奥美濃の大白木山(おじろぎやま)は左門岳(さもんだけ)から西南に伸びる稜線上にあり、近くの貝月山(かいづきやま)が標高1234.3メートルに対して完全な一気通貫の1234.5メートルだ。かつて根尾から温見(ぬくみ)峠方面へ向っていた際に能郷(のうご)の先でR157が通行止め、折越(おりこし)林道を迂回したときに興味をひいた山だ。舟伏山(ふなぶせやま)から県道200を経てR418を根尾へ向い、県道255を根尾東谷川に沿って舟伏山の南側を半周するように北上、左門岳へ行くときに通る上大須(かみおうす)ダムの手前から折越林道に入り、折越峠が大白木山登山口だ。
峠からちょっと下った拡幅部に駐車、パイプ手すりが夏草に埋もれた急なプラ階段を上がると尾根だ。この尾根は林道を横断して北の左門岳へと続く稜線だ。崖上の稜線から西北に中腹以上が雲に隠れた能郷白山と越山(おやま)が見え、右足下には林道がうねっている。崖上を過ぎて、夏草の茂る道をうるさい小枝をかき分けながら登る。コアジサイが咲き始めた緑にむせかえる尾根道を出発して小1時間登るとリョウブのまつわりついた根上り桧の大木だ。空洞部を容易に通り抜け可能だ。根っこに腰掛け、樹間から上大須ダムを眺めながら昼食だ。稜線を南へなだらかに登りつめると、左上大須、右黒津の中電標識のある反射板分岐ピークだ。右の尾根を下るがブナやミズナラの点在する下草の濃い道に倒木がある歩き難い踏み跡をたどる。鞍部を過ぎて標高1050メートル付近で踏み跡を外れてP1123に向って直登、笹薮や小木の繁茂する今シーズンのヤブコギ第1号だ。稜線の標高1160メートル付近で下から上がってきた踏み跡に合流、足元は見えなくとも格段に歩き易くなりホットする。この付近の見晴しのよい尾根から、遠方は霞んでいるが東方に日永岳(ひながだけ)から舟伏山に連なる稜線が望める。タニウツギの咲きそろう小木帯をかき分けて西へ少し進むと大白木山三角点と2基の反射板だ。山頂からは白山が望める筈だが殆んどの山並みは霞の彼方だ。反射板の先から高屋山へ稜線が続いているが見たところヤブコギ必須だ。下山時はちらちら木の葉の間から三角錐の屏風岳を眺めたりしながら巡視路を忠実にたどり、見晴しのない反射板に寄り道して往路通りに下った。帰りは岐阜市や大垣市の渋滞を忌避、山岳ドライブで湖北へ山越えだ。折越林道を殆んど無人の越波(おっぱ)へ下り、屏風山へ登るときに通る河内谷を右に見て、市道黒津越波線で黒津を経て、頻繁に通行止めになるR157をひやひやしながら崖上の道を抜けると能郷白山登山ルートのある能郷だ。県道270で雷倉(かみなりぐら)登山口のある八谷(やたに)を通って徳山ダム沿いの快適ドライブを経て木之本から高速で帰阪した。
植林帯を見かけることはなく奥美濃らしい静かな広葉樹の森が好きだ。山頂から白山はじめ越美国境の山々の眺めを期待したが生憎の空模様のため空振りだ。反射板の巡視路を外さなければ小木や下枝のうるさい道ながら安全に登ることができる。
(折越峠大白木山登り口) (崖上から登り口を見下ろす) (薮っぽい尾根を登る)
(根上り桧とリョウブ)
(右山頂の反射板分岐) (山頂の2基の反射板)
(薮っぽいブナ尾根を登る)
(完全なヤブコギ) (大白木山頂上)
(山頂手前から日永岳方面を望む)
(薮っぽい巡視路を戻る)
(反射板に寄り道) (崖上まで戻る)
★道で出会った花
コアジサイ(根上り桧) ?(根上り桧) ヤマボウシ(大白木山)
タニウツギ(大白木山) コバノガマズミ(大白木山) ヤブテマリ(大白木山)
★ルート断面図
★地 図
(備考)この地図および断面図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第90号)
(参考地図)
・2万5千分の1地形図 下大須
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