仙ノ倉山(せんのくらやま)は上越国境にあって谷川連峰西端に位置する最高峰だ。R17沿いの元橋駐車場から松手山(まつでやま)を経て平標山(たいらっぴょうやま)に登り、仙ノ倉山をピストンして平元(ひらもと)新道を下る計画だ。快晴の連休初日とあって朝早くから100台以上駐車できる大駐車場は殆んど満車、三々五々出発するところだ。
駐車場奥の登山口から雑木林を経て林道に合流、二居川(ふたいがわ)の橋を渡ると松手山経由平標山登山口だ。色づき始めたブナなどの広葉樹林帯の急坂を丸太階段が延々と続く。少し勾配が緩くなると紅葉した小灌木帯となり、朝霧に包まれた尾根を登り続けると巨大な高圧鉄塔(刈羽原発から?)だ。この辺りから展望の良い稜線が続き、振り返ると朝日に映える朝霧のかかった苗場山の山並みが見事だ。シナノキやブナの大木が点在するが殆んどが紅葉した小灌木帯の見晴し稜線を登り続けると松手山だ。
松手山から少し下ってからなだらかに稜線を登る。正面には一ノ肩に向うたおやかな草原尾根に一筋の尾根道が続き、振り返ると色づいた丸い尾根の松手山の彼方に平らな稜線の苗場山が望める。今は見かけないがこの辺りにはお花畑が広がっているそうだ。一ノ肩が近づくと、見た目はなだらかだが、しんどい急な上りだ。一ノ肩周辺は風の通り道らしくなかなか風が強く、ウインドブレーカーをはおって登り続けた。一ノ肩からなだらかになった笹原の稜線を進み、最後に急坂を登ると平標山だ。360度の展望、西の苗場山の山並みの向こうに今夏に登った佐武流山(さぶりゅうやま)が頭をのぞかせ、遠く草津白根山も望めたが富士山は駄目だった。山頂で南からきた上越国境に合流し、国境線を東の仙ノ倉山へ向う。
(松手山から稜線を進む) (松手山と苗場山を振り返る)
(だんだん近づく一ノ肩)
(平標山への最後の上り) (左に見える仙ノ倉山) (平標山)
(平標山から西の苗場山方面を望む)
(平標山から東の仙ノ倉山方面を望む)
大草原に盛り上がったような東の仙ノ倉山へ木階段道を下る。木道もあるなだらかな遊歩道のような道を進む。鞍部にはお花畑が広がっているようだ。最後に意外にきつい木階段を上ると山名板もある仙ノ倉山頂上広場だ。山頂から、東には谷川岳の彼方に昨日と一昨日に登ってきた大源太山(だいげんたやま)や中ノ岳、また、武尊山(ほたかやま)や至仏山(しぶつさん)など上州の山々も望めた。山頂から東へ険しそうな国境稜線の尾根道が下っている。風の当たらない山頂の窪地で昼食後、ちょっと下ってみたい誘惑を断ち切って、雄大な風景を眺めながら平標山へ向った。
(平標山から仙ノ倉山へ) (展望稜線を行く)
(意外にきつい最後の上り)
(仙ノ倉山から東の谷川連峰方面を望む)
(仙ノ倉山から西の平標山方面を望む)
(だんだん近づく平標山) (平標山から南尾根を下る) (南尾根から平標山を振り返る)
平標山頂上広場は超満員なので通過、小さく見える平標山ノ家の先の大源太山(別の大源太山)や、その彼方に見える赤城山や浅間山を眺めながら笹原の木階段を下り始めた。国境稜線の南尾根を少し下ったところの休憩ベンチで小休止だ。だんだん高くなる平標山や仙ノ倉山の前ピークを振り返りながら稜線を下り、大勢の登山者が休憩中の平標山ノ家から平元新道を下る。山の家には水場もあり新築間もない立派な山小屋だ。苗場山を正面に見ながら笹原の急坂を下り、やがて紅葉真っ盛りの広葉樹林帯を木漏れ日を浴びつつ下る。登ってくる子供連れや大きなリュックの登山者としばしば出会うが、晴れの連休とあってきょうは泊りが多そうだ。標高1300メートル付近から紅葉し始めた木々が多くなり、青々としたカラマツ林が続くと林道登山口は近い。林道登山口から約3キロの林道歩きだ。2キロほど歩くとゲートがあり、その先から河内沢左岸沿いの小径に入り、沢音を聞きながらしばらく下ると元橋駐車場だ。行楽の車の多いR17を走り、六日町ICから順調に帰阪した。
きょうは人気のルートらしく大勢の登山者と出会う山旅だ。谷川連峰の平標山から仙ノ倉山にかけて一つの盛り上がりを形成し、山頂からの大展望、たおやかな草原を思わせる稜線、紅葉真っ盛りの樹林帯など、誰でも容易に楽しめる山域だ。
(南尾根から南方を望む)
(好展望の笹原稜線を下る) (鞍部に建つ平標山の家)
(水もある大きくて立派な山の家)
(苗場山を正面に急坂を下る) (黄葉したブナ林を下る)
(未紅葉の樹林帯を下る)
(カラマツ林を下る)
(平標山林道登り口) (林道を進む)
(林道ゲート)
(林道から沢沿いの道へ) (駐車場登山口へ帰着)