乗鞍岳(3025.6)丸黒山(1956.3m)

 

★ひとこと   「交流の家から奥千町避難小屋を経て乗鞍岳ピストン(2)」

乗鞍岳から北アルプス方面を望む


★行った日   2013年8月19日(月) 晴一時曇 単独

★コース

(2日目)
奥千町避難小屋5:15→森林限界5:55→中洞権現6:55→8:20(3025.6m)乗鞍岳8:39→中洞権現9:39→10:05休憩10:14→11:09奥千町避難小屋11:26→12:01千町ヶ原12:06→12:30中間点道標12:39→14:12(1956.3m)丸黒山14:24→長倉本谷分岐14:59→15:15枯松平休憩所15:21→(1595.3m)日影平山16:20→日影峠16:23→16:45乗鞍青少年交流の家17:04(県道462、R361、R158)=高山IC(中部縦貫道、東海北陸道、名神)=高槻21:30

 2日目は奥千町(おくせんちょう)避難小屋から千町尾根をたどり、中洞(なかぼら)権現から屏風(びょうぶ)岳の山腹をトラバースして剣ヶ峰に至り、帰路はザックを回収して往路通りに青少年交流の家へ戻る計画だ。僕の朝の定番はカップラーメンと熱いコーヒーだ。余計なものは全部小屋にデポ、お茶とおやつだけをサブザックに入れて朝靄の中を出発だ。
 下界は一面の雲海、乗鞍岳山頂は雲がかかっているが紺碧の空だ。晴天が約束されているようだ。当初、木道を進むが、周りの木々は露で水玉が輝いているので雨具をとりに戻ろうとしたが、暑そうなのでウインドブレーカーだけで行くことにした。田ノ原(たのはら)湿原が終わるとオオシラビソの樹林帯に入る。足元に空間があるが殆ど薮コギの露払いだ。すぐに下着まで水浴び状態、靴の中までグジュグジュだ。P2391の先で森林限界を飛び出し、ハイマツの海に続く一筋の線を目標に進む。ハイマツの中に点在する石仏に目礼しながら登り続ける。稜線のピークではハイマツの背が低くなって歩き易いが、鞍部付近では背丈を超えるハイマツが繁茂し、難渋しながら進む。サブザックなので関係ないが大型ザックでは枝が引っ掛かって難儀が予想される。中洞権現付近で屏風岳肩から日の出だ。朝日に輝く千町尾根を振り返ると、なだらかに広がる緑の絨毯が素敵だ。ハイマツの薮コギはここまでで、中洞権現以降は綺麗に刈り込まれた道だ。雲海に浮かぶ御嶽山の方向へ続く阿多野郷(あだのごう)へ向かう道を右に分け、斜光に照らされた2体の石仏が屏風岳を背景に祀られた中洞権現を後にした。南側が切れ落ちた稜線を過ぎると、少し遅すぎだがヨツバシオガマやウサギギクが可憐な花をつけている皿石原(巨石が皿のように重なっている意味らしい)の花畑だ。巻き毛をなびかせたチングルマの先で満開の箇所もあるが、残雪が遅くまで残っていた所と思われる。屏風岳山腹の岩塊帯を登りきると、眼前に剣ヶ峰の岩峰が現れる。岩峰のすぐ下にはコマクサが群生し、ロープで登山者が入らないように保護されている。岩稜帯を登ると剣ヶ峰だ。昨日から殆んど人に会ってないが、急に雑踏に入ってきた感じだ。

(明るくなり始め木道を歩き出す)(コバイケイソウの草原を行く)  (露払い薮コギの始まり)

 

   (ルートに点在する石仏)  (ハイマツ林の一筋の線をたどる)(背丈の林をヤケクソで進む)

(朝日がさし始めた千町尾根)  (水浴び状態で中洞権現)   (雲海から頭を出した御嶽山)

 (手入れされたハイマツの道)     (皿石原の花畑を行く)    (花畑に咲くウサギギク)

 (屏風岳の山裾をトラバース)  (岩塊の道を飛び石伝いに)  (剣ヶ峰手前のコマクサ群生地)

     (満開のコマクサ)        (もうすぐ剣ヶ峰)          (最後に岩登り)

 剣ヶ峰は文字通り360度の景観だ。雲海の彼方に北ア、八ヶ岳、南ア、中アが浮かぶさまは壮観だ。富士山は駄目だったが穂高連峰や御嶽山の山のひだまで視認できた。帰途は長丁場が待っているので早々に山頂を後にした。下山中、岩塊原を過ぎたあたりで、天気が良いのに一羽の雷鳥に遭遇、と思ったら岩陰から次々姿を現し、5羽の子連れだ。進む方向もこちらと同じ方向、雷鳥一家を先導にしばらく道を下った。中洞権現を過ぎると千町尾根の緑の絨毯のハイマツコギになるが、往路と違って乾燥しているため難儀せずに下ることができ、順調に奥千町避難小屋に戻った。

              (乗鞍岳から360度の展望、北〜東〜南)


              (乗鞍岳から360度の展望、南〜西〜北)

      (乗鞍岳山頂)        (山頂から北アルプス)       (山頂から御嶽山)

 

 (御嶽山めざして岩塊を下る)    (1羽のライチョウ出現)     (と思ったら5羽の子連れ)

 (緑の絨毯のハイマツ原を下る) (千町尾根の先に見える小屋)  (田ノ原の小屋へ帰着)

 世話になった小屋に目礼して、ぐっと軽くなったザックを担いで田ノ原をなだらかに下る。千町ヶ原を過ぎ、標高2000メートルを切ると樹林帯に入り、陽光をさえぎってくれるので楽だ。中間点付近の樹林の急坂から、登る時には気づかなかったが古い丸太階段の埋め込みボルトが目立ち、つまずかないように注意が必要だ。疲れた身体に鞭打って急坂を頑張ると丸黒山(まるくろやま)だ。ここから歩き易い道となり、枯松平(かれまつたいら)休憩所から旧道を通るが、水場は水草で覆われ、殆んど涸れていた。岩井谷乗越から展望のない日影平山を経て日影峠へ、林道を経て中高生が運動中の交流の家前の広場に帰り着いた。
 乗鞍岳は観光地化し、真に山を愛する人からは敬遠気味に扱われているが、今回のコースは1日歩いても殆んど人に会わず、静かな自然豊かなところだ。特に、高山植物、高層湿原、標高に見合った樹相の変化など、緑のハイマツ絨毯歩きも含めて素晴らしい所だ。

  (小屋を後にして長丁場出発)  (雲がかかり始めた乗鞍岳)   (かんかん照りの千町ヶ原)

 (日影を作る樹林帯は有難い)         (やっと中間点)          (丸黒山頂上)

(ガンバリ坂のカラマツ林を下る) (枯松平休憩所から旧道へ)  (ミズナラ平の樹林帯を下る)

  (樹林の日影平山三角点)       (林道を穏やかに下る)         (青年の家帰着)

★道で出会った花(1日目に一括記載)

★ルート断面図


★地  図
(2)乗鞍青少年交流の家〜千町ヶ原

(1)千町ヶ原〜乗鞍岳

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       乗鞍高原・北アルプス
・2万5千分の1地形図  飛騨青屋、乗鞍岳

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