戸隠山(1904m)九頭龍山(1882.6m)五地蔵山(1998m)

 

★ひとこと   「奥社から岩稜登りで戸隠山を経て弥勒尾根経由牧場へ」

八方睨へ向かうヤセ尾根から蟻の塔渡を振り返る


★行った日   2013年10月13日(日) 晴 単独

★コース

戸隠中社6:30(県道36)=奥社入口駐車場6:41→随神門7:00→奥社7:18→登山口7:23→8:14五十間長屋8:18→9:25(1900m)八方睨9:31→(1904m)戸隠山9:39→10:02P1869 10:09→(1882.6m)九頭龍山10:25→11:12一不動避難小屋11:25→12:23(1998m)五地蔵山12:36→P1596 13:16→牧場登山口13:51→14:16キャンプ場バス停14:26(バス)=14:28奥社入口14:35(県道36)=戸隠中社14:50

 昨晩は風が吹き荒れたが今朝は快晴の登山日和、戸隠山(とがくしやま)だ。修験道の山として知られる戸隠山は北信五岳の1峰であり、麓から眺めると岩峰が荒々しく屏風のように連なっている。金色と青色の目の白猫がひっくり返って背中を地面にこすり付けながら見送っている中社を出発、10分で奥社(おくしゃ)入口だ。晴れの連休とあって早くから無料駐車場は満車、まだ閉まっている有料パーキングへバス入口から入って駐車場2番のりだ。
 奥社入口の大鳥居を過ぎ、早朝から三々五々と行き交う人々にまじって参道を進む。猿が枝に座って下を眺めている大木もある参道を歩き、随神門(ずいしんもん)に近づくと見事な杉並木だ。日光杉並木街道を思わせる杉巨木の道をしばらく進むと石段の上が岩の屏風を背景に朝日に輝く奥社、少し戻った社務所の横が戸隠山登山口だ。時折、木の間から姿を見せる朝日に照らされた岩稜を眺めながら急な小尾根をジグザグに登る。朝日に金色に映える広葉樹の道をしばらく急登すると五十間長屋に上る岩壁だ。いよいよ鎖場の岩登りの始まりだ。五十間長屋は岩壁の中腹が横に掘れた岩棚だがすぐ行き止まりだ。岩棚には入らず岩壁の左に沿って少し進むと百間長屋だ。祠の丸顔の地蔵に手を合わせて百間長屋から西窟(さいくつ)を過ぎると急登だ。20mほどの沢状の岩場を鎖の助けを借りてよじ登り、次は平らな岩盤をボルダリングの真似事をしながら登る。ちょっとした鎖場を過ぎると斜度70度の胸突き岩だ。この手前から大渋滞、10人位の団体さんがザイルを結び合って登るためだ。しばらく岩盤の下で待機、お陰で初冠雪?の槍ヶ岳や富士山の姿までゆっくり視認できた。合図に従って、素早くよじ登って胸突き岩の上のテラスで団体さんにパスさせてもらい、いよいよ本日のメインイベントのナイフリッジの蟻の塔渡(ありのとわたり)だ。

   (戸隠神社奥社入口)    (大鳥居を過ぎて参道を進む) (随神門付近の杉並木の参道)

(岩稜を背景に朝日に輝く奥社)      (戸隠山登山口)    (急な小尾根をジグザグに登る)

  (朝日に輝く稜線の岩稜)     (色づき始めた樹林を登る)    (五十間長屋の岩壁)

 (五十間長屋はすぐ行き止まり)    (百間長屋前を行く)    (百間長屋の地蔵に安全祈願)

 (西窟を過ぎると鎖場が続く)  (ボルダリングのように岩を直登)(なるべく鎖を使わずに登る)

    (西岳が姿を現す)     (昨夜雪化粧した北アの峰々)   (渋滞の胸突き岩を直登)

 蟻の塔渡は最初、高度感があって見た目は怖ろしそうだが、足元を確認しながら立って進み、途中の岩頭では鎖を頼りに越え、最後の剣の刃渡(つるぎのはわたり)では四つ足で渡った。僕の感想は台高のヌタハラ谷右尾根の焼け尾根の方がよほど怖ろしかった。焼け尾根では、調査不足で事前情報がなく、誰もいない単独行の孤独感、おまけに尾根が砂地でずるずる崩れそうだったが、今回はしっかりした岩尾根で鎖やロープがあり、相前後して大勢の人が渡っており、余裕をもって通ることができた。しかし、ここを下るのは願い下げだ。高所恐怖症の人は行かない方がよさそうだ。ナイフリッジを終えてヤセ尾根をしばらく登ると360度大展望の八方睨(はっぽうにらみ)の小広場だ。西岳の両サイドに北アルプス、北アから左に順に中央ア-南ア-八ヶ岳と並び、東に飯縄山(いいつなやま)の彼方に志賀高原の山々が連なり、北には高妻山(たかつまやま)、妙高山(みょうこうさん)や黒姫山(くろじめやま)も望める展望台だ。八方睨から西岳へ立派な尾根道がついている。ここから、下から見ると屏風のように岩壁が続く稜線歩きだ。すぐ先で標柱が一本建つだけの戸隠山を過ぎ、右の絶壁の下に奥社やその彼方に飯縄山、正面に格好の良い高妻山、時々、屏風を半分開いたような崖の岩肌などを望みながらアップダウンの続く尾根道を進む。表示がなければ見過ごしそうな九頭龍山(くずりゅうやま)の三角点の石柱は一辺約20cmの大型の四角形だ。

 (いよいよ蟻の塔渡の始まり)     (岩頭を越える)       (高度感のある剣の刃渡)

   (剣の刃渡を振り返る)     (八方睨へヤセ尾根を登る)   (八方睨の小広場で一息)

                (八方睨から飯縄山方面を望む)

                 (八方睨から高妻山方面を望む)

(稜線から望む蟻の塔渡の行列)(東側が切れ落ちた稜線を行く)    (戸隠山頂上)

(眼下の奥社と登ってきた稜線)    (主稜線を振り返る)        (岩屏風の岩壁)

  (先のピークが九頭龍山)       (九頭龍山頂上)     (飯縄山を右手に稜線を行く)

 山頂からしばらく尾根道をたどり、正面に三角錐の高妻山を眺めながら急坂を下ると鞍部が一不動(いちふどう)避難小屋だ。右折すると牧場へ向かうが急な沢を下る記憶があり、あまり気乗りしなかったので、五地蔵(ごじぞう)山から景色のよい弥勒(みろく)尾根を下ることにした。鞍部から稜線を直進、最初のピークが二釈迦(にしゃか)の祠だ。右に常に飯縄山を眺めつつ進み、三文殊(さんもんじゅ)、四普賢(よんふげん)、五地蔵の祠を過ぎると好展望の五地蔵山だ。北信五岳の戸隠山をのぞく四峰を見渡すことができる。山頂のちょっと先の六弥勒(ろくみろく)から高妻山へ向かう尾根道と別れ、弥勒尾根を牧場へ向かって下る。ダケカンバの点在する見晴しのよい笹原の急坂だ。左に焼山(やけやま)、火打山(ひうちやま)、妙高山が並び、正面の黒姫山に向かって刈り払いされた笹の急坂を下り続ける。標高1700米位からブナ林となりP1596を過ぎると再び急坂の広葉樹林を延々と下りる。雑木林になると沢を渡渉して牧場に飛び出す。山裾を南下して一不動から来た道と合流、牧場やキャンプ場の中をしばらく進むとキャンプ場バス停だ。幸運にもすぐにやってきたバスに一駅乗ると駐車場の奥社入口だ。晴天の連休とあって車の渋滞にもまれながら中社へ帰り着いた。
 好天に恵まれ今回のメインの山行、紅葉の始まった戸隠山を楽しむことができた。特に八方睨までの核心部の岩稜登りはスリル満点だ。蟻の塔渡や剱の刃渡は巻道がなく、天候さえよければ格好を気にせずに頑張って渡ると何とかなるものだ。奥社の杉並木、八方睨の岩稜登り、稜線からの展望など、今までの山行の中でも五指に入るコースだ。

 (端正な高妻山を正面に進む)  (黒姫山を眺めながら進む)   (五地蔵山を正面に見て下る)

    (一不動避難小屋)       (戸隠牧場を右に分け直進)  (紅葉の始まった稜線を北上)

   (戸隠山方面を振り返る)    (五地蔵の祀られた広場)      (五地蔵山)

         (五地蔵山から北信五岳の4峰(妙高、黒姫、斑尾、飯縄)を望む)

(左に火打、妙高を見ながら下る)(黒姫を正面に急坂を下る)   (笹原の弥勒尾根を下る)

 (やがて美しいブナ林が始まる) (陽に映える鮮やかな紅葉)   (雑木林が多くなると牧場)

   (弥勒尾根牧場登山口)    (飯縄山を左に見てキャンプ場へ) (草を食むホルスタイン)

★道で出会った花

    フジアザミ(八方睨)        ヤマハハコ(八方睨)      リンドウ(九頭龍山)

★ルート断面図


★地  図

 (備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)

(参考地図)
・山と高原地図       妙高・戸隠・雨飾
・2万5千分の1地形図  高妻山

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