三嶺(1893.4m)次郎笈(1929m)剣山(1954.7m)

 

★ひとこと   「三嶺から展望稜線で次郎笈、剣山を経て見ノ越へ」

丸石から剣山(左)と次郎笈(右)を望む


★行った日   2013年7月13日(土) 朝のうち曇(ガス)後晴後午後小雨(ガス) 風強し 単独

★コース

三嶺避難小屋5:37→(1893.4m)三嶺5:53→東熊山(堂床分岐)6:44→白髪山分岐7:23→7:32白髪避難小屋7:45→P1700(平和丸)8:11→9:16立石山分岐9:26→(1740.8m)高ノ瀬9:51→10:10伊勢の岩屋分岐(水場往復)10:39→11:05丸石避難小屋11:17→(1683.8m)丸石11:48→13:03(1929m)次郎笈(雨具着用)13:17→剣山分岐13:41→西島14:08→見ノ越14:46(R439)=(自転車20.8km)=(名頃9.8km15:31)=16:03久保16:17(R439、R32)=井川池田IC(徳島道)=藍住IC(県道1)=板野IC(高松道、神戸淡路鳴門道、山陽道、中国道)=高槻20:24

 きょうは本ルートのハイライト、三嶺(みうね)から剣山(つるぎさん)へ縦走だ。三嶺から徳島高知県境稜線を高ノ瀬(こうのせ)へ向かい、丸石、次郎笈(じろうぎゅう)、剣山を経て見ノ越(みのこし)へ下る計画だ。
 朝、4時前に目覚め外へ出てみるがほの白いガスを伴った強風が吹きすさび、嵐の空模様だ。笹薮に濡れながら別棟で用を足して下半身びしょ濡れで小屋へ戻る(注意:落とし紙は持ち帰ること、ビニール袋持参が便利)。ガスで笹原が濡れているので手や顔を洗うのに便利だ。カップラーメンとコーヒーの朝飯を済まして、濡れた笹原コギのため下の雨具だけをつけて出発、生ぬるい北風にあおられながら東尾根を上り、何も見えない三嶺山頂から南尾根の急坂を下る。山頂で風はさえぎられ、鎖場もある無風の急坂を下る。道端にはちらほらシコクフーロが揺れていた。鎖場を過ぎ、勾配のゆるくなった尾根に径2センチ位の白花が満開のノイバラが点在する樹林帯に入る。この辺りはピンクのシコクミツバツツジや白いシロヤシオの美しい所だが、約1ヶ月遅過ぎたようだ。林を抜けると苔寺の庭園のような杉苔?の緩斜面を上り防鹿ネットが現れると東熊山のさおりが原分岐だ。なだらかな苔の道や樹林の道を抜け、次のピークで白髪(しらが)山を右に分け、草原をなだらかに下ると白髪避難小屋だ。小屋前で昨晩ここに泊まったご夫婦と挨拶を交わし、清潔な小屋で一休みしている内にガスがとれ、薄日までさし始めた。ここで雨具も完全に脱ぎ捨て勇躍出発だ。しばらく森林限界の標高1700メートル内外をアップダウンしながら進むので森林帯と笹原が交互に現れる。この付近は丈の長いイグサ?が多いのも特徴だ。白骨のような枯死した樹木の散在するP1700の平和丸を過ぎ、ウラジロモミの林を下って岩稜尾根を登ると幅広の草原だ。P1732から次のピークの南側を巻いて稜線を登ると石立山分岐手前のP1738だ。西を振り返ると、いま越えてきた稜線を中心にして左に石立山など高知の山々、右に三嶺が両翼を広げた雄大な姿を見せ、その右に烏帽子山など徳島の山々が望めた。ここで休んでいると若い山ガの単独行が挨拶を交わして追い越して行ったが、後で間接的に聞いたところによると、朝に名頃(なごろ)を出て三嶺から剣山経由で見ノ越3時10分のバスに間に合うように縦走だそうだ。女性の元気さに脱帽だ。

 (ガスと強風の避難小屋出発) (相変わらず何も見えない三嶺)     (鎖場の急坂を下る)

  (苔むす樹林尾根を行く)     (東熊山のさおりが原分岐)    (尾根道に咲くノイバラ)

   (林間の湿地帯もある)  (ガスがとれ始めた白髪避難小屋)   (清潔な小屋内部)

  (イグサの茂る樹林を行く)   (P1700(平和丸)の笹原)   (ウラジロモミの樹林を行く)

(P1732の東のピークを巻く)  (P1738へ向かって尾根を登る) (P1738手前から振り返る)

                   (P1738手前から西方の大展望)

 石立山分岐で県境尾根と別れて徳島県内の稜線を進む。正面に高ノ瀬とその向こうに次郎笈と剣山を眺めながら稜線を下り、樹林尾根を登り返すと高ノ瀬だ。はっきりしたピークはなく草原に枯死した白い幹が林立する美しい稜線だ。高ノ瀬から岩稜まじりの急坂を下ると水場のある伊勢の岩屋分岐だ。次の水場は次郎笈巻道なのでここで補給することにし、200メートルほど稜線の南面をトラバース、那賀川の上流にあたる籐八谷の最初の一滴が岩の下から湧き出している。冷たい美味しい水だ。水場ちょっと手前の大きな岩壁が伊勢の岩屋と思われるが確証なし。樹林帯尾根をなだらかに下り、このルートの最低鞍部付近で奥祖谷(おくいや)かずら橋を左に分け、少し進むと丸石避難小屋だ。ウラジロモミの並木道のような尾根をなだらかに登り、それがブナに変わるとほどなく森林限界を越え、笹原急坂をひーひー云いながら頑張ると展望抜群の丸石山頂だ。山頂手前から振り返ると越えてきた稜線の先に天狗塚や三嶺、山頂からは剣山や次郎笈はじめ高知や徳島の山々がたおやかな姿を見せている。

(P1738からノイバラ咲く稜線)      (石立山分岐)        (高ノ瀬と次郎笈を望む)

  (天狗塚、三嶺を振り返る)      (樹林尾根を登る)     (明るい高ノ瀬の稜線を行く)

  (高ノ瀬から岩稜を下る)    (伊勢の岩屋へ水汲みへ)      (伊勢の岩屋?)

  (落葉広葉樹の尾根を行く)   (林の中の丸石避難小屋)  (ウラジロモミの並木道を行く)

(樹林を抜けると丸石は目の前)   (大展望の丸石三角点)     (次郎笈へ展望稜線を行く)

                      (丸石からの大展望)

 ここから曲線美の笹原展望稜線歩きだ。昨日と同様、お昼を過ぎると雲が湧き出し、早くも三嶺山頂は雲をかぶってしまった。この辺りから行き交う登山者の姿が多くなり挨拶も忙しくなる。雄大な景観を楽しみながら草原尾根を登るが、だんだんと空模様が怪しくなり剣山も雲に隠され始めた。次郎笈巻道を左に分け、息を切らして稜線を登ると次郎笈山頂だが、周りはガスに覆われ始めた。早く、剣山へ行こうと急いで下り始めたが、とうとう剣山頂上は雲に隠され、気のせいか遠雷の響も聞こえたようだ。隠れる所のない稜線での雷は願い下げなので、何も見えない剣山はカット、巻道から西島へ向かった。ガスの中をトラバース道でロープウエー駅の西島へ、遊歩道で見ノ越へ下り始めると雲底に出たようでガスはなくなり、樹林の名札を楽しみながら見ノ越へ下った。この時刻に下れるならバスが利用できたが結果論だ。昨日デポした自転車をゲット、急坂の連続する1車線のR439をそろそろ下る。交通量は少ないが、たまに後ろからやってくるハイブリッド車が問題だ。モーターを発電しながら下ってくるため無音で近づき、相手は慎重に運転してくれているが、こちらは突然の車にびっくり、面倒でも小さく警笛を鳴らしてほしいものだ。名頃までくると2車線区間が増え快調に下って、今までの最長距離21キロを1時間20分かかってやっと久保へ帰り着いた。狭い道を戻るのは億劫なので、大歩危(おおぼけ)から池田を経て順調に帰阪した。
 念願の三嶺から剣山の縦走は予想通り素晴らしかった。第一にミヤマクマザサの笹原に覆われた曲線美の尾根歩きと徳島高知の山々の景観、第二に立派な避難小屋がコースの主要部にあり、稜線から少し下ると水を得ることができ、第三に道標も完備し登山道も整備され、普通の気力と体力があれば誰でも縦走路を楽しむことが可能だ。

   (稜線から丸石を振り返る)   (丸石の北稜線越しの三嶺)  (なだらかな笹原稜線を行く)

  (だんだん近づく次郎笈)      (剣山分岐から山頂へ)     (ポツリときた次郎笈頂上)

  (急いで剣山へ向かう)    (ガスり始めた剣山へ登り始める)(何も見えないので山頂カット)

   (巻道をにしじまへ)       (西島ロープウエー乗り場)     (遊歩道で見ノ越へ)

  (美しい樹林の道を下る)  (名札付の木々を楽しみつつ下る)   (見ノ越登山口へ帰着)

★道で出会った花(前日の天狗塚にまとめて記載)

★ルート断面図


★地  図
(1)三嶺〜高ノ瀬

(2)高ノ瀬〜見ノ越

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       石鎚・四国剣山
・2万5千分の1地形図  京上(きょうじょう)、久保沼井、剣山、北川

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