天狗塚(1812m)三嶺(1893.4m)

 

★ひとこと   「久保から天狗塚を経てお亀岩経由三嶺へ」

天狗峠(イザリ峠)から天狗塚を望む


★行った日   2013年7月12日(金) 晴後曇(ガス) 単独

★コース

高槻3:25(中国道、山陽道、神戸淡路鳴門道、高松道)=板野IC(県道1)=藍住IC(徳島道)=美馬IC(R438)6:00=見ノ越7:16(自転車デポ)(R439)=(名頃7:42)=8:06久保8:22→10:29西山林道登山口10:39→11:39第一ピーク11:50→12:59天狗峠13:13→(1812m)天狗塚13:28→天狗峠13:44→14:09お亀岩(水場往復)14:39→15:09(1815.9m)西熊山15:16→15:36大タオ15:40→(1893.4m)三嶺16:42→三嶺避難小屋16:54

 関西地方は梅雨が明けたとはいえ日本海には梅雨前線が停滞しているので南へ遠征だ。以前から行きたかった徳島高知県境の三嶺(みうね)から剣山(つるぎさん)の稜線歩きだ。四国には営業小屋は少ないが立派な避難小屋が多く、寝袋での小屋泊まりだ。三嶺の名頃(なごろ)登山口の少し西の久保を起点に天狗塚(てんぐつか)、三嶺、次郎笈(じろうぎゅう)、剣山を経て見ノ越(みのこし)へ下る計画だ。明石海峡大橋を渡り、静かな鳴門海峡を眺めながら久しぶりの四国へ、高速を乗り継いで美馬ICから山間部を走るR438で4時間かかってやっと見ノ越だ。土日のみ見ノ越15時10分発久保行きのバスがあるが間に合う自信がないのでここに自転車をデポ、R439の急坂を20キロほど西へ下り、久保のちょっとした広場に路駐だ。
 バス停前の三叉路から林道に入り、大宮橋を渡って直進、次の林道三叉路を天狗峠の表示通りに直進した。しかしこの道標は車用、正しくは三叉路を左折して第三西山谷川に沿って進むらしい(未確認)。やがて林道は西山林道と合流し、集落が山腹に点在する東祖谷(ひがしいや)西山を通り抜けながら高度を上げていく。振り返ると祖谷(いや)の山の中腹に点在する山村風景は素晴らしいが、空き家が目立ち、現実の生活は大変だと思われる。地図上の登山道ではなく西山林道を迂回し、約7キロ歩いてバス停から2時間かかってやっと天狗峠登山口だ。登山口から主に植林帯の尾根道を1時間ほど頑張ると第一ピークの林間の広場だ、ここからブナなどの落葉広葉樹の尾根となり約1時間登ると標高約1700メートルで森林限界を抜け、花をつけ始めたコメツツジなどの小木が点在するミヤマクマザサの笹原を登りつめると天狗峠だ。天狗峠付近は石鎚(いしづち)山系も望める大展望だ。巨人がいざって越えたという言い伝えからイザリ峠とも云う。シロヤシオも点在するが花季が終わった後だ。ミヤマクマザサ原はふくらはぎ程度の高さのミヤコザサに似た笹原だ。鹿が適当に線状の踏み跡を残しているのも大台など他の笹原と同じだ。

(久保バス停前三叉路を林道へ)  (三叉路の古びた表示)      (大宮橋を渡って直進)

(林道三叉路を右へ(車用表示)) (東祖谷西山の集落を行く) (西山林道から集落を振り返る)

 (西山林道天狗峠登山口)    (急な植林帯の尾根を登る)  (山肌に点在の集落を俯瞰)

  (林間の第一ピーク広場)     (ブナ林の尾根を登る)     (樹林帯を抜け笹原へ)

                   (天狗峠手前から北側の大展望)

(東に見えるずんぐりした三嶺)    (コメツツジの笹原を登る)         (天狗峠)

 ここで高松からこられた単独行の男性と会い歓談、相前後して天狗塚へ向かった。天狗峠から咲き始めたコメツツジの多いミヤマクマザサの気持ちの良い草原尾根を西へたどると展望の良い三角錐の天狗塚だ。さらに西へ牛の背の笹原尾根が続いているが、ここからUターンだ。ずんぐりした丸い天狗峠へ戻り、主稜線の延長線上の綱附森(つなつけもり)を右に分け、稜線北側の中腹を東進、笹原をおだやかに下るとお亀岩が鎮座する鞍部だ。南側すぐ下にお亀岩避難小屋があり、トイレ、薪ストーブ付きだ。少し下に水場もあり、機会があれば是非泊まってみたいこのルート随一の小屋だ。先ほどの方はここで泊まるそうだ。水場を案内してもらって、今夜の宿泊地、三嶺避難小屋付近の水場が未確認なので4リットルの冷たい水を汲み、お亀岩を後にした。

(笹原稜線を三角錐の天狗塚へ)       (天狗塚)        (天狗塚から牛の背を望む)

  (天狗塚から天狗峠へ戻る)  (綱附森分岐をお亀岩へ直進) (ガスり始めた稜線を行く)

 (お亀岩めざして沿う下を行く)   (立派なお亀岩避難小屋)       (清潔な室内)

   (ストーブもある談話室)     (小屋からすぐの水場)      (お亀岩から西熊山へ)

 ぐっと重くなったザックに疲れた足を引きずって、西熊山めざしてなだらかな笹原稜線をゆっくり歩を進める。振り返ると稜線上のお亀岩とその北面に笹原がなだらかに広がる美しい眺めだ。ガスがかかり始め、見えない三嶺めざしてちらほら咲きのコメツツジの笹原を緩やかに下ると鞍部の大タオだ。森林限界の標高約1700メートルの鞍部から笹原と樹林が混在する稜線を登り、展望が良さそうな何も見えない笹原尾根を過ぎて高知県側へ下る光石(ひかりいし)を右へ分け、崩れた丸太が積み重なった急坂を頑張る。防鹿ネットの関門、「テキサスゲート」と称する鹿よけ橋を渡るとほどなく三嶺頂上だ。あすは山頂から南へ下るが、きょうは東の尾根を進み、名頃へ下る道を右に分け直進すると池の畔に建つ三嶺避難小屋だ。別棟にトイレもある清潔な小屋だ。単独行の青年と2人だけだ。先々週に引き続いて今年2度目の避難小屋泊まりなので、不慣れながら余裕をもって行動でき、僕の定番のα米五目御飯とカップラーメンで夕飯を済まし、あすの4時起きを青年に了解してもらって、焼酎をやりながら暗くなると寝てしまった。
 間違って登山口まで長距離の林道を歩いたが、お陰で山肌にへばりつくような祖谷の集落を通り、美しい山村ながら感慨深い景色だ。天狗塚から三嶺にかけて広がるコメツツジの咲き始めたミヤマクマザサの大草原が雄大だ。女性的な曲線美が素晴らしい。

     (お亀岩を振り返る)    (ミヤマクマザサ原を西熊山へ)      (西熊山三角点)

(美しい草原をなだらかに下る)(大タオからガスった三嶺へ登る)(高知県側ヒカリ登山口分岐)

    (急な丸太の道を登る)    (何も見えない三嶺三角点)     (ガスの中を稜線を東進)

 (池の向こうに三嶺避難小屋)     (名頃分岐を直進)      (清潔な避難小屋内部)

★道で出会った花(2日目と共に記載)

     ?(西山林道)        フタリシズカ(西山林道)     タケニグサ(西山林道)

    キンポウゲ(三嶺)         コメツツジ(三嶺)       イワキンバイ?(三嶺)

    タカネオトギリ(三嶺)      シコクフウロ(三嶺)       イブキトラノオ(三嶺)

     ノイバラ(三嶺)         ヤマヒヨドリ?(三嶺)     タカネオトギリ?(東熊山)

   バライチゴ?(東熊山)     バイケイソウ(白髪小屋)     トゲアザミ(平和丸)

     コナスビ(平和丸)        ノイバラ(平和丸)        バイカウツギ(剣山)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       石鎚・四国剣山
・2万5千分の1地形図  京上(きょうじょう)、久保沼井

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