黒法師岳(2067.4m)丸盆岳(2066m)

 

★ひとこと   「戸中山林道から等高尾根で黒法師岳と丸盆岳ピストン」

バラ谷の頭から黒法師岳(右)丸盆岳(中央)を望む


★行った日   2013年5月25日(土) 晴後曇 単独

★コース

水窪4:15(県道、戸中山林道)=4:57工事通行止め5:02→ゲート5:25→シブロク歩道6:33→黒法師岳登山口7:01→7:37P1257 7:46→8:24ヤレヤレ平8:32→9:47丸盆岳分岐9:54→10:29(2067.4m)黒法師岳10:39→丸盆岳分岐11:04→11:56(2066m)丸盆岳12:04→丸盆岳分岐12:44→13:31ヤレヤレ平13:39→黒法師岳登山口14:17→シブロク歩道14:46→ゲート15:52→16:16工事通行止め16:23(戸中山林道、県道、R152)=浜松浜北IC18:07(新東名、東名、伊勢湾岸道、東名阪、新名神、名神)=高槻21:07

 深南部を代表する山の一つ、黒法師(くろほうし)岳だ。登山道はバラ谷の頭から、前黒法師岳から、丸盆(まるぼん)岳稜線からの3本あり、最後の戸中山(川?)(とちゅうやま)林道から丸盆岳稜線を経て登る計画だ。林道歩きが長く長時間コースなので水窪(みさくぼ)を早朝出発、水窪川沿いに県道を進み、兵越(ひょうごし)峠を左に分け直進、水窪ダム堰堤の手前で通行止めの天竜スーパー林道を右に分けて堰堤を渡ると県道終点、地道の戸中山林道だ。崩落のため通行止めの頻発する林道(問い合わせ先:水窪森林事務所053-987-0616)だが路面は比較的よく20km/hr程度で走行可能だ。麻布(あざぶ)山登山口の吊橋を通過、くねくねと戸中川沿いに進むとゲートの手前1.6kmの所で崩落復旧工事のため通行止めだ。
 先着2台の車の人が出発準備中、山慣れた様子の単独行の一人はゲート付近から適当に山肌へ取付いて戸中山へ、他の一人はクマ鈴をジャラジャラいわせながら足早に去って行かれた。通行止め少し先の崩落箇所では大規模な工事中、非常階段のような歩道を通るので自転車担ぎもちょっと無理、表示によれば工事期間は今年9月末までだ。ネットでよく見かけるゲートを過ぎ、西俣林道を左に分け直進、はるか左下に東俣沢を眺めながら高度を上げていく。山側には幾つもの小滝がかかり、藤が花盛りの美しい道だが一雨降れば崩れそうな崩落面が何箇所もある道だ。出発して1時間半、小沢の横に休憩小屋のあるシブロク歩道入口だ。その少し先の支尾根の先端がネットでよく見かけるP1441を通る支尾根ルートの取付きだ。水量が本流並みの日蔭沢を過ぎて次の支尾根を回り込むと、出発して2時間でやっと黒法師岳登山口だ。登山口には標柱があり、手前の山側の地形図の点線の位置に作業小屋があり、前に工事用砂が積み上げられ、林道支線が奥へ続いているようだが未確認。
 登山口から細い雑木の斜面を斜めに上り、等高尾根稜線上にでると朝日を浴びながら北側に黒沢山をチラチラ梢越しに眺めつつ登り続ける。踊り場のP1257に近づくとツガの大木が散在する尾根となり、しんどい上りをウンウン言いながら登る。標高約1000メートルの登山口から1時間半も登ると標高約1500メートルのヤレヤレ平だ。支稜線唯一の比較的広い平地で文字通りヤレヤレと一休みだ。平地をなだらかに上り、その先の市川戻りと称する尾根を過ぎ、時には右上に意外に近くバラ谷の頭の草原が見え、ガレた尾根もあるツガが茂り、所々でミツバツツジが点在する細尾根をしばらく登る。やがて足元にピンクのイワカガミが少しだけ咲いている急坂をジグザグに登る。弁当転がしの標識があり、付近のシロヤシオが特徴ある木肌を見せているが花季はまだだ。急坂を上りきると視界が開け、笹原の主稜線だ。稜線出合にひと塊(一本?)の木があり、表示板が建っているので下りに迷うことはない。

    (工事通行止め)        (崩落の工事現場通過)    (従来ここまで入れるゲート)

    (林道を延々と歩く)    (小屋横のシブロク歩道入口)   (1441尾根の取付き)

(7.5km歩いてやっと登山口)  (小木茂る尾根を上り続ける)     (平地のP1257)

   (唯一広場のヤレヤレ平)    (右の切れ落ちた尾根を行く) (ヤセ尾根から見るバラ谷の頭)

    (市川戻りを通過)      (ツガの急な尾根を登る)        (弁当転がしの急坂)

 丸盆岳を左へ見送り、笹原の主稜線を黒法師岳へ南下する。強風のためあまり大きくならない針葉樹(ツガ?)の間にシロヤシオが散在し、足元にはハクサンコザクラが揺れ、前方には丸っこい頭の黒法師岳が笹原の前方に姿を見せる美しい尾根だ。西側がガレている稜線を右前方にバラ谷の頭や黒バラ平を眺めながら登り、再び笹原に入ってバラ谷の頭への道を右に分けると黒法師岳三角点だ。一般の三角点は+印だが、ここは珍しく×印の一等三角点だ。山頂から視界はなく少し手前の笹原稜線が展望台だ。バラ谷の頭から丸盆岳の比較的近場の山々は確認できたが、透明度が高い時は南アや富士山が望める筈だ。余談だが、バラ谷の頭分岐点の笹原に、先日の大杉国見山(台高)にあった赤い灰皿スタンドと同じものがあったが、昔の規格品か?。山頂で休憩中、笹をガサゴソと掻き分ける音、クマ!かと思いきやカモシカ登山姿の軽装の若者が出現、寸又峡(すまたきょう)温泉から前黒法師岳を経て黒法師岳に今(10時半)到着、バラ谷の頭を経て(おそらく房小山、山犬段を通って)日帰り周回の計画だそうだ。黒法師岳では肩まで笹薮コギだったといいながらそそくさと去っていかれたが、その元気さに完全脱帽だ。しばらく山頂で休憩後、丸盆岳へ向かうべく山頂を後にした。

             (丸盆岳分岐付近の稜線から前黒法師山方面を望む)

    (稜線上の丸盆岳分岐)    (笹原稜線を黒法師岳へ)        (展望稜線を登る)

       (展望稜線からバラ谷の頭〜丸盆岳の山並みを望む、南アも富士山も駄目)


   (バラ谷の頭と黒バラ平)  (笹原中の大杉国見山と同じ灰皿)  (×印の黒法師岳三角点)

      (黒法師岳山頂)      (バラ谷の頭分岐から右へ下る)   (展望稜線を下る)

 先ほどの丸盆岳分岐から笹原を直進、ムシカリの白い花やヤマザクラの白ピンクの花が目立つ笹原稜線を下って登り返すと広大な笹原のカモシカ平だ。笹原に幾筋もあるケモノ道を、ふくらはぎ程度の笹原なので適当に登る。所々で牛舎のような臭いがするので、あっちこっちに野生動物のねぐらがあるようだ。尾根に散在する樹木の枝が東へ傾いているところを見ると、ここは西からの強風地帯のようだ。なだらかな斜面を登りきると丸盆岳山頂だが、折からガスがかかり始め近場しか展望は利かなかったが黒法師岳から不動岳にいたる山並みが絶景だ。山頂から北の不動岳へ鎌崩(かまなぎ)の尾根が見えているが通過は困難だそうだ。丸盆岳頂上を後にし、カモシカ平をブラブラ下るが、笹原の先に黒法師岳が見える景色が抜群だ。三度、主稜線の丸盆岳分岐に戻り、往路通りに下山、登山口から2時間の林道歩きで通行止め地点だ。林道では小動物の出迎えを受け、一瞬の隙に撮ると脱兎のごとく逃げ出す一幕があった。
 林道歩きが往復4時間もあるが山頂付近の笹原の広がりと眺望は一見の価値ありだ。新緑の林道歩き、2000メートル峰らしい枯死した木々の散在する笹原、地面にへばりついて控えめに咲くサクラソウやイワカガミ、花季に咲くシロヤシオなど、しんどいけれども登り甲斐のある山だ。 

 (丸盆岳へ笹原稜線を行く)  (稜線から見える前黒法師岳)   (稜線を下って登り返す)

  (カモシカ平の笹原を行く)     (西風の強そうな木々の枝)         (丸盆岳山頂)

   (丸盆岳から鎌崩を望む)    (カモシカ平をブラブラ下る)  (三度目の丸盆岳分岐から下る)

     (やっと登山口へ)    (出迎えの小動物を一瞬パチッ)(登山口から2時間、やっと到着)

★道で出会った花(バラ谷の頭に記載)

★ルート断面図


★地  図
(1)通行止め地点〜シブロク歩道

(2)シブロク歩道〜丸盆岳

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・2万5千分の1地形図  水窪湖、寸又峡温泉

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