赤石岳(3120.1m)荒川前岳(3068m)小河内岳(2801.6m)

 

★ひとこと   「鳥倉林道から小河内岳、荒川岳を経て赤石岳へ(4)」

小河内岳から塩見岳を望む


★行った日   2013年8月6日(火) 小雨後曇 単独
                         2013年8月7日(水) 晴 単独

★コース

(4日目)
赤石岳避難小屋4:54→(3120.1m)赤石岳5:00→椹島分岐5:16→(3081m)小赤石岳5:32→大聖寺平6:25→6:59荒川小屋7:13→水場7:40→9:08中岳分岐9:20→9:28(3068m)前岳9:50→10:43道標10:47→11:20ケルン11:43→12:12水場12:22→高山裏避難小屋12:45
(5日目)
高山裏避難小屋4:58→(2646m)板屋岳6:11→6:39展望コル6:44→8:02休憩8:06→9:00(2801.6m)小河内岳(小河内岳避難小屋)9:30→(2784m)前小河内岳10:10→11:00(2726m)烏帽子岳11:04→11:28休憩11:37→11:52三伏峠小屋12:06→塩川分岐12:25→12:46水場12:50→14:00登山口バス停14:25(伊那バス)=14:38林道ゲート14:44(鳥倉林道、R152、県道59、清流苑)=松川IC(中央道、名神)=高槻20:39

(4日目)
 4日目は赤石岳から中岳を経て高山裏避難小屋泊まりだ。昨夜から降ったり止んだりの天候が続き、合羽を着て大混雑の小屋をご主人の見送りを受けて出発だ。晴れていれば小屋の先の東峰からの荒川三山の雄姿を期待したが駄目、気を取り直して山頂へ向かった。
 小雨にも拘らず雲間から富士山が頭を出し、北の小赤石岳や中岳が朝日を浴びて鮮やかだ。鞍部で椹島(さわらじま)を右に分けて登り返すと小赤石岳だ。しばらく稜線をなだらかに下ると展望抜群の稜線突端だ。霞んでいるが雄大な荒川三山が望める場所だ。急な稜線を下り始めると大聖寺平の鞍部付近にちょっとした滝雲が流れ、間もなく消えてしまった。大聖寺平付近では今朝荒川小屋を出発したと思われる多くの登山者との朝の挨拶が忙しい。荒川小屋で恒例の缶ジュースの一気飲み、中岳下のお花畑を愛でながら急坂を頑張り、前岳到着だ。前岳の西面は崩壊が進み、崖縁を通る登山道をこわごわ下る。小雨まじりの悪天候にまぎれて崖上の草地で4羽の子連れの雷鳥が散歩中だ。カールの岩礫帯をジグザグに下り、道標の所からハイマツ帯を下るとケルンだ。急坂が続いたので膝ががくがくだ。ここから水平道だが歩き難い岩角の樹林帯が続き、水場で1日分を汲んで、しばらくオオシラビソの樹林を下ると花畑につつまれた高山裏避難小屋だ。小屋前から中岳や東岳が山間から望める。いままでで最も避難小屋らしいご主人に迎えられて、昨日は超満員で寝不足、昼を過ぎたばかりだが早速昼寝だ。今夜はテント二張り、小屋は貸切りのようだ。親切にも今まで貯まったゴミをすべて引き取って頂き、残飯食料を平らげてすっきりし、4日間連続で屋根を打つ小雨の音を聞きながら寝てしまった。

    (時雨れる赤石岳から)   (赤石岳から小赤石岳へ向かう)      (小赤石岳)

   (赤石岳を振り返る)      (大聖寺平を流れる滝雲)    (大聖寺平、中岳を望む)

                 (小赤石岳下り道から荒川三山を望む)

        (荒川小屋)          (前岳下の広大な花畑)     (前岳の崩落崖)

(崩落崖縁から前岳を振り返る)   (崩落崖縁を下る)    (4羽の子連れで散歩中の雷鳥)

    (カールを上から見ると)    (岩礫帯をジグザグに下る)    (ケルンから水平道を行く)

  (歩き難い樹林帯を行く)          (水場)       (花畑の中の高山裏避難小屋)

(5日目)
 きょうは嬉しいような悲しいような最終日、小河内(こごうち)岳、三伏(さんぷく)峠を経て鳥倉(とりくら)林道へ下る計画だ。慣れない避難小屋泊まりで5日目となると疲れがたまり、身体もだるく顔も腫れぼったい感じだが、初めての快晴に勇躍出発だ。
 軽くなったザックを担いで赤い屋根の小屋を下に見て花畑を登り、針葉樹林とマルバダケブキの草原が交互に現れる稜線をなだらかに進む。西側が切れ落ちた展望の良い尾根筋からたどってきた稜線や中央アルプスが望める。しばらく進むと林間の板屋(いたや)岳だ。すぐ先の次のピークの岩頭付近から眺望が開け、青空に映える風格のある小河内岳が見事だ。大日影(おおひかげ)山手前の展望コルを過ぎ、アップダウンを重ねながらオオシラビソやダケカンバの静かな森を歩く。ここで体長15センチ位の巨大ヒルを見かけた(気持ちが悪いので画像なし)。名前はクガビルでミミズを丸呑みするらしい。やがて森林限界を越えるとハイマツ帯となり小河内岳の稜線を登る。山頂からの展望は素晴らしく、南には荒川三山や赤石岳など、東には富士山、北には塩見岳や仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳など、東には中央アルプスの山並みと文字通り360度の大パノラマだ。すぐ下の小河内岳避難小屋のご夫妻としばらく歓談、久しぶりの晴天に感謝して小河内岳を後にして前小河内岳へ向かった。前小河内岳界隈の稜線の展望は素晴らしく、晴れていれば三伏峠からこの辺りまで散歩がお勧めだ。

       (樹林帯を行く)     (マルバダケブキの花園を行く)      (板屋岳)

  (板屋岳から西の見晴岩)   (見晴岩から小河内岳を望む) (大日影山の南の展望コル)

      (小河内岳森林限界付近からたどってきた稜線とこれからたどる稜線を望む)

(小河内岳のハイマツ帯を登る)     (小河内岳山頂)     (山頂から避難小屋と富士山)

 (前小河内岳へ稜線を行く)       (見晴抜群の稜線を行く)  (稜線から望む格好良い塩見岳)

                  (前小河内岳から望む南アルプスの峰々)

 展望稜線で烏帽子(えぼし)岳を経て稜線をなだらかに下り、花畑を経て樹林帯を登り返すと三伏峠だ。樹間から塩見岳に続く本谷(ほんたに)山を右に眺めながら針葉樹林帯を下り、豊口山(とよぐちやま)稜線を過ぎると、左に小河内岳や奥茶臼(おくちゃうす)岳を垣間見ながら下り、小尾根から針葉樹の急坂を下ると丁度バスがやってきた登山口バス停だ。ゲートまでバス、松川IC近くの信州松川温泉「清流苑」で5日間の汗を流してさっぱりし、往路通りに順調に帰阪した。
 最終日は好天に恵まれ南アルプス南部の山々を展望しながら尾根歩きができた。中岳から小河内岳までは人に会うのもまれな静かなコースだ。展望豊かな尾根歩きも良いが、アップダウンの少ないオオシラビソやダケカンバの森を歩く心地よさは特筆ものだ。連泊の避難小屋泊まりは初めての経験だが、営業小屋泊りと違って水や食料の気遣い、ザックの重量など体力を消耗する要素が多く、今回は僕の限界の山歩きだった。このコースの避難小屋は月末まで管理人が常駐し、寝具やレトルト食品、最低限度の水が用意されているためザック重量を軽減することは可能だ。最後に、ここは有名山域の静かな山歩きのできる残された貴重なコースだ。

 (烏帽子岳へ展望稜線を行く)    (もうすぐ烏帽子岳)        (烏帽子岳山頂)

  (稜線をなだらかに下る)     (保護柵の花畑を下る)         (三伏峠)

(本谷山や仙丈ヶ岳を右に見て下る)    (樹林帯を下る)    (登山道から南に視界が開け)

   (小河内岳が見える)     (針葉樹林帯の急坂を下る)    (登山口バス停に到着)

★道で出会った花(1日目に一括記載)

★ルート断面図
(1)赤石岳〜高山裏避難小屋

(2)高山裏避難小屋〜鳥倉林道


★地  図
(2)高山裏避難小屋〜鳥倉林道

(1)赤石岳〜高山裏避難小屋

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       塩見・赤石・聖岳
・2万5千分の1地形図  赤石岳、塩見岳、信濃大河原

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