焼石岳(1547.9m)
★ひとこと 「つぶ沼口からブナ尾根で湿原や草原の焼石岳へ」
紅葉の石沼と経塚山
★行った日 2010年10月16日(土) 曇一時晴
単独
2010年10月17日(日) 曇時々晴
単独
★コース
(第6日)
水神温泉6:47(県道37、R397)=つぶ沼登山口駐車場7:48→金山沢8:43→石沼展望所9:33→中沼分岐10:11→10:32銀明水10:43→姥石平11:48→泉水沼11:51→12:11(1547.9m)焼石岳12:24→泉水沼12:40→姥石平12:44→13:30銀明水避難小屋13:42→中沼分岐14:00→石沼展望所14:30→金山沢15:10→15:57つぶ沼登山口駐車場16:08(R397、県道37)=水神温泉16:41
(第7日)
水神温泉8:40(県道37、広域農道)=平泉前沢IC(東北道、磐越道、北陸道、名神)=高槻21:55
(第6日)
焼石岳は秋田県に近い岩手県南部の焼石山塊の主峰だ。山頂一帯には湖沼や湿原を含むたおやかな草原が広がり、麓から続くブナ林と高山植物が豊富な山だ。水神温泉から牧場の点在する焼石山塊の東麓を南下、胆沢(いさわ)からR397を西進して中沼登山口に向かうべく尿前(しとまえ)をめざした。石淵ダムの手前から尿前渓谷に沿った林道へ入るつもりだったが、いまは胆沢ダム工事に伴って新国道トンネルが開通し、尿前林道も崩落して通行止めだ。後でわかったことだが、現在、中沼コースは閉鎖中だ。しばらくうろうろしてから、旧国道を石淵ダム堰堤を過ぎて進むと、新国道合流点の手前につぶ沼登山口駐車場があり、ここから登ることにした。計画では、南本内岳(みなみほんないだけ)、東焼石岳を巡るつもりだったが、到着時刻が遅れた上に長時間コースになったので、焼石岳ピストンに予定変更だ。
駐車場から旧国道を少し進んだ新国道との合流点が登り口だ。熊出没の看板があり、ジャラジャラ鳴らして出発だ。大木のブナが林立する所もあるさわやかな広葉樹林を約1時間登ると少し色付き始めた金山沢だ。渡渉してさらに登ると、地元の登山者が苔むした倒木全体に生えているキノコ「地元名、ゴリ」を採っていた。助言に従って僕も採取して近くの笹薮に隠し、下山時に持ち帰った。中位のポリ袋一杯のゴリ「正式名称、ナラタケ」を宿の女将さんに進呈、早速、夕食の芋煮に入れて頂き、美味だった。道草を食いながらしばらく登ると、盛りを迎えつつある紅葉で飾られた石沼だ。登山道が崩落している斜面からは紅葉を映した湖面と経塚山の景色が素晴らしい。黄葉したブナなどの広葉樹林帯を過ぎると焼石登山道ルートマップ掲示が現れる。ブルーシートの荷物で閉鎖された中沼コース分岐を過ぎ、湿地帯を抜けるとベンチのある銀明水広場だ。登山口から約2時間だ。右上の避難小屋は新しく内部も清潔だ。小屋を右に見て坂道を登り、樹林帯を抜け笹原と小灌木の見晴の良い道が続く。一見、なだらかな緑の草原のようだが、笹原のくぼんだ道筋は長靴が似合うぬかるんだ石ころの歩き難い道だ。実際に、飛び石伝いに渡っている時に足を滑らせて、泥道に尻餅をついてしまった。シーズンにはお花畑になりそうな東焼石岳分岐の姥石平(うばいしたいら)まで来ると、広々とした草原の彼方の正面に焼石岳、右に経塚山が頭をのぞかせている。
(つぶ沼登山口駐車場)
(国道登り口) (ブナ林を行く)
(ブナ大木林もある) (金山沢を渡る) (色付いてきたブナ林を行く)
(石沼の南面上を行く)
(石沼と経塚山の紅葉) (ブナ黄葉林を行く)
(中沼分岐)
(湿地帯の木道を行く) (銀明水広場)
(銀明水避難小屋) (樹林帯を抜け草原を登る) (笹原を登る)
(広々とした姥石平の草原、正面左の突起が焼石岳)
(ぬかるみの笹原道を行く)
(だんだん近づく焼石岳) (東焼石岳分岐点の姥石平)
少し先に泉水沼(せんすいぬま)があり、焼石岳を映す筈の湖面は、だんだん強くなってきた風に波立ち、空模様は嵐の趣だ。焼石山めざして横岳との鞍部まで来ると俄然風が強くなり、吹き飛ばされそうな強風に逆らいながら稜線を登り、山頂へ到達した。岩手山、鳥海山、早池峰山、栗駒山などの望める山頂からはガスってこれらの山々は見えなかったが、近くの南本内岳や東焼石岳に囲まれた山域が眼下に広がり、花のシーズンには草花の楽園になりそうな緑の草原が美しい。ちょっと南本内岳方向へ下ってみたが強風に吹き飛ばされそうなので退却、早々に山頂を後にし、往路通りに下山し、水神温泉へ帰り着いた。つぶ沼コースは往き4時間半、帰り3時間半の8時間コースだ。
雪解け時は高山植物と若葉のブナ林の美しい山だが、秋の今頃はブナなど広葉樹の紅葉が美しく、特に石沼の青い湖面と紅葉とのコントラストが素晴らしい。また、山頂付近の池塘の点在する広々とした緑の大地も美しい。
(第7日)
水神温泉をゆっくり出発、さしたる渋滞にもあわず往路通りの高速道で順調に帰阪した。今回の東北シリーズは、晴天もなかったが雨に降り込められることもなく、ほぼ予定通りの山歩きができた。今回の、岩手山、秋田駒ヶ岳、焼石山ともすべて火山らしい山容で、山頂付近には湿地帯のある広大な緑の草原が広がり、見晴しも良く花のシーズンだけでなく秋も楽しく歩ける山域だ。姫神山、森吉山も麓にはブナを初めとして広葉樹林が発達し、若葉の季節や紅葉シーズンも楽しめる山々だ。
(泉水沼と焼石岳)
(猛烈な強風の稜線を登る)
(焼石岳三角点)
(焼石岳山頂から南本内岳方面を望む)
(焼石岳山頂から東焼石岳方面を望む)
(三界岳方向の池塘) (強風の枯野を下る) (沢を渡って下る)
(銀明水まで下ると風もない) (寒々とした石沼)
(登り口に帰着)
(金ヶ崎付近から西方の焼石山塊を望む)
★道で出会った花
イワイチョウ(銀明水) ヤマゼリ?(銀明水)
イナカギク?(銀明水)
モリアザミ?(姥石平) オヤマリンドウ(姥石平)
アキノキリンソウ(銀明水)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 栗駒・早池峰
・2万5千分の1地形図 焼石岳、石淵ダム
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