中白根山(3055m)間ノ岳(3189.3m)西農鳥岳(3050m)農鳥岳(3025.9m)


★ひとこと   「白峰三山第2、3日:間ノ岳から農鳥岳を経て大門沢へ」

間ノ岳中腹から農鳥岳を望む

★行った日   2010年8月23日(月)  晴後曇午後雷雨   単独
          2010年8月24日(火)  晴一時曇   単独
★コース

(第2日)
北岳山荘5:24→6:03(3055m)中白根山6:07→7:08(3189.3m)間ノ岳7:25→三国平分岐8:10→8:20農鳥小屋8:43→(3050m)西農鳥岳9:40→10:26(3025.9m)農鳥岳10:55→下降点11:10→大門沢分岐11:36→12:40休憩12:50→大門沢小屋14:08
(第3日)
大門沢小屋5:15→丸太橋5:24→丸太橋5:36→丸太橋(太古森沢)6:24→吊橋6:47→発電所取水口6:49→吊橋6:56→大堰堤横6:59→吊橋7:04→林道始点7:06→登山案内小屋7:11→7:30第1発電所バス停8:07(バス)=8:50広河原9:07(乗合タクシー)=9:50芦安市営駐車場(白峰会館)10:40(県道20、中部横断道、R52、R1)=清水IC13:00(東名、伊勢湾岸道、東名阪、新名神、名神)=高槻17:50

(第2日)
 きょうは白峰(しらね)三山後半の間ノ岳、農鳥岳を経て大門沢へ下るルートだ。夏山は8時を過ぎるとガスが湧き出し、午後2時を過ぎると雷雨、が普通なのでできるだけ早く出発し、降りだす前に小屋へ滑り込む計画だ。日の出前の北岳山荘から眺めると、雲海に富士山が浮かび、雲海には積乱雲の卵があって、午後は天気が怪しくなる感じだ。しかし、北岳から間ノ岳に続く快晴の3000メートルの稜線は涼しく快適だ。
 早朝、北岳山荘を出発、中白根山から間ノ岳へ続く海抜3000メートルの稜線漫歩だ。中白根山から振り返ると端正な北岳が尾根続きにそびえ、そのすぐ左の仙丈ヶ岳の山頂の彼方に槍・穂高連峰が望めた。中白根山からなだらかな稜線をたどると平地の小高い岩頭に頂上標識の建つ間ノ岳だ。早朝は透明度が高く、南にはこれから向かうずんぐりした牛のような農鳥岳の彼方に赤石岳など南アルプス南部の山々がひしめき、西には中央アルプス、北には北岳の左の仙丈ヶ岳が存在感を示し、右には鳳凰三山が立ちはだかっている。いくら眺めても見飽きない山頂を後にし、熊ノ平や仙塩尾根に通じている三峰(みぶ)岳を右に分け、農鳥岳を正面に見ながらガレ場の急な稜線をジグザグに下る。三国平への巻道を右に分けると農鳥小屋はすぐだ。

    (北岳山荘を出発)        (雲海の富士山)       (中白根山の稜線を登る)

         (北岳山荘前から間ノ岳から北岳、東南〜南〜西〜北を望む)

   (中白根山から北岳)       (中白根山頂上)       (中白根山から仙丈ヶ岳)

(仙丈ヶ岳をアップ・北アルプス)   (中白根山から間ノ岳へ)        (間ノ岳頂上)

           (間ノ岳頂上から塩見岳方向、東南〜南〜西〜西北を望む)

            (間ノ岳頂上から北岳方向、西北〜北〜東を望む)

     (間ノ岳三角点)      (間ノ岳から農鳥岳方向へ下る)  (三国平分岐付近を下る)

 8時を過ぎるとガスが湧き出し、時々日差しを遮ってくれるので助かる。小屋前で水分補給後、いよいよ西農鳥岳の上りだ。小屋から標高差200メートル程度だが、ガレ場の急坂もあるのでしんどい上り坂だ。左が切れ落ちた稜線に達し、尾根伝いに進むと最も高いピークが西農鳥岳らしいが表示はない。前方に見える農鳥岳のピークめざしてなだらかなアップダウンを繰り返しながらねじれた稜線を進む.。沢山の人が憩っている農鳥岳山頂から塩見岳方面のガスが晴れ、仙塩尾根先端に立派な山容が眺められた。山頂から稜線を少し下ってから、尾根の東側の草花の多い斜面を下ると鐘の下がった櫓の立つ大門沢下降点だ。ここから稜線と別れてハイマツ帯の急斜面を下る。やがて森林帯に入り、ダケカンバやコメツガ林の歩き難い岩塊の急坂を下る。歩き難い道に飽きた頃に、左下に大門沢の源流が見え、以降、沢に沿って下る。正面には一昨日登った櫛形山が薄く見えていたが富士山は雲の中だ。大門沢河原の水場を過ぎ、だんだん暗くなってきた空模様を気遣いながら右岸をどこまでも下るとやっと大門沢小屋だ。小屋に着いてしばらくすると突然の雷雨だ。ちょっといそいで下ったお蔭で幸運にも濡れなかった。なお、大門沢小屋には温水シャワーがある(4分間500円)。

  (西農鳥岳へ稜線を登る)     (農鳥小屋を振り返る)      (西農鳥岳頂上付近)

   (間ノ岳を振り返る)       (農鳥岳へ稜線を行く)        (農鳥岳頂上)

    (農鳥岳三角点)         (山頂から稜線を下る)     (稜線下の斜面を下る)

  (花の多い斜面を下る)      (大門沢分岐点の鐘)     (小木帯をジグザグに下る)

   (ダケカンバの森を下る)      (コメツガ林を下る)       (大門沢の源流付近)

    (大門沢の水場)      (富士山は雲、櫛形山のみ)       (沢に沿って下る)

      (樹林を下る)          (大門沢小屋)        (雷雨の後の櫛形山(左端))

(第3日)
 大阪は今の時期5時過ぎでないと薄明るくならないが、ここはヘッドランプなしで4時半頃から行動開始可能だ。5時前の朝食後、小屋の裏から沢に沿って下るが昨日の雨で濡れている滑りやすい岩角に注意して下る。すぐに左岸に渡る手掛かりのない丸太橋だ。二本の丸太に所々欠けた朽ちた横木の付けられた橋は滑り易すそうだ。先行の10人位の外国人のパーティーが一人ずつザイルをわたして渡っているので大渋滞だ。ここで8時の奈良田発広河原行きのバスをあきらめゆっくり下ることにする。やっと順番が来て、流れを見ないようにして足元に集中してこわごわ渡る。先行パーティーに先に行かしてもらって、以降、快調に下ることができ8時のバスがゲットできた。次の丸太橋を渡ってから右岸の山腹を高巻き、大古森沢の丸太橋を渡って右岸沿いをしばらく下ると最初の吊橋が現れ、発電所の取水口横を通る。この辺りから手すりのある整備された道となり、さらに2本吊橋を渡ると左岸沿いの林道出合だ。登山案内小屋を経て30分も林道を歩くと第1発電所バス停だ。しばらく待ってやってきたバスで広河原へ、さらに乗り合いタクシーで芦安市営駐車場に意外に早く帰り着いた。開場を待って白峰温泉で汗を流し、沿道の農園で最終の桃の土産を買って、身延まわりで東名で帰阪した。
 北岳から間ノ岳へ伸びる3000メートルの稜線歩き、間ノ岳から農鳥岳を正面に見ての稜線下り、西農鳥岳から農鳥岳へのねじれ稜線歩き、などが印象に残る尾根歩きだ。また、早朝の中白根山から眺める南ア南部の山々、富士山をはじめ中アや北アの遠望、仙丈ヶ岳、北岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山など、まさに山々の展望台だ。大門沢もしんどい歩き難い急坂が続くが、しっかりした道があるので変化のある沢の景色を楽しむことができる。また、アプローチ経路の南アルプス市は桃、プラム、葡萄の産地でもあり、季節感あふれる土産に事欠かない。

  (滑りやすい丸太橋を渡る)  (手掛かりのない丸太橋が続く)   (小さい尾根を高巻く)

   (最初の吊橋を渡る)        (発電所取水口)    (手すり付き整備された道になる)

    (最後の吊橋を渡る)          (大堰堤)           (登山案内小屋)

     (林道を下る)        (合流点近くのゲート)       (第1発電所バス停)

★道で出会った花

   イワツメグサ(中白根山)    タカネヒゴダイ(西農鳥岳)   イワベンケイ雌株(西農鳥岳)

  イワベンケイ雄株(西農鳥岳)   トウヤクリンドウ(農鳥岳)   ミヤマダイコンソウ(農鳥岳)

    イタドリ(農鳥岳)        アキノキリンソウ(農鳥岳)    ヨツバシオガマ(農鳥岳)

   ハクサンイチゲ(農鳥岳)     カンチコウゾリナ(農鳥岳)    エゾシオガマ(農鳥岳)

   イブキボウフウ(農鳥岳)     イワオトギリ(農鳥岳)       ウサギギク(農鳥岳)

  タカネヤハズハハコ(農鳥岳)   ミヤマコウゾリナ(農鳥岳)     ホツツジ(農鳥岳)

   イワギキョウ?(農鳥岳)    ミヤマコゴメグサ(農鳥岳)    ハクサンフウロ(大門沢)

   イブキゼリ?(大門沢)    タカネグンナイフウロ(大門沢)   オオカサモチ(大門沢)

   サラシナショウマ(大門沢)    セリバシオガマ((大門沢)     オタカラコウ((大門沢)

   カニコウモリ(大門沢)      キタダケトリカブト(大門沢)     キオン?((大門沢)

   センジュガンビ(大門沢)      ヤマボクチ(大門沢)      シモツケソウ(大門沢)

   ヤマルリトラノオ(大門沢)    トモエシオガマ(大門沢)      シロヨメナ?(大門沢)

    ハンゴンソウ(大門沢)     ホソバトリカブト(大門沢)   コウシンヤマハッカ?(大門沢)

   カワミドリ?(大門沢)        ヨツバヒヨドリ(林道)     ミツバオウレン?(林道)

        ?(林道)          マツヨイグサ(林道)       ツリフネソウ(林道)

★ルート断面図
(1)北岳山荘〜大門沢小屋                   (2)大門沢小屋〜奈良田


★地  図
(1)北岳山荘〜大門沢小屋

(2)大門沢小屋〜奈良田

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       北岳・甲斐駒
・2万5千分の1地形図  間ノ岳、夜叉神峠

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