谷川連峰の大源太(だいげんた)山は標高も低く地図上では目立たないが、上越のマッターホルンと呼ばれる尖った岩峰が特徴だ。旭原を起点に七ッ小屋(ななつごや)山を経て大源太山を周回の計画だ。湯沢から、大源太川に沿って県道を進み、大源太キャニオン青少年旅行村の少し手前から大源太林道に入ると林道終点が10台位駐車できる登山口だ。なお、途中の旭原集落辺りから見た朝靄にかすんだ大源太山の岩峰が最初で最後の姿だった。
降り出しそうな雲行きにテンションを下げながら登山口を出発、平坦な植林帯をしばらく進むと北沢出合だ。両岸から渡してあるロープを頼りに飛び石伝いに渡渉、ちょっと先の分岐から復路に通る直進路と別れて謙信ゆかりの道に入る。初めは青々としたブナ林の急坂を九十九折に登り、水場の辺りから色付き始めた樹林帯を登り続ける。樹間から見える山並みにガスがかかり始め、そのうち周りのブナ林も白っぽくなり、がっかりしながら登り続ける。やがて紅葉したブナ林となり、笹原の小灌木帯が現れると一面ガスに覆われたシシゴヤノ頭だ。ここから晴れていれば谷川連峰を眺めながら歩く稜線漫歩のはずだが、ガスに閉ざされた笹原の尾根道を黙々と歩くだけだ。所々で笹薮状態の稜線をヤブコギしながら進むと上越国境稜線出合の蓬(よもぎ)峠分岐だ。国境稜線は笹原が下刈りされた歩き易い尾根道が続き、なだらかに登ると一通過点の七ッ小屋山だ。今にも降り出しそうな雲行きなので、今のうちに風の当たらない尾根下の窪みにへたり込んで暖かい昼食だ。
(旭原から霞んだ大源太山) (林道終点の旭原登山口)
(植林帯を進む)
(北沢を飛び石に渡渉) (分岐を右の謙信ゆかりの道へ)
(ブナ林を登る)
(笹原の灌木帯を登る) (展望の良さそうなシシゴヤノ頭) (笹薮コギの稜線を進む)
(蓬峠分岐から下草刈済みの道)
(ガスった稜線を行く) (一通過点の七ッ小屋山ピーク)
山頂の少し先で清水峠に向う上越国境稜線と別れ、長い急な尾根下りだ。晴れていればこの辺りから大源太山のピラミダルな岩峰が望めるはずだ。鞍部からいよいよ鎖場の連続する岩峰登りだ。視界が全く利かないので恐怖感はあまりなく、ただ浮石に注意して懸命に登るだけだ。山頂は小広く、360度の展望が楽しめるはずだが、山頂標柱を眺めただけで早々に弥助(やすけ)尾根を下山だ。急坂が続くが、南尾根の頂上直下のような岩稜はなく、南尾根を上りに使う反時計回りが正解だ。標高1400メートルをきった辺りで雲の下になり、鮮やかに紅葉した弥助尾根を眺めながらの稜線下りだ。紅葉した小灌木帯の続く見晴し尾根を下り続け、稜線から別れて北沢へ支稜を下り始めると紅葉の始まったばかりのブナ林だ。急坂を下るにつれて青々とした樹林帯を下ると北沢出合だ。流れの上に掛けられたロープを頼りに飛び石伝いに流れを渡り、北沢の左岸を下ると往路の謙信ゆかりの道分岐だ。再び北沢を渡って、植林帯の小径を下ると旭原登山口だ。頂上付近が雲の中の大源太山を振り返りつつ車を走らせ、湯沢のコンビニであすの仙ノ倉山(せんのくらやま)の食料を買い込んで三俣(みつまた)温泉へ帰りついた。
雨はまぬがれたが稜線から上は雲の中、期待した大源太山の岩峰を間近で眺めることはできなかったが雰囲気は味わえた。シシゴヤノ頭への上りのブナ林や弥助尾根の紅葉が見事だ。なだらかな笹原の周回尾根も捨てたものではない。
(清水峠分岐) (鞍部から鎖場の稜線を登る)
(急な岩稜登りが続く)
(五里霧中の大源太山)
(紅葉真っ盛りの西尾根を下る) (ヤセ尾根を行く)
(雲の下に出た紅葉の弥助尾根) (稜線を下り続ける)
(紅葉が始まったばかりのブナ林)
(青々としたブナ林を下る)
(北沢を飛び石渡渉) (北沢の左岸を下る)
(荒れた小沢を横切る)
(往路の渡渉点を渡る) (登山口へ帰着)
★道で出会った花
カニコウモリ(ゆかりの道) アキノキリンソウ(ゆかりの道) イナカギク(ゆかりの道)
キランソウ?(七ッ小屋山) ヤマハハコ(七ッ小屋山) フジアザミ?(七ッ小屋山)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・山と高原地図 谷川岳・苗場山・武尊山
・2万5千分の1地形図 茂倉岳
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