★ひとこと 「上信越国境の苗場山と白砂山の間にあるしんどい山」
佐武流山三角点
★行った日 2014年7月24日(木) 曇後雨 山域はガス 単独
★コース
秋山郷小赤沢5:30(R405)=5:47中津川林道ゲート5:55→林道分岐6:44→登山道入口7:16→檜俣川渡渉7:32→7:49休憩7:55→8:42物思平8:56→10:09(1878m)ワルサ(悪沢)峰10:18→11:00西赤沢源頭11:06→坊主平11:21→12:11(2191.5m)佐武流山12:22→坊主平12:52→西赤沢源頭13:03→13:38ワルサ峰13:48→物思平14:37→渡渉15:16→15:35登山道入口15:39→林道分岐16:04→16:50中津川林道ゲート16:59(R405)=17:20秋山郷小赤沢(楽養館)17:51(R405、R117)=豊田飯山IC(上信越道、長野道、中央道、名神)=高槻0:30
佐武流山(さぶりゅうやま)は上信越国境の苗場山(なえばやま)の南にあって古武道を連想させる立派な名前の山だ。秋山郷(あきやまごう)の切明(きりあけ)を起点に上信越国境の稜線から派生している水無尾根から山頂をピストンする計画だ。今にも降り出しそうな曇り空、きょうのコースは渡渉もあるので雨の登山は敬遠して観光に切り替えようと思いながら小赤沢(こあかざわ)を出発。R405で中津川林道ゲートまで来ると曇り空は変わらないがガスが晴れ出したので支度して出発だ。
ゲートの数百メートル手前に佐武流山近道の標識があったが急坂が見えていたので林道で行くことにした。後で地図で確認したが高低差があるので近道の方が結構しんどそうだ。ゲートの横から林道に入り、路面の良好な地道林道を進む。カラマツ林を抜けるとミズナラやツガなどの針広混交林が続く。この林道の反対側から来た先程の近道と合流して檜俣川(ひのきまたがわ)林道へ右折する。ここから轍の形跡のない草深い林道を進み、見晴しのよい壁面崩落現場からは、岩菅山(いわすげやま)から続く霞んだ烏帽子岳や笠法師山が右手に望め、すぐ先からは左上方に月夜立岩(つきよたていわ)の岩峰が見える。出発して5キロほど歩くと登山道始点の檜俣川への下降点だ。昨夜の雨に濡れたヤブっぽい道を15分ばかり下ると問題の渡渉点だ。幅4、5メートルばかりの小落差の流れの落ち口の上にロープが張ってあり、幸い浅い所で10センチ位の水深なので浸水することなくスッパツの登山靴のままで飛び渡り成功だ。なお、付近には飛び石伝いに渡れるような所は見つからなかった。渡渉してカラマツ林を過ぎるとミズナラやブナ林の歩き難い急登が続き、渡渉後1時間ほど頑張ると小笹原に古木のある物思平(ものおもいだいら)だ。少し尾根を回り込むと水無尾根端に乗り、コメツガの大木をぬいながら、時にはロープ場で稜線を回り込んで根の絡まった尾根を進む。時折、樹間から西赤沢源頭(にしあかざわげんとう)の先から西へ伸びる支稜線上の三角帽子の猿面峰(さるずらみね)が望める。谷筋にはまだ残雪が輝いている。ロープ場を過ぎてコメツガの急坂を登ると見晴しのよいワルサ(悪沢)峰だ。
(中津川林道ゲートを出発) (地道林道をたんたんと進む)
(少し草深い檜俣川林道へ)
(好展望の崩落補修現場を行く)(林道から烏帽子岳と笠法師山) (林道から月夜立岩)
(檜俣川へ下る登山道入口) (ヤブっぽい樹林帯を下る) (檜俣川を渡渉)
(樹林帯をなだらかに登る) (ブナ林の急登が続く) (物思平で小休止)
(猿面峰を右に尾根を急登) (数ヶ所ロープ場もある) (見事なコメツガ尾根を急登)
ワルサ峰の左側は切れ落ち、今はガスで真っ白だが苗場山はじめ上越の山々の展望台のはずだ。この先展望の良い尾根道や樹林帯の道がアップダウンしながら交互に現れ、やがて苗場山分岐の西赤沢源頭だ。稜線を南へ登り、標高2000メートルの坊主平を過ぎてぬかるんだ道を通り過ぎ、ガスに閉ざされた切れ落ちた笹原を左に見て登りつめると樹林の中の佐武流山三角点だ。山頂付近の東側が開けている様だ。白砂山へ続く地形図の点線の道は藪の中だ。午後になると天気予報通りガスが濃くなりポツリときたが、お湿り程度なので暑いので合羽を着ることなく急いで下りはじめた。本降りにはならず降ったりやんだり、ガスで閉ざされた稜線を下り続け、心配した檜俣川の増水もなく安全に渡渉して林道だ。幸運にも林道を歩き出してから本降りとなったが、傘をさしただけでゲートへ帰着だ。帰り道の小赤沢の日帰り温泉、楽養館で貸切状態で疲れを癒し、津南町から飯山を経て順調に帰阪した。
秋山郷の最南端にあって長い林道歩きを必要とするアプローチに時間のかかる山だ。亜高山帯のコメツガの大木が水無尾根に林立するさまは見事だ。また、きょうは目にできなかったが、稜線からの志賀高原や上越の山々の展望も優れものだ。
(展望のよさそうな稜線が続く)
(樹林の中の佐武流山三角点)(何も見えない展望稜線を下る)
(ガスに霞む稜線を下り続ける) (大木コメツガ尾根を下る) (水深10センチを飛び渡り)
(傘をさして林道を戻る) (カラマツ林が現れるとゲートはすぐ) (雨の林道ゲートに帰着)
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 志賀高原・草津白根山・四阿山
・2万5千分の1地形図 佐武流山(さぶりゅうやま)
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