鳥甲山(2037.6m)

 

★ひとこと   「秋山郷を介して苗場山と対峙し、岩壁のそそり立つ鳥甲山へ」

鳥甲山三角点


★行った日   2014年7月23日(水) 曇一時晴 山域はガス 単独

★コース

秋山郷小赤沢5:20(R405、林道)=屋敷登山口P(置車、車便乗)(林道)=むじな平登山口P5:45→刈り払い地域迷い道(小1時間)→8:19万仏岩付近8:26→10:02(1944m)白ぐらの頭10:10→剃刀岩11:04→山頂分岐11:32→11:40(2037.6m)鳥甲山11:59→山頂分岐12:04→赤ぐらの頭12:38→赤ぐらの肩13:16→13:42屋敷山分岐13:47→大堤防14:33→屋敷登山口14:56→屋敷登山口P15:01(林道、R405)=秋山郷小赤沢15:30

 長野県北部栄(さかえ)村の秋山郷(あきやまごう)にある岩壁の目立つ鳥甲山(とりかぶとやま)だ。秋山郷の切明(きりあけ)に近いむじな平から登り、鳥甲山を経て屋敷(やしき)へ下る計画だ。屋敷登山口Pに置車、小赤沢(こあかざわ)の民宿のご主人にむじな平登山口までおくって頂く。
 むじな平登山口から刈り払いされたネマガリダケの登山道をなだらかに登るが、ここで失敗、刈り払いされた踏み跡が幾筋も現れ、ピンクリボンを追って平地へ迷い込み、ネマガリダケのヤブに阻まれると引き返しつつウロウロ。稜線へのショートカットもヤブに阻まれてままならず、戻るにも来た踏み跡が分からず約30分さまよってやっと元の位置へ帰り着いた。林業作業者用のピンクリボンに要注意だ。ブナ巨木尾根を休み休み急登すると前方に万仏岩(まんぶついわ)らしい岩峰が見え、足場の悪い尾根を登ると梯子や鎖完備の岩頭だ。岩頭を乗り越えると少しなだらかになるが再び急登が続く。灌木帯のヤセ尾根はガスで視界が閉ざされているが、右手に苗場山、右下に秋山郷、左には奥志賀の山々、正面には白ぐらの岩峰が望めるはずだ。ダケカンバやシラビソの樹林帯に入ると傾いた道標のある白ぐらだ。展望は皆無だ。ぬかるみの笹の茂る尾根道を下るとP1908の岩峰だ。近くの枝にとまったホシガラスが原住民の権利を主張し続けているようだ。東側が切れ落ちた岩峰の裾を鎖を頼りにトラバース、進入禁止の立て札のある岩峰の手前からロープを伝って下る。振り返るとP1908の岩峰が屏風のように立ちふさがっている。

  (むじな平登山口から出発) (仮払い地で約30分ウロウロ)    (ブナ巨木尾根を直登)

   (万仏岩下部を登る)     (足場の悪い尾根を急登)  (梯子と鎖完備の万仏岩登り)

 (鎖を登りきると少しなだらか) (展望のよさそうな稜線を行く)     (急登が続く)

 (小灌木帯の岩盤尾根を行く) (樹林に囲まれた白ぐら山頂)    (ぬかるみの道を下る)

  (前方はP1908の岩峰)     (何か喋るホシガラス)    (P1908手前の岩峰を行く)

  (鎖場で岩峰の東側を巻く)    (岩峰は立ち入り禁止)    (P1908岩峰を振り返る)

 黒木尾根と合流する次のピークの手前に現れるのが評判の剃刀岩(かみそりいわ)だがちょっと拍子抜けだ。針金で網状に覆われ、稜線に鎖が渡された長さ4〜5メートルほどのヤセ尾根だ。慎重に渡れば問題ない。私見だが長さのより長い戸隠山(とがくしやま)の蟻の塔渡(ありのとわたり)の方がずっと怖ろしい感じだ。この先から高山蝶の飛び交う急斜面の草地だ。帰宅後調べるとフジアザミの蜜を吸うウラギンヒョウモンとクジャクチョウらしい。屋敷分岐から少し稜線を進むと展望のない笹原に丸い石が点在する鳥甲山三角点だ。誰もいない山頂で大休止後、先ほどの分岐から屋敷への道をたどり始める。ガスに覆われた黒木尾根を右に見ながら草つきの急坂下り、赤ぐらの頭を過ぎ、赤ぐらの肩も過ぎて樹林帯を出たり入ったりしながら急坂を下ると屋敷山稜線別れだ。さらにブナ巨木の森の急坂を小1時間下ると巨大な堰堤だ。民宿のご主人の話では、かつて集落近くまできた大雪崩を防ぐために作られたそうだ。堰堤を迂回しながら樹林帯を下ると新たに付け替えられた林道出合の屋敷登山口だ。屋敷トンネルを南へ抜けると旧登山口の屋敷登山口Pだ。ここから小赤沢まで車で15分位だ。
 降られはしないがガスがとれない鬱陶しい空模様だったが、6年前の秋に訪れた苗場山から眺めた鳥甲山の鋭鋒が忘れられず、今回やっと実現した。屋敷ルートは急坂の樹林帯歩き一辺倒に対し、むじな平ルートはブナ林は無論、岩峰あり、お花畑ありの展望豊かな稜線を登るルートだ。鳥甲山へ登る場合は上りにむじな平ルートを使うことがお勧めだ。

   (針金で覆われた剃刀岩)  (正面の鳥甲山へ尾根を行く)     (花咲く草原を登る)

(フジアザミとウラギンヒョウモン?)(フジアザミとクジャクチョウ?)    (近づく鳥甲山)

  (屋敷分岐から左の山頂へ)   (展望のない笹原の山頂)  (屋敷へ下る展望の良い稜線)

  (切れ落ちた崖上を下る)    (屋敷山分岐から東へ下る)  (ブナ林の急坂を下り続ける)

  (雪崩防止堰堤を回りこむ)      (ブナ林を下る)        (新設の屋敷登山口)

★道で出会った花

  ミヤマホツツジ(万仏岩)      アカモノ(万仏岩)        ヨツバヒヨドリ(万仏岩)


   フジアザミ(万仏岩)         コケモモ(万仏岩)      ウラジロヨウラク(白ぐら)


      ニガナ(白ぐら)       ゴゼンタチバナ(白ぐら)    ギンリョウソウ(白ぐら)


   ツクバネソウ(白ぐら)       マイヅルソウ(白ぐら)       カニコウモリ(白ぐら)


  トリアシショウマ(P1908)    ニッコウキスゲ(P1908)   グンナイフウロ(P1908)


  ミネウスユキソウ(P1908) タテヤマウツボグサ(P1908)  ミヤマコゴメグサ(P1908)


   シモツケソウ(山頂)        オトギリソウ(山頂)    ミヤマコウゾリナ?(赤くらの頭)


  エゾシオガマ(赤くらの頭)   オウバギボウシ(赤くらの頭)   シロバナニガナ(赤くらの頭)


 ヨツバシオガマ(赤くらの頭)    ユキザサ(赤くらの肩)   タカネマツムシソウ(赤くらの肩)


 ミヤマママコナ(赤くらの肩)     キンレイカ(赤くらの肩)     イタドリ(赤くらの肩)


   クルマユリ(赤くらの肩)       ?(屋敷山分岐)        ヤマアジサイ(堰堤)


    オカトラノオ(堰堤)       チダケサシ?(堰堤)        ソバナ(屋敷登山口)


★ルート断面図

★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       志賀高原・草津白根山・四阿山
・2万5千分の1地形図  鳥甲山、切明(きりあけ)

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