安平路山(2363.1m)摺古木山(2168.5m)


★ひとこと   「大平から悪路林道を経て展望の摺古木山と笹原尾根で安平路山へ」

摺古木山から中央アルプスを望む

★行った日   2010年9月26日(日)  晴後曇   単独
 
★コース

中津川5:41(R19、R256、県道8)=大平6:36(東沢林道)=(悪路7.8km)=7:17登山口トイレ前7:30→展望台分岐8:17→展望台8:47→9:10(2168.5m)摺古木山9:17→10:19白ビソ山10:28→避難小屋10:54→(2363.1m)安平路山11:48→12:20避難小屋12:27→白ビソ山12:58→13:49摺古木山13:55→展望台分岐14:17→登山口14:51→14:54登山口トイレ前15:00(東沢林道)=大平15:38(県道8、R256、R19)=中津川IC(中央道、名神)=高槻20:43

 数年越しの懸案だった中央アルプス南端の安平路山(あんぺいじやま)だ。中津川からR19を経てR256を進み、南木曾岳(なぎそだけ)分岐の蘭(あららぎ)を過ぎて細いくねくね道の大平(おうだいら)街道に入り、大平峠を過ぎてしばらく下ると大平廃村だ。中津川から1時間だ。ここから東沢林道で登山口まで7.8キロだ。約1キロを過ぎると舗装が切れ最悪の林道が始まる。僕の車はFRの普通セダンのため2度ほど車の底を擦りながら40分かかって口がからからになるほど緊張しながらやっと登山口だ。先客が6台あって駐車余地がないためトイレの前の拡幅部までバックだ。僕の経験では、2度と通りたくないワースト1位は三重県の高峰山の矢ノ川(やのこ)林道、2位は群馬県の皇海山(すかいさん)の栗原川林道、3位はここだ。
 今朝、山梨県から来られた数人の登山グループとともに出発だ。登山口から直ぐに急坂だが、間もなくなだらかなトラバース道となり、朝露を含んだ笹が茂る道をべちゃべちゃになりながら歩く。本当は下だけ雨具を着けるべきだが、晴天なので直ぐ乾くと予想して不精した。カラマツ並木の水平道からは左にアザミ岳、後には恵那山が青空に浮かんでいた。展望台分岐で摺古木山(すりこぎやま)直登コースを右に分け、笹原を直進だ。この辺りから地面が見えない位に笹が繁茂し、下半身はズブ濡れだ。わずかに色付き始めたカラマツやドウダンツツジと緑の笹原とのコラボが美しい。庭園のような丘を登りきるとちょっとした広場の展望台だ。東方の南アルプス南部〜南方の恵那山まで木々の梢の上から望めた。笹原をなだらかに登ると摺古木山ピーク手間の左手に岩頭があり、御嶽山〜乗鞍岳〜北アルプス〜中央アルプスの素晴らしい景観が楽しめる。摺古木山三角点広場の樹間から東に南アルプスが望めた。

       (大平廃村)          (東沢林道入口)        (休憩舎横の登山口)

  (恵那山を眺めつつ登る)  (カラマツ林の山腹水平道を行く)  (アザミ岳を振り返る)

      (展望台分岐)       (色付き始めたカラマツの道)  (色付き始めたツツジの道)

             (展望台から南アルプス南部と恵那山を望む)

(周りの木々が成長した展望台)   (摺古木山へ向かう)       (ピーク手前の岩頭から)

    (摺古木山ピーク手前の岩頭から御嶽山〜乗鞍岳〜北ア〜中央アルプスの大展望)

                 (摺古木山ピークから南アルプスを望む)

 山頂から急坂を下ると笹深い林床にオオシラビソが点在するなだらかな稜線だ。木の間からは御嶽山が優美な姿を見せ、また、乗鞍岳の右に槍・穂高連峰が青空に浮かんでいた。同じような景色の中を進むと、文字通りオオシラビソの樹林のなかの丘が白ビソ山だ。表示板がないと気付かない一通過点だ。倒木を気遣いながら踏み跡の見えない笹原をかき分けつつ穏やかに下ると安平路避難小屋だ。扉が少し壊れているが中は清潔な綺麗な小屋だ。小屋から正面に安平路山を見ながら、なだらかに下って鞍部からすこし樹林を進むと水場の表示があり、右下の沢筋から水音が聞こえている。ここから最後の頑張り所の急坂が始まり、オオシラビソの点在する笹深い尾根道を休み休み息を切らして登る。振り返るとオオシラビソの葉っぱの間から眺める奥三界岳、小秀山、御嶽山などが素敵だ。山頂は樹林の中の笹原を少し切り開いた小空間で、数人の先客でいっぱいだったので、直ぐに山頂を後にして避難小屋の影で昼食だ。摺古木山まで往路を戻り、山頂直下の奇怪な幹の曲がりくねった樹林を抜けると明るい笹原の稜線だ。アザミ岳の彼方に恵那山を眺めながら気分よくなだらかに下る。やがて、展望台からの道を合わせ、カラマツ林を下ると休憩舎のある登山口だ。これから悪路の運転だが意外に下りは楽だ。車の底を擦ることもなく大平まで下り、順調に中津川まで行き中央道に入った途端に休日渋滞だ。小牧付近や竜王付近でも渋滞に出合って登山口から6時間近くかかってやっと帰着した。
 安平路山や摺古木山は中央アルプス北部の荒々しさはなく笹原と樹林の山域だ。登山口は標高1800メートル近くあり、山頂までの標高差はそれほどでもないが、足元注意の深い笹原が続き、距離や標高差の割に体力を使う山だ。印象に残ったのは、悪路林道、露に濡れた笹深い道、摺古木山からの展望だ。 

  (摺古木山三角点小広場)     (山頂から急坂を下る)   (木曽駒に向かって笹原を行く)

 (樹間から乗鞍岳と北アルプス)   (樹間から御嶽山)       (笹原をかき分けて進む)

    (樹林中の白ビソ山)     (樹林をなだらかに下る)     (避難小屋と安平路山)

      (笹原を行く)       (水場は右下の沢まで下る)     (樹林の急坂を登る)

                 (安平路山頂上付近から樹林を振り返る)

 (安平路山頂上の小広場)     (摺古木山から下る)     (アザミ岳を眺めつつ下る)

 (恵那山を正面に見て下る)   (カラマツ林が現れると近い)    (やっと登山口に帰着)

★道で出会った花

   ヤハズハハコ(摺古木山)     アキノキリンソウ(林道)        ゴマナ(林道)

★ルート断面図


★地  図

(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       木曽駒・空木岳
・2万5千分の1地形図  南木曽岳、安平路山

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