づくと意外に大きな残雪帯)
(しんどいガレ場の急坂) (立ちはだかるバットレス) (とうとう残雪帯を越える)
(歩き難い急坂が続く)
(だんだん低くなる鳳凰山) (クライマーのいる大岸壁)
(連続するハシゴが始まる)
(次々に現れるハシゴ) (ずっと続くハシゴ場)
コルから八本歯の頭を背に岩尾根を登り、北岳山荘へのトラバース道を左に分け、さらに花の多い支稜を登ると主稜線出合だ。あまり見かけたことないこの辺りの岩稜に咲く黄色い花はキンロバイと言う極小の木だ。稜線には岩稜の間に満開の花園が点在し、白のミネウスユキソウ、ピンクのタカネナデシコ、白い綿帽子のようなタカネイブキボウフウ、紫のキタダケトリカブト、緑のイワベンケイなど色とりどり百花繚乱だ。少し稜線を登ると日本第2位の高峰の北岳だが、視界がないので早々に山頂を後にした。ガスの合間に中白根山をちらちら眺めながら、間ノ岳方面へ下ると北岳山荘だ。
北岳山頂に昼過ぎに着いたためガスが湧き、展望は望めなかったが山頂の稜線付近のお花畑が素晴らしく、また、八本歯のコルへの上りはしんどかったが、バットレスや鳳凰山の眺めが雄大で良かった。なお、本コースはだんだん急坂になるのでゆっくりをモットーに着実に登ることだ。余談だが、芦安へ向かって南アルプス市を西進中、途中の農園で桃を土産に買おうとしたが帰りが3日後になるため下山時に買うことにした。農園の親切な小母さんがプラムを山へもって行きなさいと数個持たせてくれたが、これが大当たり、しんどい時に食べると、甘酸っぱい味が疲れを吹き飛ばす感じだった。
(ガスりだした地蔵岳オベリスク)
(この先が八本歯のコル) (八本歯のコル)
(岩稜に咲くタカネビランジ) (岩稜に咲くミネウスユキソウ) (岩尾根からコルを見下ろす)
(八本歯のコルから大樺沢、鳳凰山を望む、右は池山吊尾根)
(稜線出合から北岳山荘)
(花の多いガレ場を登る) (岩稜に咲くキンロバイ)
(岩陰にある満開の花園) (岩尾根を登る)
(北岳山頂)
(標高2位の北岳) (山頂を後に下り始める)
(ガスった稜線を下る)
(近づく北岳山荘)
(北岳山荘) (晴れ間に飛来した運搬ヘリ)
★道で出会った花
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 北岳・甲斐駒
・2万5千分の1地形図 仙丈ヶ岳、鳳凰山
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